Core i5-12600Kを購入したので、RTX 3060と組み合わせて人気ゲームをどこまで快適にプレイできるのか検証しました。
Intelの最新世代CPUの性能が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
検証用PCのスペックや概要
今回、検証のために用意した環境は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-12600K |
GPU | GeForce RTX 3060 |
メモリ | DDR4-3200 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 1.5TB M.2 SSD |
電源 | 1200W(80PLUS PLATINUM) |
メモリがDDR4なのは、DDR5メモリを買えなかったから。(争奪戦で敗北)
容量は32GB(16GB×2)積んでいますが、ゲーム用途なら基本的に16GB(8GB×2)あれば十分です。
必要以上にメモリを増やしても、ゲームのフレームレートにはほとんど影響しません。
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
グラボはPalit RTX 3060 Dual OC 12GBを使用。
電源が1200Wとなっているのは手持ちの電源がこれしかなかっただけで、NVIDIAの公式サイトによると、RTX 3060搭載PCの推奨電源は550Wとなっています。
オーバークロック設定
マザーボードはASUSのTUF GAMING Z690-PLUS D4を使用。
「Ai Overclock Tuner」という、自動でオーバークロックしてくれる設定を使用しています。
手動での設定を試みましたが、ブルースクリーンを連発したため自動設定に任せました。
BIOSで設定できる項目はマザーボードのメーカーやパーツ構成によって変わるので、参考程度にご覧ください。
ほかのCPUで検証した結果
ライバルとなるRyzen 5 5600XやCore i7-11700Kなど、ほかのCPUでもRTX 3060の性能を検証しています。
あわせてご覧いただくとCPUによるスコアの変化がわかりやすいです。
定番ベンチマークのスコア
ここからは定番のベンチマークソフトのスコアをご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R23
まずはCPUの性能をチェックするCINEBENCH R23のスコアから。
Core i7-11700K | |
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Core i5-12600K | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-11400F |
シングルコアのスコアはこちら。
Core i7-11700K | |
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Core i5-12600K | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-11400F |
ライバルであるRyzen 5 5600Xを大きく引き離しました。
ただしこれはあくまでベンチマークのスコアで、ゲームのフレームレートも同じような結果になるということではありません。
3D Markのスコア
続いて超定番の3D Markから、主要ベンチマークを試した結果がこちら。
Time Spy
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
当サイトで計測したRTX 3060のスコアとしては、もっとも高いスコアが出ました。
さすがに上位グラボであるRTX 3060 Tiのスコアには届きません。
Fire Strike
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
Fire StrikeはRyzen 5 5600Xと肩を並べるスコアです。
Port Royal
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
レイトレーシングの性能をチェックするPort Royalはほとんどスコアに差が出ず。
これは筆者の推測ですが、レイトレーシングの処理はGPUに依存する要素が大きく、CPUの性能は影響しづらいのかもしれません。
定番ベンチマークのスコア
FF15とFF14(暁月のフィナーレ)のベンチマークソフトを、それぞれフルHDの最高設定で走らせました。
FF15
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
こちらも当サイトで計測したRTX 3060のスコアとしては、もっとも高いスコアです。
わずかながらライバルであるRyzen 5 5600Xのスコアを上回りました。
FF14 暁月のフィナーレ
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
FF14ではRyzen 5 5600Xのスコアに一歩届かず。
人気ゲームのフレームレート
ここからは実際に人気ゲームをプレイして、フレームレートの平均値を算出しました。
今回検証したのは以下の通り。
- フォートナイト
- Apex Legends
- VALORANT
- Rainbow Six Siege
- モンスターハンターライズ
それぞれ順にご紹介します。
フォートナイト
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
フォートナイトはリプレイ機能を使用し、撃ち合い中のシーンを含む、同一場面の平均フレームレートを計測した結果です。
何度か検証しましたが、Core i5-12600Kは最高画質だとイマイチ伸びづらい印象です。
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
低画質はレンダリングモード「DirectX11」で、「3D解像度」のみ100%に設定して検証。
Ryzen 5 5600Xには届かないものの、Core i7-11700Kのスコアはおろか、Core i5-11400FとRTX 3060 Tiのスコアすら上回りました。
フォートナイトを240fps固定でプレイしたい方にとって、Core i5-12600Kは有力な選択肢となりそうです。
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
こちらはレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えて試した結果です。
やはりRyzen 5 5600Xには一歩届かないものの、平均400以上は驚異的なスコアです。
Intelの11世代CPUとはいったい何だったのでしょうか。
Apex Legends
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
Apex Legendsはカジュアルマッチを実際にプレイ。
