レビュー

HP Victus 16レビュー|GTX 1650搭載の低価格モデル

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HP Victus 16レビュー

日本HPが販売するゲーミングノート、Victus 16(AMD)をお借りしました。

機材貸出元:株式会社日本HP

Ryzen 5 5600HとGTX 1650を搭載したエントリースペックのゲーミングノートで、カジュアルにPCゲームを楽しみたい方におすすめな1台です。

予算10万円前後でゲーミングノートを探している方は、ぜひご覧ください。

Victus 16(AMD)の概要と特徴

HP Victus 16

Victus 16がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。

人気ゲームをカクつきなくプレイ可能

ゲーム起動中も冷却ファンの音が静か

16.1型と少し大きめのディスプレイ

スタイリッシュでシンプルなデザイン

重量級ゲームにはパワー不足

Apex Legendsやフォートナイトなどのゲームで、どれくらいフレームレートを出せるのか知りたい!という方はこちらからご覧ください。

スペック

今回お借りしたモデレートモデルの基本スペックは以下の通り。

OSWindows 11 Home 64ビット
CPURyzen 5 5600H
GPUGTX 1650
メモリ8GB DDR4-3200MHz
ストレージ512GB NVMe SSD
販売価格104,800円(消費税・配送料込)

CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。

CPU-Z
CPU-Z
GPU-Z
GPU-Z

ストレージ容量は標準的ですが、メモリは8GB×1と最小限。

用途によってはストレスを感じる場面が増えるため要注意です。

軽めのゲームやブラウジング、事務作業程度ならあまり気になりません。

上位モデルと比較

Victus 16(AMD)

Victus 16(AMD)はモデレートプラスモデルやアドバンスモデルも販売中。

今回お借りしたモデレートモデルと主なポイントを比較すると以下の通り。

モデルモデレートモデレートプラスアドバンス
CPURyzen 5 5600HRyzen 7 5800H
GPUGTX 1650RTX 3050RTX 3060
メモリ8GB(8×1)16GB(8×2)
ストレージ512GB NVMe SSD
ACアダプター150W200W
販売価格
(税・送料込)
104,800円122,000円158,000円

上位モデルはメモリがデュアルチャネル(8×2)でACアダプターの出力もアップ。

PCゲームを本格的にやりこみたい方におすすめです。

Victusシリーズはラインナップが豊富なので、予算と用途に合ったモデルを選んでください。

ゲーミングPCの仕様や価格は時期によって変動します。最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。

デザイン・大きさ

ここからはVictus 16のデザインをチェックしていきます。

HP Victus 16
HP Victus 16

清潔感を感じさせるセラミックホワイトの天板に、「V」のロゴマークのみというシンプルなデザイン。

いい意味でゲーミングらしくない外観で、オフィスで使用しても違和感がありません。

仕様上の大きさは370×260mmで、よくある15.6型のノートPCと比べると若干大きめです。

天板
底面

底面は排熱のためにところどころメッシュ状になっています。

ゲーム起動中は冷却ファンがフル回転して熱風が出てくるので、吸排気部分をふさがないように要注意。

分厚さ

分厚さは23.5mm。

多少の分厚さは感じるものの、十分に持ち運べるサイズです。

PCの重量

重量は実測で約2.4kgでした。

据え置きで使う分にはまったく気になりませんが、常に持ち歩くとなると重たく感じます。

ACアダプター

ACアダプター

ACアダプターは150Wの高出力タイプが付属。

一般的な薄型ノートPCと比べると大きく感じますが、ゲーミングノートのACアダプターとしてはコンパクトです。

ACアダプターの重量

重量はケーブル込みで約456gでした。

仕様上のバッテリー駆動時間は最大8時間半とたっぷり。

ブラウジングや事務作業程度なら、半日程度はバッテリーだけでもなんとかなりそうです。

PCゲームは消費電力が激しいため、基本的にACアダプターは必須と考えたほうが良いでしょう。

上位モデルは200Wのため、サイズは若干大きくなると思われます。

インターフェイス

ここからは各種インターフェイスを見ていきます。

まずは本体の左側から。

左側のインターフェイス
  1. 電源コネクタ
  2. 有線LAN
  3. HDMI 2.0
  4. SuperSpeed USB Type-A 5Gbps
  5. SuperSpeed USB Type-C 5Gbps
  6. ヘッドフォン・マイク コンボポート
  7. SDカード

