HyperXのワイヤレスゲーミングヘッドセット、Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)を買いました。
ワイヤレスながら1万円以下で買えて、244gという超軽量をも実現したゲーミングヘッドセット。
ケーブルのストレスから解放されるのはとても快適ですが、いくつか気になる点もありました。
パソコン用に手ごろなゲーミングヘッドセットを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
HyperX Cloud Stinger Coreの特徴
Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)の特徴を整理すると以下の通り。
1万円以下でワイヤレス環境が整う
244gと軽く着け心地が素晴らしい
音質やマイク性能は価格相応
イコライザーの調整に非対応
公式のプロモーション動画はこちら。
スペックや本体デザインなど、順にご紹介します。
主なスペック
Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)の基本スペックはこちら。
重量 | 244g |
---|---|
ドライバー | ネオジム磁石、ダイナミック40mm径 |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
インピーダンス | 16Ω |
接続方法 | ワイヤレス(2.4Hz) |
バッテリー駆動時間 | 最大17時間 |
ケーブル長 | 0.5m |
マイク指向性 | 単一指向性 |
価格は多少変動しますが、筆者はAmazonで9,073円で買いました。
ゲーミングヘッドセットで244gは超軽量です。
そのほかの細かい仕様については公式サイトをご確認ください。
ラインナップ
HyperXの公式サイトによると、Cloud Stingerはアメリカでもっとも売れているゲーミングヘッドセットらしいです。
今回購入したCloud Stinger Coreはワイヤレスかつバーチャル7.1chに対応したモデルですが、有線や7.1ch非対応など複数のモデルが販売されています。
有線のステレオモデルなら5,000円以下で買えるので、ワイヤレスや7.1chにこだわりがなければ候補に入れてみてください。
主な付属品
Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)の付属品は、説明書と充電用ケーブル、パソコンに接続するためのレシーバーのみ。
交換用イヤーパッドは付属していません。
充電用ケーブルは長さが50cmしかないため少々不便。
スマホなどの充電でUSB Type-Cのケーブルを使っていれば代用できます。
3.5mmステレオミニ端子によるアナログ接続は非対応。スマホゲームなどには使えません。
USB3.0への接続が必須
パソコンとつなげるためのレシーバーはUSB3.0以上への接続をおすすめします。
当初、深く考えずにUSB2.0に接続したところ、数秒単位で接続が途切れてしまい、ヘッドセットとしてまともに使えない状態に。
「不良品が送られてきたのかも・・・」と、返品を考えたほどです。
USB3.0への接続で解決しましたが、公式サイトや説明書にも明確な記載を見つけられなかったので、筆者のPC環境がよくない可能性も考えられます。
万が一ワイヤレスの接続が頻繁に途切れるトラブルが発生した場合、レシーバーの接続先を確認してみてください。
外観・デザイン
ここからはデザインを見ていきます。
プラスチックな質感で高級感には欠けますが、1万円以下で買えるゲーミングヘッドセットとしてはなかなかカッコいいです。
RGBライティングなど、光るパーツも非搭載。
ヘッドバンドにもうっすらとロゴがプリントされています。
電源ボタンとボリューム調整、充電ケーブルの接続先は、すべて左側に集中。
電源ボタンを長押しすると、ランプが緑色に光ります。
かなり長めに押す必要があるので、最初は戸惑うかもしれません。
イヤーパッドはふかふかな素材が使われていて、側圧もごく普通レベル。
密閉感はあまり感じられず、本体が軽いこともあって長時間つけていても快適です。
柔らかい素材なので、耐久性はあまり高くないかもしれません。
ドライバーのサイズは40mm。
1万円を超えるヘッドセットだと50mmクラスのドライバーを搭載することが多いので、ここはコストを抑えている模様。
スチールスライダーでサイズ調整はできるものの、メモリがないので目分量で調整しないといけません。
装着したイメージはこちら。
頭に触れるクッションも適度な柔らかさがあり、着け心地抜群。
普段300g以上のヘッドセットをつけていた筆者としては、244gがとてつもなく軽い。
たった50g前後の差でも、実際に装着してみると想像以上にちがいます。
マイク性能
Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)のマイクは取り外すことができません。
