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マザーボードの選び方|初心者向け基礎知識

マザーボードの選び方

マザーボードはPCの性能を左右するとても重要なパーツです。

しかしながら製品数があまりに多く、マザーボード選びでつまづいてしまう人も少なくありません。

マザーボードに関する最低限の知識を身に着けておけば、自作PCはもちろん、BTOパソコンを購入する際にも役立ちます。

初心者の方が最低限知っておきたいマザーボードの基礎知識について、なるべくわかりやすくまとめました。

マザーボードを選ぶポイント

マザーボードの選び方は人それぞれですが、筆者のおすすめは以下の通り。

マザボ選びの流れ
  1. 使いたいCPUを決める
  2. CPUに対応したチップセットを選ぶ
  3. ケースに合わせてサイズを決める
  4. 拡張性や機能で候補を絞り込む
  5. 予算内で希望に合うものを見つける

今回はIntelの12世代CPUを使用する前提で、上記の流れに沿ってご説明します。

Intelの公式サイトにも詳しい解説があるので、興味がある方はあわせてご覧ください。(ややわかりづらいですが)

チップセット

チップセット

マザーボード選びでとくに重要なのがチップセット。

チップセットとはマザーボードに搭載された集積回路のことで、CPUとの組み合わせを間違えるとPCが起動しません。(CPUを取り付けられない)

CPUの世代と対応するチップセットをざっくりまとめると以下の通り。

対応するチップセット
Intel Core 12世代Z690、H670、B660、H610
Intel Core 11世代Z590、H570、B560、H510
AMD Ryzen 5000シリーズX570、B550(X470、B450)
AMD Ryzen 3000シリーズX570、B550、X470、B450

X470やB450でRyzen 5000シリーズを使用する場合、事前にBIOSのアップデートが必要になる場合があります。

使いたいCPUに対応するチップセットを確認したら、チップセットごとの機能を見ていきます。

たとえばIntelの12世代CPUに対応した、600シリーズチップセットの主な機能を比較すると以下の通り。

600シリーズ 主な機能
Z690H670B660H610
CPU OC×
メモリ OC×
M.2 SSDGen4Gen3
RAID(PCIe)0/1/5×
RAID(SATA)0/1/5/10×
USB3.2 最大数420
USB3.1 最大数1042
USB3.0 最大数10864
USB2.0 最大数141210
SATA 最大数84

多機能になるほど価格も高くなる、と考えて問題ありません。

CPUをオーバークロック(OC)したいならZ690が必須ですが、OCに興味がなければH670やB660を選んでも良いでしょう。

H610はメモリのOCに対応しておらず、Gen4対応のM.2 SSDも使えません。

「PCでゲームがしたい!」ということであれば、筆者としては機能と価格のバランスに優れたB660がおすすめです。

Intel CPUの場合、末尾に「K」がついているものしかOCができません。

ソケット

Core i7-12700K

「今までIntelのCPUを使っていたけど、Ryzenに変えてみたい!」

というコメントをもらうことがまれにありますが、チップセットによってソケットの形状が異なるため、物理的に搭載できません。

Intel(LGA1200)
LGA1200ソケット
AMD(AM4)
AM4ソケット

Intelの場合、10世代と11世代はLGA1200というソケットが使われており、世代間の互換性がありましたが、12世代ではLGA1700に更新され互換性がなくなりました。

LGA1700ソケット
縦長になったLGA1700

CPUに対応するチップセットさえ間違えなければ、ソケットについて難しく考える必要はありませんが、CPUクーラーを選ぶときは注意が必要です。

たとえばIntelの12世代CPUを使う場合、LGA1700に対応したCPUクーラーを選ばないと取り付けができません。(ASUSなど一部製品を除く)

一部のCPUクーラーはLGA1700に対応させるアダプターキットなどを販売しているので、購入時によく確認しましょう。

AMDの3000シリーズと5000シリーズには互換性がありますが、7000シリーズでソケットの形状が変わる(互換性がなくなる)と発表されています。

サイズ(フォームファクタ)

