日本HPが販売するゲーミングPC、OMEN。
洗練されたデザインで非常に人気の高いモデルですが、インターネット上ではネガティブな口コミや投稿が散見されるのも事実。
当サイトでは45Lと40L、25Lをメーカーからお借りして、たびたび指摘されるポイントが真実なのか実際に検証しました。
OMENが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
OMEN購入時に気になるポイント

OMENについて、ライブ配信でのチャットや動画へのコメントで度々質問をもらうポイントは以下の通り。
- ケースの排熱が心配
- 電源の容量が最低限
- 価格や納期が不安定
それぞれ順にご説明します。
ゲーム用途なら排熱は心配無用
すでに販売を終了していますが、以前販売していたOMENの25L(旧モデル)や30Lは、度々排熱が問題視されていました。(当サイトでは未レビュー)
40Lや45L、25Lの実機をお借りして検証したところ、ゲームを動かす程度なら排熱を気にしすぎる必要はありません。

45Lは最上位モデルかつ、ラジエーターをケースの外部に設置する特殊なケースを採用していることもあり、冷却性能は申し分なし。
40Lもゲームを動かす程度ならまったく問題ないものの、CINEBENCHなどでCPUに高い負荷をかけると、温度が上がりやすいように感じました。

120mmラジエーターでフルパワーのCore i7-12700Kを冷やしきるのは、さすがに限界があると思われます。
とはいえ実用上、CPU使用率が100%になるまで負荷をかけることは滅多にありません。
CINEBENCHのスコアで世界記録を目指したい方には大きな問題となりえますが、そもそもそんな方はBTOでPCを買おうとすることが間違いです。

25Lはサイドフロータイプの空冷式で、ファンのサイズは約10cm。
見た目はやや貧弱ですが、Core i7-12700Fの消費電力(PL1)を65Wに制限しているため、ゲーム起動中もCPU温度は60~70度前後とまったく問題なし。
現在発売されているOMENには、ゲーミングPCとしての十分な冷却性能が備わっている、と考えて問題ありません。
ソフトウェアでモードチェンジ

OMENには専用ソフトウェア「OMEN Gaming Hub」がプリインストールされています。
PCのパフォーマンスやファンの回転を簡単に調整できる、とても便利なソフトウェアです。

パフォーマンスモードはゲームのフレームレートも伸びやすくなりますが、ファンがフル回転してうるさくなるのがデメリット。
静音モードに変えてもフレームレートが激減するわけではないため、排熱や騒音が気になる方はモードチェンジ機能の活用を推奨します。
ファンの増設や交換も要検討
45Lと比べて排熱がやや弱い40Lですが、ケース天面に120mmファンを2つ増設できそうなスペースが用意されています。

エアフローを強化したいなら、自身でファンを増設してみても良いでしょう。
メモリとの干渉がやや心配ですが、240mmラジエーターの簡易水冷クーラーに交換するのも選択肢のひとつです。
ケースの裏側にはファンハブも用意されており、マザーボードの端子が足らなくなる心配はありません。

ただし、パーツ交換が原因でPCにトラブルが発生した場合、メーカー保証を受けられなくなる恐れがあります。
ケースファンの交換や増設はそこまで難しい作業ではありませんが、初心者の方は慎重に判断してください。
ケースファンでどの程度CPUやGPUの温度が変化するかは、以下の動画で詳しく解説しています。
電源容量も致命的な問題は無し

「OMENは電源容量が少ない!」という指摘もよく目にします。
記事執筆時点での各モデルの電源容量は以下の通り。
45L | 800W(80PLUS GOLD) |
---|---|
40L | 800W(80PLUS GOLD) |
25L(AMD) | 600W(80PLUS GOLD) |
25L(Intel) | 500W(80PLUS BRONZE) |
この中ではCore i7とRTX 3060を搭載した25L(Intel)の電源容量の低さが目立ちます。
NVIDIAの公式サイトによると、RTX 3060の推奨電源は550W。
国内BTOメーカーも、RTX 3060を搭載したマシンでは600W以上の電源を搭載していることがほとんどです。

25L(Intel)のスペックだと、ゲーム起動中の消費電力は300~350W前後となるため、電源容量が500Wあれば何も問題はありません。
自作PC界隈でよく目にする「電源容量は消費電力の2倍を選べ!」というのは、あくまで目安としての話です。

しかしながら変換効率はやや落ちますし、電源の負荷率が高まることで内蔵ファンがたくさん回転し、騒音の上昇やファンの寿命が短くなるというデメリットがあるもの事実。
致命的な問題はないものの、将来的にPCのパーツを交換したり、1日でも長く使うことを考えると、ベストな状態ともいえない、というのが本音です。
Core i9とRTX 3090を搭載した45Lも、電源容量に余裕があるとは言えません。
低容量電源の検証結果

推奨容量より低い電源でゲームを動かすとどうなるか、実際に450Wの電源を購入して検証しました。
結論としては普通にゲームを動かせて、致命的な問題は何も発生せずでした。
気になる方は以下の動画もあわせてご覧ください。
価格の安さと納期の速さは運次第
OMENの価格は業界相場と比較するとやや高めです。
とくに最新パーツを搭載したモデルは価格が高く、発売後しばらくは値下がりしないことがほとんど。
しかしながら時期による変動が大きく、たとえばアウトレットセールに登場する訳アリ品や期間限定クーポンが使えるときは、業界最安に匹敵するほど安くなることも。
納期も非常に不安定で、タイミングが悪いと注文時のステータスが「納期不明」となっています。

記事執筆時点では1週間ほどの納期で届くモデルが多いようですが、こればかりは日々変動するため、公式サイトで最新情報を確認するしかありません。
OMENに限らず、ゲーミングPCの値動きは誰にも読めないため、いつ買うべきかは自分自身で決断してください。
そして購入後は価格変動をチェックしないことが幸せでいるコツです。
クーポンの活用がおすすめ

HPのオンラインストアで使える、期間限定クーポンを用意しています。
OMENはもちろん、条件を満たしていればビジネス向けのノートPCなども割引が可能です。
割引率や対象モデルは時期によって変動するため、以下のまとめページをブラウザのお気に入りに登録しておくことをおすすめします。
HPのパソコンが気になっている方はぜひご活用ください。

セールやキャンペーンを確認

HPでパソコンを買うなら、週末限定セールをはじめ、期間限定のキャンペーンなども活用すると一層お得です。
一部のモデルが即納(翌日配達)に対応していたり、Amazonギフト券が最大10,000円分もらえるキャンペーンを実施していることも。
キャンペーンの内容や対象モデルは時期によって異なるため、こまめに公式サイトをチェックしてみてください。
OMENの特徴を理解して購入を

OMENはとても人気ですが、他社のゲーミングPCと比べて気になる点があるのも事実。
ゲームや動画編集などの用途がメインなら、排熱や電源容量を気にしすぎる必要はありません。
メーカー保証が外れるリスクはあるものの、ある程度スキルがあるなら自身で改造するのも楽しみ方のひとつです。
ゲーミングPCは高い買い物ですから、製品やメーカーの特徴をよく理解したうえで選んでください。
OMENのレビュー記事もあわせてご覧いただくと、より分かりやすいです。