近接での撃ち合いシーンを含めた、5分間の平均フレームレートを計測した結果です。
フレームレートの変動が激しいものの、平均値としては120前後。
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
画質を落とすと200前後まで伸びました。
ここまで出せていれば文句はないでしょう。
VALORANT
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
VALORANTはプラクティスのスパイク解除モードで検証。
グラフィックが軽いこともあり、最高画質で平均値は400を超えました。
実際のマッチでは多少変動すると思われます。
Rainbow Six Siege
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
レインボーシックスシージはベンチマークモードで検証した結果です。
こちらも素晴らしいスコアを叩き出しています。
モンスターハンターライズ
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
モンハンライズは体験版のオサイズチ討伐クエストをプレイ。
ゲームと相性が良いのか、Ryzen 5 5600Xより高いスコアが出ました。
最高画質でヌルヌル快適にプレイできます。
レイトレーシング性能
レイトレーシング対応ゲームの平均フレームレートも検証しました。
今回検証したのは以下の通り。
- Bright Memory RTX Benchmark
- WATCH DOGS LEGION
- FARCRY6
順にご紹介します。
Bright Memory RTX Benchmark
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
以下の設定で試したときの平均フレームレートです。
- 解像度:フルHD
- RTX Quality:Very High
- DLSS:Quality
Port Royalと同じく、GPUが同じだとスコアに大きな差が出ないようです。
WATCH DOGS LEGION
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
WATCH DOGS LEGIONは最高画質でベンチマークモードを走らせた結果です。
誤差の範囲ともいえそうですが、Ryzen 5 5600Xのスコアをわずかに上回りました。
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
DXR ONでも快適にプレイできるようです。
FARCRY6
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
FARCRY6もベンチマークモードを使用。
ゲームとの相性が良いのか、RTX 3060 Tiすら上回るスコアでした。
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
DXR ONでもRTX 3060 Tiを上回るスコアをキープ。
素晴らしい性能です。
ゲーム実況・ライブ配信
Twitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低 |
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出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
CPUの性能が大幅にアップしたこともあり、ソフトウェア(x264)エンコードでも配信と録画ができました。
さすがにソフトウェアエンコードだと、配信中のCPU使用率が100%に張り付きます。
従来のCore i5ではハードウェアエンコード一択だったため、大躍進といえるでしょう。
ゲームによって最適な設定は変わりますが、PC1台で快適にライブ配信が可能です。
ゲームプレイ中の消費電力
Apex LegendsをフルHDの最高画質でプレイし、検証用PC全体の平均消費電力を計測しました。
RTX 3060 Ti Core i5-11400F | |
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RTX 3060 Core i7-11700K | |
RTX 3060 Core i5-12600K | |
RTX 3060 Core i5-11400F |
これはCORSAIRの「iCUE」を使用し、HX1200iの電源入力ログを5秒間隔で5分間取得した結果です。
12世代CPUは消費電力が激しいと聞いていましたが、今回検証した限り、Core i5-11400Fのスコアをわずかに下回りました。
何度か試したものの、結果はほとんど変わらず。
Core i5-12600Kに関しては、消費電力はあまり気にしなくていいのかもしれません。
おすすめのBTOパソコン
Core i5-12600KとRTX 3060を搭載したBTOパソコンは非常に少なく、ドスパラやパソコン工房、G-Tuneなどでは一切取り扱いがありません。
記事執筆時点で確認できたのは、パソコンショップSEVENくらいでした。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点の情報です。最新情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
パソコンショップSEVEN
まずはパソコンショップSEVENが販売するZEFT Gaming PC。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-12600KF |
GPU | RTX 3060 |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 218,680円~(消費税・配送料込) |
この記事の検証でも使用したASUSのTUF GAMING Z690-PLUS WIFIが採用されていて、電源は750W(80Plus Gold)を搭載。
DVDスーパーマルチドライブも標準で搭載されているようです。
CPUは内蔵GPU非搭載の「F」つきですが、性能に影響はありません。
ケースも選べるのがパソコンショップSEVENの魅力です。
Ryzen 5 5600Xに匹敵する性能
10世代、11世代とCore i5の性能をチェックしてきましたが、Core i5-12600Kは間違いなく歴代最強のCore i5といえるでしょう。
フォートナイトなどのシューターゲームの場合、Ryzen 5 5600Xの性能に一歩届かない印象ですが、実用上は十分すぎるほどのフレームレートを叩き出してくれます。
ようやくRyzen 5 5600Xと互角に戦えるレベル(超えたとは言えない)になってくれました。
今回は筆者が争奪戦に敗北したためにDDR4メモリでしか検証できていませんが、DDR5メモリに換装すると、もう少し性能アップを期待できるのかもしれません。
DDR5メモリの供給が安定してきたら、改めて性能をチェックしてみる予定です。
ミドルスペックのゲーミングPCを探しているなら、Core i5-12600KとRTX 3060の組み合わせは非常におすすめです。