Logicool G 公認サポーターとしてのレビュー第6弾、ゲーミングマウスG903hを提供いただきました。
記事執筆時点でAmazonなどの販売価格は19,000円前後と、数あるLogicool Gブランドのマウスでもっとも高額。
果たしてどれだけの性能を秘めているのか、じっくり検証しました。
ゲームはもちろん幅広い用途で活躍する高性能なワイヤレスマウスを探している方は、ぜひご覧ください。
Logicool G903hの特徴
G903hの特徴を整理すると以下の通り。
最長180時間使える超長持ちバッテリー
左右のサイドボタンをカスタマイズ可能
高性能ワイヤレス通信LIGHTSPEEDに対応
PRO WLと同じHERO 16Kセンサー搭載
Logicool Gのマウスでもっとも高額
スペックや本体デザインなど、順にご紹介します。
基本スペック
G903hの主なスペックは以下の通り。
寸法 | 130×67×40mm |
---|---|
重量 | 110g(ケーブルを除く) ※最大120gまで調整可能 |
センサー | HERO 16K |
DPI | 最大 16,000dpi |
レポートレート | 125/250/500/1000Hz |
接続方式 | 無線(LIGHTSPEED) |
ボタン数 | 7~11 |
耐クリック回数 | 非公開 |
旧モデルのG903はセンサーにPMW3366を搭載していましたが、PRO ワイヤレスマウスと同じHERO 16Kを搭載してアップデート。
Logicoolの強みである高速ワイヤレス通信技術、LIGHTSPEEDも搭載。
DPIやレポートレートなども文句なしのスペックです。
そのほかの細かい仕様については公式サイトをご確認ください。
外観・デザイン
G903hのパッケージは、Logicool Gおなじみのデザイン。
説明書に保証書、ステッカー、ケーブルに本体、ウェイトや交換用ボタンの入ったケースが付属。
ケース内には10gのウェイトが1つと交換用のサイドボタン、パソコンに接続するためのレシーバーが入っています。
マウス本体は左手でも操作可能な左右対称のデザイン。
2つ並んでいる三角のボタンはDPI変更が割り当てられています。
底面には電源ボタンと内蔵メモリのプロファイルを切り替えるためのボタンがあります。
独特な形状のソールが前後左右に計6つ、交換用ソールは付属していません。
今回少し残念に感じたのが、マウス本体にレシーバーを収納できないこと。
中身がつまっているのか、底面のふたを開けてもレシーバーのスペースが用意されていません。
マウスを持ち運ぶ際は、紛失を防ぐために専用ケースに入れておくのがよさそう。
側面から見ると高さのピークがなだらかで、ほかのマウスと比べて平べったく感じます。
控えめながら滑り止めの加工も施されているので、ツルツルすべることはありません。
好みの問題ですが、側面はともかく、お尻の部分のシマシマ加工はいらなかったのではと感じます。
ケーブルは糸巻式で、多少コシがあるもののとてもしなやかです。
マウス側の端子は三又式のUSB MicroBでがっしり固定可能。
充電しながら使うときは、マウスバンジーの活用をおすすめします。
デスクトップPCをお使いの方は、ケースに入っているレシーバー延長アダプターをつなげて使いましょう。
写真ほどマウスにレシーバーを近づけなくとも問題なく反応します。
G502WLと比較
全世界でもっとも売れているゲーミングマウス、G502と比べてみました。
G903hは左右対称ですが、G502WLは右手専用のエルゴノミクスデザイン。
両者の主なスペックを比較すると以下の通り。
G502WL | G903h | |
---|---|---|
寸法 | 132×75×40mm | 130×67×40mm |
重量 | 114~130g | 110~120g |
センサー | HERO 16K | |
DPI | 最大 16,000dpi | |
レポートレート | 125/250/500/1000Hz | |
接続方式 | 無線(LIGHTSPEED) | |
ボタン数 | 11 | 7~11 |
バッテリー | 最長60時間 | 最長180時間 |
販売価格 | 14,000円前後 | 19,000円前後 |
どちらも重量のカスタマイズが可能で、G502WLは2~4g単位で調整可能。
センサーは同じものが搭載されているので、選ぶポイントはボタンの配置や握りやすさ、バッテリーの持ちでしょうか。
価格差も約5,000円と無視できません。
横から見てみると、G903hの平べったさが際立ちます。
多ボタン・多機能を求めるならG502WL、左右対称でバッテリーの持ちを優先したいならG903hがおすすめです。
