ASUS(エイスース)とMSIが販売するゲーミングパソコンの特徴を比較します。
両社とも「パソコンのメーカー」というよりは、マザーボードやグラフィックボードのメーカーとしての色が強いでしょうか。
しかしながら、高性能なゲーミングパソコンも多数販売しており、実際に搭載と管理人もMSIのゲーミングノートを愛用しています。
両メーカーにどのような差があるのか、サポート対応や納品までの日数、おすすめモデルなどを比較しながら紹介します。
会社概要やサポート対応の比較
まず両メーカーの会社概要やサポート、納品日数などを比較してみます。
ASUSは1989年に設立された台湾に拠点を置くメーカーで、マザーボードに関しては世界トップクラスのシェアを誇っています。
このブランド名は「エイスース」と読みますが、これはペガサス(Pegasus)の最後の4文字が由来で、ペガサスが象徴する「強さ」や「創造性」「純粋さ」を実現するという意味が込められています。
全世界に17,000人もの従業員がいるそうです。
一方、MSIも台湾に拠点を置いています。
1986年にSONY台湾の元技術者であった5人によって設立され、マザーボードやビデオカードを製造しているコンピューターメーカー。
業界の中でもゲーミングスピリットを持ったブランドとしてeスポーツ業界やゲーミング協会から高い信頼を得ています。
従業員数は2,320人だそうで、会社規模ではASUSのほうが大きいですね。
記載している情報はいずれも記事執筆時点のものです。最新情報は各社の公式サイトにてご確認ください。
ASUSは国内で直営店を展開
ASUSは東京の赤坂に「ASUS store akasaka」という直営店舗があります。
修理の相談はもちろん、メモリ増設などのサービスを受けられます。
最新製品にいち早く触れられたり、ストアスタッフから詳細説明を聞けるサービスも。
また、ASUSのゲーミングブランド「ROG」の専門店が一部量販店で展開されています。
- ASUS ROG Gaming Zone(ソフマップAKIBA 2号店)
- ASUS ROG Gaming Zone(ビックカメラ池袋本店 パソコン館4階)
- ASUSフラッグシップ・ストア(ツクモDOS/Vパソコン館)
一方でMSIには直営店舗がありません。
公式サイトも製品の紹介だけで、購入はできません。
MSIのゲーミングパソコンはビックカメラなどの量販店をはじめ、ツクモやアークといったパソコン専門店も取り扱っています。
ただし、店舗によっては実機を置いていないこともあるため、実物を見たい方は事前に確認してから足を運ぶことをおすすめします。
両社が展開する主なブランド
パソコンメーカー各社は、一般用途のパソコンとゲーミングパソコンを別ブランドとして展開することが多いです。
Dellであれば「ALIENWARE」、HPは「OMEN」、マウスコンピューターは「G-Tune」など、さまざまなブランドがありますよね。
そんななか、ASUSのゲーミングパソコンはROGというブランドを展開。
ゲーム用途に特化したスマートフォン「ROG Phone」も話題を呼びました。
そのほか一般用途のパソコンでは「Zenbook」、スマートフォンでは「ZenFone」なども有名です。
MSIは社名そのものがブランドのようなものですね。
デスクトップパソコンだとAegisシリーズやInfiniteシリーズ、ゲーミングノートではGTシリーズやGSシリーズなどが展開されています。
プロモーションのちがい
パソコンメーカーのプロモーションといえば、乃木坂46を起用したマウスコンピューターのCMが人気です。
その点、ASUSとMSIは両社ともタレントを起用したプロモーションは行っていません。
ASUS ROG JPというYoutubeの公式チャンネルは開設されているものの、あまり積極的に更新をしていないようですね。
Twitterは頻繁に投稿されているので、ASUS好きの方はフォローしてみてはいかがでしょうか。
【新製品】BIOS更新で次世代AMD Ryzen CPUにも対応する耐久性に優れたATXサイズマザーボード「TUF B450-PRO GAMING」
5月10日より販売開始予定 https://t.co/tqXEl35r1Q pic.twitter.com/LDagmmuU5R— ROG Japan (@ASUSROGJP) 2019年5月9日
MSIもYoutubeに公式チャンネルを展開していて、新商品のプロモーションムービーなどを視聴できます。
Twitterもこまめにつぶやいていますね。
【新製品情報】
MSIは第9世代インテル® Core™ i7プロセッサーとGTX 16シリーズを搭載したゲーミングノートPCの登場を発表します🔥なお、日本国内向けには現在準備中ですので続報をお待ちください🙇♂️💦 pic.twitter.com/6Pu1HNjfdM