Mini-ITXのPC
Mini-ITXで組んだ自作PC

「チップセットはB660に決めた!」となると、次はマザーボードのサイズを決めましょう。

マザーボードのサイズ選びは、ケース選びに直結します。

現在主流なマザーボードの規格は3種類。

E-ATXなども存在しますが、初心者向けではないためここでは触れません。

それぞれの特徴をざっくり整理すると以下の通り。

サイズのちがい
ATXマザーボードの標準的なサイズ
拡張性に優れ、組みやすい
安いものから高額なものまでピンキリ
Micro-ATX少し小さめのマザーボード
拡張性はやや落ちるが組みやすい
手ごろなモデルも多い
Mini-ITX小さいPCを組みたい方向け
拡張性はなく非常に組みづらい
価格はやや高めのものが多い

はじめてPCを組むなら、ATXかMicro-ATXがおすすめ。

Micro-ATXは拡張性という点でやや劣るものの、グラボ以外に何かしらの拡張カードを使用する予定がないなら、まったく問題ありません。

コスパ良くゲームができるPCを組みたいなら、Micro-ATXで探してみても良いでしょう。

Mini-ITXはコンパクトさが魅力ですが、製品の選択肢が少なく、組みづらさもあって初心者向きではありません。

Micro-ATXはケースの選択肢が少ないですが、ATXのケースにMicro-ATXのマザーボードを取り付けることも可能です。

拡張性

豊富なPCI Expressスロット
ATXマザーボードは拡張性に優れる

PCI ExpressやSATA、USBポートなどの拡張性は、基本的にチップセットやフォームファクタに紐づきます。

たとえばIntelの12世代 CPUでM.2 SSDをRAID1(ミラーリング)で使いたい場合、チップセットはZ690またはH670を選ぶ必要があります。

ほかにもキャプチャーボードや10Gbps対応のLANカードなど、グラボ以外にも複数の拡張カードを使いたいなら、ATX規格のマザーボードを選んだほうが良いでしょう。

内蔵型のキャプチャーボード
内蔵型のキャプチャーボード

M.2 SSDの搭載数も製品によって差がありますし、パソコンを光らせたいならRGBを制御する端子(アドレサブルRGBなど)の有無も要チェック。

RGB LEDのみ
RGB LEDのみ
アドレサブルRGBにも対応
アドレサブルRGBもアリ

公式サイトなどでマザーボードの仕様をよく確認することが大切です。

メモリ

Intelの12世代 CPUを使うなら、DDR5とDDR4のちがいも理解しておく必要があります。

DDR5
DDR5
DDR4
DDR4

DDR5とDDR4には互換性がないため、たとえばDDR4メモリとDDR5対応のマザーボードを買ってしまった場合、物理的に取り付けられません。

切りかけの位置
DDR5とDDR4では切りかけの位置が異なる

マザーボードを選ぶときはDDR4とDDR5、どちらに対応しているのか、メーカー公式サイトや各販売サイトで仕様をよく確認してください。

Z690(DDR5)
Z690(DDR5)
Z690(DDR4)
Z690(DDR4)

筆者が検証した限り、DDR5に変えたからといってゲームのフレームレートが急激に伸びるということはないため、最新製品へのこだわりがなければDDR4で問題ありません。

DDR5はDDR4と比べてメモリの単価が高いということもあり、コスパを求めるならDDR4に対応したマザーボードを選びましょう。

スロット数

ATXやMicro-ATXはメモリスロットが4つあるものが多いですが、Mini-ITXは2つのみ。

4スロット
4スロット
2スロット
2スロット

ゲーム用途がメインなら2つあれば十分ですが、4枚使いたい方はメモリスロットにも注目してマザーボードを選んでください。

メモリスロットが2つしかないATXやMicro-ATXも一部あります。

VRMフェーズ

VRMフェーズ
格安マザーボードはフェーズが最小限

B660のATXまで絞り込んだとして、ここで理解しておきたいのがマザーボードのフェーズ。

フェーズとはCPUに供給される電圧を調整するパーツで、基本的にフェーズ数が多いほど電圧を一定に保つことができ、熱や負荷にも強いとされています。(価格も高くなる)

