日本HPが販売するゲーミングPC、OMEN 25L Desktopをお借りしました。
機材貸出元:株式会社日本HP
Core i7-12700FとRTX 3060を搭載、人気ゲームを快適にプレイできるミドルスペックです。
予算20万円以下で幅広く使えるゲーミングPCを探している方は、ぜひご覧ください。
OMEN 25L Desktopの概要と特徴
OMEN 25L Desktopがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
人気ゲームをサクサク快適にプレイ
1080p・60fpsでライブ配信も可能
動画編集用パソコンとしても超優秀
電源容量が500Wと推奨よりやや低め
ケースとマザーボードの拡張性が低い
Apex Legendsやフォートナイトなどのゲームで、どれくらいフレームレートを出せるのか知りたい!という方はこちらからご覧ください。
スペック
今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
CPU | Core i7-12700F |
GPU | GeForce RTX 3060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD Gen4 |
販売価格 | 189,000円(消費税・配送料込) |
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
メモリは仕様上だとDDR4-3200となっていますが、CPU-ZではDDR4-3730と読み込まれていました。
国内のBTOメーカーと比べると、少しハイスペックなメモリを搭載しているようです。
公式サイトではグラボにRTX 3060 Tiを搭載したモデルや、ゲーミングモニターがセットになったモデルも販売中。
予算や用途に合わせて最適な1台を選べます。
価格や納期、在庫状況は時期によって変動するため、最新情報は公式サイトにてご確認ください。
クーポンでさらにお得に買える
当サイトで公開しているクーポンを利用すると、OMEN 25Lをお得に購入可能です。
国内の大手BTOメーカーと、同じようなスペックで比較してみると以下の通り。
メーカー | ドスパラ | パソコン工房 | G-Tune | HP |
---|---|---|---|---|
CPU | Core i7-12700 | Core i7-12700F | ||
GPU | RTX 3060 | |||
メモリ | 16GB(8×2) DDR4-3200 | 16GB(8×2) DDR4-3730 | ||
ストレージ | 1TB NVMe SSD | 512GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD (Gen4) | |
電源 | 650W BRONZE | 700W BRONZE | 500W BRONZE | |
無線LAN | – | 〇 | ||
販売価格 | 233,280円 | 220,980円 | 203,100円 | 175,770円 |
いずれも消費税と送料を含めた、記事執筆時点の価格です。
OMEN 25Lは電源容量が控えめで、アフターサポートが24時間365日対応ではないなど、搭載スペックやサービスに多少差はあります。
とはいえ強化ガラスパネスを採用したケースをはじめ、RGBメモリにGen4対応のストレージを標準搭載するなど、コスパの高さが抜きん出ています。
クーポンの使い方は以下の記事にまとめているので、ぜひご活用ください。
RTX 3060 Ti搭載モデルのレビュー
RTX 3060 Tiを搭載した上位モデルも性能面を詳しくレビューしました。
グラボ以外のパーツはすべて同じようですが、ゲーム性能はそこそこ差があります。
あと少し予算を出せるなら、こちらがおすすめです。
ケース外観
ここからはOMEN 25L Desktopの外観をご紹介します。
これぞOMENといった特徴的なデザイン。
天面はメッシュ状になっており、空気が通りやすい構造です。
正面から見て左側には強化ガラス製のサイドパネルを標準搭載。
仕様上の寸法は高さが約396mm、奥行きが約448mm、横幅が約165mmとゲーミングPCとしては比較的コンパクト。
重量も約13.81kgと標準的。
底面もメッシュ状になっており、ケースのエアフローを高めています。
LEDライティング
電源をONにすると、ケース前面のロゴマークやCPUクーラー、メモリが発光。
強化ガラスパネルが採用されていることもあり、非常に映えます。
ケースのライティングはプリインストールされている「OMEN Gaming Hub」から、好みに合わせてカスタマイズ可能。
撮影時は白色で統一しましたが、レインボーカラーなども設定できます。
パソコンが光っていると気が散る、という方は設定でOFFにしておくのがおすすめ。
アイドル状態が続くとライティングを自動でOFFにできたり、細かいところまで手が届くアプリです。
ケース前面にRGBファンがないため、45Lや40Lと比べるとやや落ち着いた印象でしょうか。
インターフェイス
電源ボタンなどはケース天面にあります。
- マイク
- ヘッドホン
- USB Type-A 5Gbps ×2
- 電源
リセットボタンは非搭載です。
独自のマザーボードが採用されていることもあり、背面の端子類は控えめです。
- USB 2.0 Type-A ×4
- SuperSpeed USB Type-C 5Gbps ×1
- SuperSpeed USB Type-C 10Gbps ×1
- ギガビットLANポート
- DisplayPort ×3
- HDMI ×1
Type-Cのポートが2つもあるのはとても便利。
また、無線LAN(Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0)も標準搭載。
ご家庭の都合で有線LANをつなげられない方も安心です。
オンラインゲームには有線でのネット接続を推奨します。
ケース内部
ケース内部はご覧の通り。
黒いケーブルが使われていることで、内部の配線があまり目立ちません。
マザーボードはMicroATXに近いサイズで、独自仕様のものを採用。
デザインは似ているものの、45Lや40Lとは別のマザーボードを採用しているようです。
内部パーツへのアクセスは、ケース背面のボタンをワンタッチするだけ。