G502WLについて詳しく知りたい方は、以下のレビュー記事をご覧ください。
重量のカスタマイズ
G903hは付属のウェイトを底面のふたにはめることで、10gの重量アップが可能。
たった10gですが、実際に操作すると別のマウスになったような感覚を味わえます。
重いマウスのほうが好きな方は、ぜひ試してみてください。
筆者はマウスが重すぎると疲れるので、ウェイトをすべて外した状態で使っています。
持ちやすさ・操作性
G903hはスペックだけを見ると大きめに感じますが、高さが40mmと控えめで平べったいデザイン、さらに適度にくびれがあるので意外なほど持ちやすいです。
かぶせ持ちはもちろん、つかみ持ちにも最適。
つまみ持ちにはさすがに大きいものの、サイドボタンにも手が届きやすく操作性抜群。
手が小さめの方でも、かぶせ持ち派なら難なく操作できそうです。
ボタンのカスタマイズが可能
G903hはサイドボタンのカスタマイズが可能。
サイドボタンはマグネット式になっていて、爪をひっかけるだけで簡単に着脱可能。
左側のサイドボタンをなくしたり、右側だけサイドボタンをつけることもできます。
「着脱式のボタンは操作性が悪そう・・・」
と感じる方もいるかもしれませんが、クリック感はとても良好。
金属バネのテンショニングシステムと金属ピボットヒンジが搭載されているそうで、違和感なく的確に操作できます。
センターホイールの切り替え
センターホイールの下側にあるボタンを押すと、高速スクロールとノッチ感のあるラチェットスクロールに切り替えが可能。
事務作業やブラウジングには高速スクロールが便利ですが、ゲーム中はノッチ感がないと誤動作を引き起こします。
ゲームも事務作業もひとつのマウスで済ませたい方には重宝する機能です。
専用ソフトウェア
G903hはLogicoolの専用ソフトウェア「G HUB」に対応。
各ボタンに何の機能を割り当てるかなど、プレイスタイルに合わせて細かくカスタマイズできます。
ロットによって差がありそうですが、今回提供いただいた個体は初回接続時にファームウェアのアップデートを求められました。
アップデートは有線接続が必須なので、付属のケーブルをつなげましょう。
筆者はセンターホイールの左右に「戻る」と「進む」を設定。
事務作業やブラウジングで役立っています。
各種マクロをはじめ、DiscordやOBSの各種アクションも設定できるため、ゲーム中にボイスチャットを多用する方やゲーム実況を配信している方も便利です。
DPIやレポートレートも細かく設定可能。
一般的なフルHDモニターならDPIの上限は3,200あたりがおすすめ。
レポートレートは4段階で選べて、とくにこだわりがなければ1,000Hzを選びましょう。
オンボードメモリにプロファイルを保存しておけば、ほかのパソコンにつなげたときも今までの設定のまま使えます。
G HUBはLogicoolの公式サイトからダウンロードできます。
RGBライティング
ライティングは1,680万色から自由に選べて、明るさや発光パターンもいろいろ選べます。
品のある光り方をするので、とてもカッコいいです。
バッテリー残量が減ってきたときにライティングの色を変えたり、非アクティブ時はライティングをOFFにするなど、かなり細かい設定が可能。
キーボードと発光パターンを同期させたり、その日の気分で色を変えてみるなど、いろいろ楽しめます。
バッテリー駆動時間
数あるワイヤレスゲーミングマウスの中で、G903hはバッテリー性能が段違い。
ライティングなしの状態で最長180時間、デフォルトのライティングなら最長140時間と驚異的な性能です。
電力効率の高いHERO 16Kにセンサーをアップデートしたことで、旧モデルから約6倍もバッテリー性能が伸びたそう。
「ワイヤレスマウスはこまめに充電するのが面倒くさそう・・・」
と考えている人もいると思いますが、4~5時間ほど連続で使用してG HUB上のバッテリー残量は1%しか減っていませんでした。
使い方次第ではあるものの、筆者の用途であれば月に1~2回充電すれば問題なさそう。
付属のケーブルをつなげれば、充電したまま有線マウスとしても使えます。
POWERPLAYに対応
G903hはPOWERPLAYワイヤレス充電にも対応。
別売りのゲーミングマウスパット、G-PMP-001を使えばワイヤレス状態のまま充電が可能。
マウスパッドで約18,000円はかなり高額ですが、バッテリー残量を気にしたり、充電の手間から完全に開放されるのは非常に便利です。
POWERPLAYマウスパッドについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