— MSI JAPAN (@MSI_JP) 2019年4月23日
また、eスポーツの有名チームのひとつ「サンシスター」にスポンサードしているようで、タイアップイベントなどをちょこちょこ開催しています。
サポート体制や製品保証
パソコンを買うときはサポート体制も気になりますよね。
どちらも海外メーカーということもあり、残念ながらサポートが充実しているとは言いがたいです。
どちらかといえば、ASUSの方がやや手厚い印象です。
ASUSのサポートは年中無休で、9時から19時までチャットやメール、電話で対応可能。
延長保証は「ASUS Premium Care」として13,000円で3年の保証を受けられます。
MSIは公式サイトから直接担当者に問い合わせ可能ですが、年中無休ではありません。
公式サイトの日本語表記がたまにおかしかったり、完全にローカライズできていない印象を受けます。
当サイト管理人の場合、ノートパソコン購入後に公式サイトから製品登録(会員登録が必要)したところ、無料で3ヶ月の延長保証を受けられました。
ちなみに、MSIのサポート拠点は千葉県の市川にあるようです。
パソコンの購入がはじめてで、サポートの充実度を優先したい方は、ドスパラやマウスコンピューターなどの国内大手メーカーを選んだほうが安心できそうです。
納品にかかる日数
ASUSは公式サイト(ASUS Store)から購入できますが、MSIは購入先の店舗によって納品までの日数が変わります。
いずれも在庫さえあれば数日で届くと考えてよいでしょう。
また、アークなどの一部専門店はMSIのゲーミングパソコンのカスタマイズ(仕様変更)に対応しています。
当サイト管理人もM.2 SSDをひとつ増設して発注したのですが、届くまで約1週間かかりました。
構成を変更した場合、動作確認などでどうしても時間がかかることは理解しておきましょう。
支払方法の幅広さ
ASUS Storeで購入する場合、支払方法はクレジットカード、コンビニエンスストア、Pay-easy(ペイジー)、PayPalから選べます。
ただし、コンビニ決済やPayeasyは30万円以上になると利用できない点に要注意。
MSIは購入先次第ですが、ほとんどのショップがクレジットカードや銀行振込、コンビニ決済などに対応しています。
おすすめのゲーミングパソコン
ここからは実際にASUSとMSIが販売するゲーミングパソコンの中から、とくにおすすめのモデルをご紹介します。
気になるモデルが見つかりましたら、ぜひ詳しくチェックしてみてください。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点のものです。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
ROG STRIX GL504GS SCAR Ⅱ
ASUSのゲーミングノートでおすすめなのは、ROG STRIX GL504GS SCAR Ⅱというモデル。
主な仕様は以下の通り。
CPU | Core i7-8750H |
---|---|
GPU | GTX1070 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 249,500円~ |
第8世代のCore i7と、ミドルクラスのグラフィックスGTX1070を搭載したゲーミングノートです。
ディスプレイは144Hzのリフレッシュレートと3msの応答速度なので、格闘ゲームやFPSゲームも快適にプレイ可能。
また、4本のマルチアンテナが搭載されているため、無線でのネット通信も高速化が期待できます。
排熱性能やデザイン性の高さ、カラフルなキーボードバックライトも魅力です。
GS75 Stealth 9SE
MSIといえば高性能なゲーミングノートですが、なかでもおすすめなのはGS75 Stealth 9SEというモデル。
主なスペックを以下にまとめました。
CPU | Core i7 9750H |
---|---|
GPU | RTX2060 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 268,704円~ |
最新の第9世代CPUを搭載しており、グラフィックスもリアルタイムレイトレーシングに対応したRTX2060。
これだけの性能を積んでおきながら、薄型のボディを実現しているのが最大の魅力ですね。
ディスプレイはリフレッシュレート144Hzに対応し、ナローベゼルで高い没入感を期待できます。
ゲーム起動中は排熱ファンがかなりしっかり回りますが、ヘッドセットをつけていれば気にならないでしょう。
GS65 Stealth 8REレビュー