たとえばフェーズ数の少ないマザーボードでCore i9やRyzen 9などの爆熱CPUを使用した場合、発熱を制御できずに性能低下を引き起こす可能性が高いです。

豊富なVRMフェーズ
ヒートシンクで見えづらいがフェーズがたくさん

Core i3やCore i5などのCPUで、事務仕事やブラウジングといった負荷の少ない用途であれば、最低限のフェーズ数でも問題なく運用できるでしょう。

Core i7やRyzen 7以上のハイスペックなCPUで、毎日何時間もゲームや配信をするなら、ある程度フェーズ数の多いマザーボードを選んだほうが安心です。

使用するCPUクーラーの性能やケースのエアフローも影響します。

ヒートシンク

激安マザーボード
H610の激安マザーボード

低価格帯のマザーボードは見た目が貧相あっさりしています。

ミドルスペック以上のマザーボードになると、CPUを囲うようにヒートシンクが設置されているものがほとんど。

ヒートシンク
ごてごてしたヒートシンク(ドラゴンはただのデザイン)

これはフェーズを冷えやすくするためのパーツで、上位モデルのマザーボードほどヒートシンクも大型化しがち。

ゴテゴテしたヒートシンクが多いのは、表面積を増やして効率的に熱を逃がすためです。

空冷CPUクーラーを使用する場合、一部のマザーボードはヒートシンクが干渉して取り付けられない場合があります。

バックパネル

背面端子(バックパネル)の充実度もマザーボードによってさまざま。

基本的に価格の高いマザーボードほど、バックパネルのポート類が充実しています。

充実
充実したバックパネル
貧相
貧相なバックパネル

Type-Cのポートが2つもあるマザーボードもあれば、2.5Gbps対応のLANを搭載したマザーボードも増えてきています。

オーディオにこだわるなら光デジタル出力の有無もチェックすべきですし、有線LANをつなげられない方は無線LANに対応したものが便利。

CPUやメモリのオーバークロックに興味がある方は、バックパネルにCMOSクリアボタンがあると重宝するでしょう。

パソコンをどのように使いたいのか、用途に合わせて選ぶ必要があります。

一体型がおすすめ

IOパネル
筆者が大嫌いな分離型のIOパネル

低価格帯のマザーボードはIOパネルが別パーツとして付属するものが多いです。

ひと手間増えるだけに思えますが、ケースにすんなりハマらなかったり、爪が内側に入り込んでしまったり、面倒なトラブルを引き起こすことも。(筆者はとても苦手)

一体型
一体型のIOパネル
分離型
分離型のIOパネル

一体型のバックパネルは組み立てが楽なだけでなく、見た目もカッコイイものが多いです。

予算さえ許すなら、一体型のバックパネルを強くおすすめします。

メーカー

マザーボードを販売するメーカーは主に以下の4社が有名です。

BCN AWARDによると、ASUSは10年以上シェアNo.1に君臨。

「マザーボードはASRockしか使わない!」というこだわり派の方もいますが、完全に好みの問題です。

筆者の場合、メーカーで選ぶということはせず、あくまで機能や価格で選んでいますが、結果的にMSIが多くなっています。

ピン折れ保証
お世話になったことはないピン折れ保証

組み立て時にCPUソケットのピンを折ってしまった場合、無償で交換してくれるメーカーも一部あります。

手先の器用さに自信がない方は、ピン折れ保証の有無でメーカーを選んでも良いでしょう。

ほかにもBIOSTARやSUPERMICROなどありますが、初心者の方は有名メーカーの製品を選んだほうが無難です。

用途と予算に合わせて判断を

完成した自作PC

マザーボードは種類も多く、価格もピンキリですし、ややこしいと感じてしまうのも無理はありません。

ある程度知識が身に付けば、きっとマザーボード選びがとても楽しく思えるようになります。

あくまで筆者の個人的意見ですが、Intelの12世代CPUで、OCに興味なし&コスパ重視なら、マザーボードはB660のATXまたはMicro-ATXがおすすめです。

予算や用途に合わせて、納得のいくマザーボードを見つけてください。

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