センサー性能のテスト結果
ここからはG903hのセンサー性能をチェックした結果をご紹介します。
検証時のマウスパッドはSteelSeriesのQcK miniを使用しました。
いずれも当サイトで検証した結果です。マウスパッドの材質やマウスとの相性なども影響するため、あくまで参考程度にご覧ください。
マウステスター
レポートレートとDPIを変えてマウステスターを試しました。
テスト結果の見方を簡単に解説すると、グラフ上のポイント(点)が一定間隔であればセンサーの精度が安定しているということです。
ポイントがひとつだけ飛んでいたり、乱れているものはセンサー精度が不安定ということ。
今回は125Hz、500Hz、1,000Hzの3段階で、それぞれ400~3,200DPIに感度を変えてチェックした結果がこちら。
実用上まったく問題ないレベルですが、細かく見ていくとわずかな乱れが散見されます。
有線マウスと比べるとさすがに若干の差があるようです。
リフトオフディスタンス
厚さの異なるプラ板を使用して、マウスのリフトオフディスタンスをチェックしました。
リフトオフディスタンスとは、マウスを何mm浮かすとセンサーが反応しなくなるかを表す距離のことで、短いほど繊細な操作に適しています。
G903hのリフトオフディスタンスは約0.6mmと素晴らしいスコアでした。
当サイトで計測した主なマウスと結果を比較すると以下の通り。
Xtrfy M4 RGB | |
---|---|
Logicool G PRO WL | |
Logicool G502WL | |
Logicool G903h | |
HyperX Pulsefire Raid | |
Finalmouse Ultralight2 | |
Razer Mamba Wireless | |
BenQ ZOWIE S1 | |
Razer DeathAdder V2 | |
Razer VIPER MINI |
同じセンサー(HERO 16K)を搭載しているPRO WLやG502WLとほぼ同じスコアです。
リフトオフディスタンスについて明確な基準はありませんが、筆者個人としては1.0mm以下なら優秀と考えています。
FPSゲームでマウスのテスト
ここからは実際にPCゲームを操作した感想をご紹介します。
マウスパッドはハードタイプのLogicool G440tを使用、レポートレートは1,000Hz、DPIは3,200に設定しました。
KovaaK 2.0: The Meta
まずはエイム練習用ソフトとして有名なKovaaK 2.0: The Metaをプレイ。
マップはAscended Tracking v3をチョイス。
筆者はもともとPRO WLを愛用していたこともあり、左右対称のG903hはとても持ちやすいと感じました。
サイドボタンにも親指が届きやすく、動き回る的にもエイムしやすかったです。
Apex Legends
続いてApex Legendsをプレイ。
G903hの重量は110gとゲーミングマウスのなかで重い部類ですが、ホールドしやすい形状でソールも滑りがいいので、あまり重たいとは感じません。
ローセンシを好む方にはさすがに重いと思いますが、3,200dpiにはちょうど良い重さ。
前後のサイドボタンも押しやすく、的確にアビリティを発動できます。
ワイヤレスによる遅延や誤動作も、今回試した限りでは一切ありませんでした。
フォートナイト
フォートナイトも試してみました。
G903hはサイドボタンが2つしかないので、建築などの機能を割り当てるには少々不便です。
マウスで各種操作を完結させたい方は、G503WLやG604などボタン数の多いマウスがおすすめです。
Logicool G903hのまとめ
レビューのまとめとして、もう一度Logicool G903hの特徴をおさらいします。
最長180時間使える超長持ちバッテリー
左右のサイドボタンをカスタマイズ可能
高性能ワイヤレス通信LIGHTSPEEDに対応
PRO WLと同じHERO 16Kセンサー搭載
Logicool Gのマウスでもっとも高額
ようやくPRO WLを超えるマウスと出会えたように思います。
ゲーミングマウスとしての評価はPRO WLと甲乙つけがたいものの、バッテリーの持ちと高速スクロールが使えるという点でG903hが一歩リード。
ゲームはもちろん、事務作業やブラウジングなど幅広い用途で活躍するワイヤレスマウスです。
重量が110gと若干重めで、左右対称かつ平べったいデザインが手にフィットするかは人それぞれなので、気になった方はぜひ量販店などで実機を触ってみてください。
約19,000円と少々勇気のいる価格ですが、極上のゲーミングマウスを探している方におすすめです。