当サイト管理人が愛用しているのは、Core i7-8750HとGTX1060を搭載したGS65 Stealth Thin 8REというモデル。
パソコンゲームをはじめ、写真や動画の編集、事務作業と幅広く活躍しています。
薄型・軽量で持ち運びやすいところも気に入っています。
詳しくは以下の記事でまとめているので、興味がある方はあわせてご覧ください。
ROG STRIX GL12CS
デスクトップでおすすめをピックアップするなら、ASUSはROG STRIX GL12CSですね。
ミドルクラスのスペックで、20万円以下で購入可能です。
CPU | Core i7-8700 |
---|---|
GPU | GTX1060 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB HDD |
価格 | 179,500円~ |
搭載されているグラフィックスがGTX1060なので、ゲームによっては画質を多少落とす必要があります。
ゲーミングパソコンを買うのがはじめてで、ケースのデザインにこだわりたい方におすすめです。
がっつりゲームをやりこんでいくとなると、グラフィックスやストレージが心配なので、上位モデルを狙いましょう。
自分でストレージやグラフィックスを交換する、というのも選択肢のひとつです。
Trident 3
MSIで同価格帯のモデルを探すと、Trident 3という薄型のデスクトップパソコンがあります。
主なスペックは以下の通り。
CPU | Core i7-8700 |
---|---|
GPU | GTX1060 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD |
価格 | 204,984円~ |
ROG STRIX GL12CSとほぼ同じ構成ながら、若干高めの価格設定になっています。
これは薄型のケースを採用しているからでしょう。
MSIのゲーミングパソコンは、薄型なのに高性能という最大の特徴があります。
「ゲーミングデスクトップが欲しいけど、設置場所に余裕がない・・・」
という方にぴったりの1台です。
ROG STRIX GL12CX
ASUSのゲーミングパソコンでハイエンドクラスといえば、ROG STRIX GL12CXがあります。
約40万円という価格帯からも、ASUSの本気度が伝わってきますね。
CPU | Core i9-9900K |
---|---|
GPU | RTX2080 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 512GB SSD 1TB HDD |
価格 | 399,500円~ |
まさにハイエンドと呼ぶにふさわしいスペック。
4Kディスプレイで最新ゲームをサクサク遊びたい人におすすめです。
優美なデザインのケースは照明がとても鮮やかで、オリジナルの水冷クーラーは夏場でも安定した動作を期待できます。
予算に余裕がある方は検討してみてはいかがでしょうか。
GT75 Titan 9SG
MSIのハイエンドクラスは、デスクトップではなくノートパソコンから選びました。
販売価格が50万円を超える、モンスター級のゲーミングノート、GT75 Titan 9SGです。
CPU | Core i9-9980HK |
---|---|
GPU | RTX2080 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 512GB SSD 1TB HDD |
価格 | 539,784円~ |
第9世代のCore i9とハイエンドグラフィックスのRTX2080という、まさに最強コンビ。
「Cooler Boost Titan」という超強力な冷却システムをはじめ、17.3インチの4K解像度に対応したディスプレイも搭載。
かなり大きめのノートパソコンですが、一般的なデスクトップパソコンをはるかに凌ぐ実力があります。
超高性能なゲーミングノートを探している方は、ぜひチェックしてみてください。
やや割高だがコアなファンも多い
今回はASUSとMSIのゲーミングパソコンについて比較してみました。
正直に書いてしまうと、構成だけで考えると両社ともやや割高です。
マウスコンピューターやドスパラで同じような構成にカスタマイズすると、〇万円ほど差が出ることも・・・
サポートの面でも差があるように感じますね。
とはいえROGのデザインはカッコいいですし、MSIの薄型ゲーミングノートも魅力的です。
当サイト管理人含め、両社にはコアなファンが多いのも特徴のひとつ。
人とはちがうデザインにこだわるならASUS、スリムでスタイリッシュなパソコンがほしいならMSIがおすすめです。
各社の特徴をじっくり比較しながら、納得のいく1台を見つけてください。