ドライバーなどの工具が不要で、ネジを紛失する心配もありません。
背面は約10cm、前面には約12cmのケースファンが1台ずつ。
ベンチマークなどで負荷をかけると、そこそこ回転音が大きくなります。(48~49dB程度)
ファンの回転は手動で細かく設定することもできます。
無線LANのカードも確認できました。
ケース天面に空きスペースはありますが、ネジ穴が用意されておらず、簡易水冷クーラーへの交換やケースファンの増設はあきらめたほうが良いでしょう。
PCIeスロットに空きはなく、仕様を見る限りM.2 SSDの空きスロットは1つあるようです。
ミドルタワーのゲーミングPCとして考えると、拡張性はやや低めです。
CPUクーラー
CPUクーラーはRGBファンを搭載したサイドフロータイプ。
ファンのサイズは実測で約10cmでした。
仕様によるとヒートパイプは2本とのことで、必要最小限のスペックといった印象。
ゲーム起動中のCPU温度はおおむね70度台と、ごく普通レベルです。
ケース内部の高さが実測で約15cm程度しかないため、CPUクーラーを市販品に交換する際は注意が必要です。
グラフィックカード
グラフィックカードはツインファンのRTX 3060を搭載。
傾きやグラつきが発生しないよう、専用パーツでがっちりと固定されています。
グラボ交換は少々手間取りそうですが、サポートステイなどを別途買う必要がないのは便利です。
メモリ
メモリはHyperXの16GB(8GB×2)DDR4-3200MHz。
OMEN Gaming Hubからワンクリックで3467MHzにオーバークロックも可能です。
大幅な性能アップは見込めませんが、動作が不安定になることもないため、せっかくなら性能を最大限に引き出して使うことをおすすめします。
メモリをオーバークロックする際はPCの再起動が必要です。
ストレージ
M.2 SSDはWestern DigitalのWD_Black(Gen4)を採用。
発熱を抑えるヒートシンクは搭載されていないようです。
ケース前面には3.5インチのストレージを増設できるドライブベイもありました。
ストレージの増設はそこまで難しい作業ではありませんが、パーツ改造による故障はメーカー保証が適用されない可能性があるため、くれぐれも慎重に判断してください。
電源
電源はCooler Master社製の500W(80PLUS BRONZE)を採用。
NVIDIAの公式サイトによると、RTX 3060搭載マシンの推奨電源は550Wですが、500Wでも大きな問題はありません。
ベンチマークソフトを使用してCPUとグラボに強い負荷をかけた場合、PC全体の消費電力はおおむね300W台をキープ。
今回計測した範囲だと400Wを超えることはなく、電源負荷率は最大で70%前後といったところ。
フォートナイトなどを普通にプレイする程度なら、200W前後で安定していることもありました。
将来的によりハイスペックなグラボへ交換することになった場合、500Wではパワー不足になる可能性もあります。
OMEN 25L Desktopのベンチマーク
ここからはOMEN 25L Desktopの性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。
ベンチマークはすべてOMEN Gaming Hubでパフォーマンスモードに設定、メモリも3267MHzにオーバークロックして計測しています。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試した結果がこちら。
PCゲームはもちろん、写真や動画の編集、事務仕事など、あらゆる用途をサクサクこなせる素晴らしいスコアです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R23
主なCPUをCINEBENCH R23のスコアで比較してみると以下の通り。
Core i7-12700K | |
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Ryzen 9 5900X | |
Core i7-12700F | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 5 7600X |
「K」つきのCore i7-12700Kとは差があるものの、悪くないスコアです。
CINEBENCHの計測開始直後はCPU温度が100度近くまで上昇しますが、CPUに強い負荷がかかると、消費電力を抑えてパワーをセーブするようです。
クロック数もCINEBENCH中は3.6GHz前後で安定していました。
PCゲームをはじめ、実用上の問題は一切ありませんが、CPUの最大出力にこだわる方は気に留めておいたほうがいいかもしれません。
静音モード
OMEN Gaming Hubで静音モードに変えて再度試した結果がこちら。
ファンはほぼ無音(40dB前後)になりますが、スコアは大幅に落ちました。
静音モードでもゲームのフレームレートにはほとんど影響がないため、ファンの回転音が気になる方は静音モードでの運用がおすすめです。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 |
RTX 3060の標準的なスコアです。
フルHD解像度のモニターなら、幅広いゲームを快適にプレイできます。
Crystal Disk Mark
Gen4対応のNVMe M.2 SSDが搭載されていることもあり、素晴らしい転送速度です。
書き出しは若干速度が落ちているものの、実用上気になることはほとんどないでしょう。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
オンラインゲーム
定番のベンチマークソフトも走らせました。
重量級ゲームのFF15が最高画質で「とても快適」、FF14は「非常に快適」という結果でした。
ほとんどのゲームを快適に動かせそうですが、グラフィックの重いゲームは画質調整をしたほうがいいかもしれません。
FF15
高品質 | 9478(とても快適) |
---|---|
標準品質 | 12656(非常に快適) |
軽量品質 | 16513(非常に快適) |
FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 20289(非常に快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
MSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートを計測しました。
まずはフォートナイトとApex LegendsをフルHD解像度で試した結果がこちら。
最高画質 | 97fps |
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競技設定 | 226fps |
最高画質 | 136fps |
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低画質 | 232fps |
フォートナイトのレンダリングモードは「DirectX11」で計測。
「パフォーマンス」に変えると、競技設定の平均フレームレートは300を超えます。
近接での撃ち合いなど、瞬間的にフレームレートが落ちる場面もあるため、常時240固定でプレイするにはややパワー不足と思われます。
Apex Legendsも画質を落とせば平均200以上をキープできるため、とても快適にプレイ可能です。
そのほかのゲームはすべて最高画質で検証した結果です。
Overwatch 2 | 126fps |
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Battlefield 2042 | 94fps |
Escape from Tarkov | 80fps |
VALORANT | 319fps |
Rainbow Six Siege | 329fps |
ELDEN RING | 60fps |
モンスターハンターライズ | 151fps |
Overwatch 2は最高画質でもサクサク動かせますが、モニターのリフレッシュレートに合わせて画質を調整したほうが快適です。
VALORANTとRainbow Six Siegeなどはグラフィックが軽く、最高画質のままサクサク楽しめます。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定し、ベンチマークモードで計測しています。
Marvel’s Spider-Manにはベンチマークモードがないため、街並みを飛び回った際の平均値を計測しました。
Cyberpunk 2077 | 60fps |
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WATCH DOGS LEGION | 53fps |
FARCRY 6 | 78fps |
Marvel’s Spider-Man Remastered | 72fps |
Forza Horizon 5 | 71fps |
WATCH DOGS LEGIONのような極めて重いゲームも、最高画質のDXR ONでそこそこ快適に動かせます。
ゲーム実況の動画配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施です。
Apex Legendsでいろいろ試した結果、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低 |
---|---|
出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ソフトウェア |
録画のエンコーダはハードウェア(GPU)でも問題ありませんが、CPUに余力があるためソフトウェア(CPU)に設定しています。
配信中のフレームレートは平均200を下回るものの、プレイに支障が出るほどではありません。
ゲームの画質にこだわるなら、もう少しハイスペックなグラボが必要です。
配信するゲームによってCPUやGPUの負荷は変わるため、ゲームに合わせて設定を工夫する必要があります。
クリエイティブ用途の動作検証
続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。
ゲーム以外の用途でもサックサクです。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。
動画素材をカットしてつなげたり、テロップや効果音を加える程度の編集なら、処理の遅延を感じることはほとんどありません。
After Effectsで演出を加えたり、4K動画の編集を考えているなら、メモリを16GBから32GB以上に増設してもよさそうです。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 2:56 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 3:02 |
一般的な薄型ノートパソコンだと40分以上かかることもザラなので爆速です。
動画編集マシンとしても抜群に優秀です。
LightroomでRAW現像
デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は44秒と驚異的な速さでした。
Gen4対応のM.2 SSDもスピードアップに貢献していると思われます。
写真編集用マシンとしても、文句なしの性能です。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
電源容量や排熱は実用上問題なし
レビューのまとめとして、OMEN 25L Desktopの特徴をおさらいします。
人気ゲームをサクサク快適にプレイ
1080p・60fpsでライブ配信も可能
動画編集用パソコンとしても超優秀
電源容量が500Wと推奨よりやや低め
ケースとマザーボードの拡張性が低い
45Lや40Lと比べて全体的にコストダウンされている印象は否めないものの、見た目のカッコよさはOMENそのもの。
ファンのコントロールやモードチェンジも簡単で、用途に合わせて設定をカスタマイズしやすいのもOMENの大きな魅力です。
肝心の性能面も搭載スペック通りのパフォーマンスをきちんと発揮できており、幅広いゲームを快適に楽しめました。
動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
OMEN 25LはHP公式サイトの週末限定セールに登場することも多く、クーポンを併用するとさらにお得に購入可能です。
幅広い用途で活躍するゲーミングPCを探している方は、OMEN 25Lを検討してみてはいかがでしょうか。