マイクを使わないときは、向きを変えるだけでミュートにできます。
マイクの角度などは自由に調整できるので、適度な位置に調整しましょう。
マイクはノイズキャンセリングに対応していますが、性能は価格相応といった印象です。
ほかのヘッドセット、コンデンサーマイクとの比較を14秒の動画にまとめたので、実際に聞いてみてください。
Windowsの設定やソフトウェアでマイクボリュームを最大にしても、イマイチ音量が出ません。
音質もこもった感じでクリアさに欠けるため、ボイスチャットで遊ぶ程度なら問題なさそうですが、ゲーム実況や動画編集用途には向いていません。
また、ノイズキャンセリングが強めに働いているのか、話し出しの冒頭部分を拾いにくいように感じました。
専用ソフトウェア
Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)はHyperXの専用ソフトウェア「NGENUITY」に対応。
NGENUITYはHyperXの公式サイトではなく、Microsoftのサイトからファイルをダウンロードしてインストールします。
Microsoftアカウントへのサインアップを求められますが、無視しても問題ありません。
ただし、NGENUITYでできるのは音量とマイクボリューム、バーチャル7.1chのON/OFFのみ。
イコライザーを調整できるものと思っていたので、少々驚きました。
バーチャル7.1chに興味がなければ、NGENUITYのインストールすら不要です。
バッテリー残量もチェックできますが、一晩中充電して60%だったので、あまり信用できないかも。
今後、ソフトウェアのアップデートでイコライザーのカスタマイズに対応する可能性もありますが、記事執筆時点では何の情報も見つかりませんでした。
各種人気PCゲームで音質のチェック
ここからは実際に各種ゲームでCloud Stinger Core(Wireless+7.1)を使用した感想をまとめていきます。
まず気になったのはホワイトノイズ。
ヘッドセットの電源をONにすると、無音状態で「サーッ」という音が聞こえてきます。
ゲーム中はBGMや効果音が流れてくるので気になりませんが、ロード中など無音になると少々耳障りに感じました。
FPSゲーム、アクションゲームはPCでプレイした感想です。音の聞こえ方は個人差があるので、あくまで参考程度にお考え下さい。
FPSゲーム
まずは足音や銃声など、音の聞き分けが勝敗に直結するFPSゲームを試してみました。
低音が強めにチューニングされているようで、Rainbow Six SiegeやVALORANTのゴツゴツ系の足音はくっきりと聞き取れます。
上下左右の定位もそれなりといった印象ですが、銃の種類(銃声)によっては距離感がつかみにくいように感じました。
7.1chがOFFの状態だとこもったような音で、ONにするとボリュームがなぜか数段階上がって響いたような音に変化します。
好みの問題ですが、筆者としては7.1chをONにしたほうが、FPSゲームの幅広い音を聞き分けやすいように感じました。
いずれにしてもイコライザーを調整できないのは、PC向けのゲーミングヘッドセットとして致命的に思います。
ワイヤレスで使えるという点はとても気に入りましたが、FPSガチ勢にはおすすめしづらいです。
ボリュームが安定しない
Apex Legendsをプレイしているとき、ヘッドセットのボリュームが何度か乱れました。
急に音が小さくなったと思ったら、今度は音が割れるほど大きくなったり。
ほかのワイヤレスデバイスと通信が干渉しているのか、原因はよくわかりません。
ワイヤレスによる音の遅延はほとんど感じないものの、FPSゲームで音が乱れるのは猛烈にストレスです。
アクションゲーム
ゲームのジャンルを変えて、モンスターハンターワールド:アイスボーンやSEKIROでも使ってみました。
アクションゲームはスピーカーでプレイする方も多く、FPSゲームと比べて音質が軽視されがちですが、ヘッドセットを使うと没入感が確実に数段階アップします。
やはりアクションゲームでも7.1chをONにしたほうが、音の広がりを感じられて迫力もアップ。
ボイスチャットを多用する方はもちろん、ゲームに集中したいときなどに重宝するでしょう。
ワイヤレスが快適なヘッドセット
レビューのまとめとして、もう一度Cloud Stinger Core(Wireless+7.1)の特徴をおさらいします。
1万円以下でワイヤレス環境が整う
244gと軽く着け心地が素晴らしい
音質やマイク性能は価格相応
イコライザーの調整に非対応
1万円以下で超軽量ワイヤレスゲーミングヘッドセットが手に入るのは魅力的ですが、性能は価格相応。
FPSゲームで日々ランクマッチに挑んでいるようなガチ勢の方には、少なくともイコライザーのカスタマイズに対応したモデルをおすすめします。
出費を抑えてワイヤレス環境を整えたい方、カジュアルに幅広いPCゲームを楽しみたい方は候補に入れてみてください。