左側のUSBはいずれも電源OFF時のUSBチャージに対応。

Type-Cは映像出力(DisplayPort 1.4)にも対応しています。

右側はType-Aポートが2つのみとシンプル。

右側のインターフェイス
  1. SuperSpeed USB Type-A 5Gbps
背面

背面にポート類は何もありません。

Wi-Fi 6とBluetooth5.2も標準搭載されています。

キーボード

キーボード

キーボードはテンキーを含むの日本語配列。

左側の配列
右側の配列

「CTRL」や「ALT」など一部キーは間隔がやや狭いため、慣れるまで少し違和感があるかもしれません。

電卓などのキー

OMEN Gaming Hubや電卓などの独自キーがファンクションキーと並んで配列されているのも特徴的。

単色のバックライトはありますいが、七色に光らせたり、キーごとに色を変えるような細かいカスタマイズには対応していません。

タッチパッド

タッチパッドは一体型でさらさらとした質感です。

指紋認証などの機能は非搭載。

ディスプレイ

ディスプレイ

ディスプレイは16.1インチワイドのフルHD(1,920×1080)解像度で、リフレッシュレートは144Hz。

15.6インチのゲーミングノートが主流ですが、ややサイズが大きめ。

ふちの薄いナローベゼル仕様かつノングレア(非光沢)なので、とても見やすいです。

Webカメラ

約92万画素のWebカメラも搭載しており、オンライン会議や顔出しでのライブ配信などで使えます。

画質や画角にこだわる方は、外付けのWebカメラを別途用意したほうが良いでしょう。

最大開閉時

ディスプレイは最大でここまで開きます。

sRGBカバー率は約66%

色域のグラフ

ディスプレイの色域をi1 Display Proでチェックしたところ、sRGBカバー率は約66.4%、AdobeRGBカバー率が約49.8%でした。

ゲーム用途では気になりませんが、写真や動画の編集では色域の狭さを意識しておいたほうが良いでしょう。

完成させた動画や写真をスマホなど別のデバイスからチェックした際に、色のズレが目立つ場合があります。

Victus 16(AMD)のベンチマーク

Victus 16

ここからはVictus 16の性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。

まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試した結果がこちら。

PC Mark10

ゲーミングPCとして考えると控えめなスコアですが、ビジネス向けの薄型ノートPCと比べればハイスペック。

ExcelやWordなどの事務作業もサクサクこなせます。

計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。

CINEBENCH

R23
R23
R20
R20

主なCPUをCINEBENCH R23のスコアで比較してみると以下の通り。

CINEBENCH R23 スコア比較
Core i5-12400F
12,394
Ryzen 5 5600X
10,132
Ryzen 5 5600H
9,183
Core i5-11400F
8,565
Core i3-12100F
8,463

デスクトップ向けのRyzen 5 5600Xと比べると、若干スコアがダウンします。

Fire Strike

Fire Strike

3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。

Fire Strike スコア比較
RTX 3050
14,233
GTX 1660
12,212
GTX 1650
8,590
GTX 1050
5,634
Radeon Graphics
3,241

ノートPC向けのGPUとはいえ、若干スコアが控えめです。

8GB×1のメモリが足を引っ張っている可能性もありそうです。

Crystal Disk Mark

Crystal Disk Mark

ストレージの転送速度は読み書きともに素晴らしいスコアです。

書き出しは若干速度が落ちているものの、実用上気になることはほとんどないでしょう。

一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。

ストレージの転送速度
NVMe M.2 SSD
(Gen4)
5,000~
NVMe M.2 SSD
3,000
SSD(SATA)
550
HDD
120

オンラインゲーム

定番のベンチマークソフトも走らせました。

重量級ゲームのFF15が最高画質で「普通」、FF14は「快適」という結果でした。

グラフィックの重いゲームをプレイするなら、画質調整は必須と考えたほうが良いでしょう。

FF15

FF15
高品質3678(普通)
標準品質4997(やや快適)
軽量品質6578(快適)

FF14 暁月のフィナーレ

FF14 暁月のフィナーレ
最高品質9188(快適)
高品質12232(とても快適)
標準品質14656(とても快適)

PCゲームのフレームレート検証

Victus 16

MSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートを計測しました。

動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。

まずはフォートナイトとApex LegendsをフルHD解像度でプレイした結果がこちら。

フォートナイト
最高画質36fps
競技設定105fps
Apex Legends
最高画質49fps
低画質87fps

フォートナイトのレンダリングモードは「DirectX11」で計測。

「パフォーマンス」に変えると、競技設定の平均フレームレートは170前後まで伸びました。

Apex Legendsは画質を落としても平均144には届かず。

GTX 1650ならもう少しフレームレートを出せるはずですが、8GB×1のメモリでは限界があるようです。

そのほかのゲームはすべて最高画質で検証しました。

平均フレームレート
Battlefield 2042(中画質)49fps
Call of Duty: Vanguard(中画質)83fps
Escape from Tarkov(中画質)55fps
VALORANT(最高画質)151fps
Rainbow Six Siege(最高画質)138fps
Cyberpunk 2077(低画質)34fps
WATCH DOGS LEGION(低画質)41fps
FARCRY 6(低画質)58fps
ELDEN RING(最高画質)35fps
モンスターハンターライズ(最高画質)54fps
原神(最高画質)54fps
マインクラフト(最高画質)45fps

VALORANTやRainbow Six Siegeなどはグラフィックが軽いため、最高画質でもサクサク快適にプレイできます。

Cyberpunk 2077やWATCH DOGS LEGIONのような重量級ゲームだと、低画質でも30前後のフレームレートしか出せません。

ゲームに合わせて設定の調整が必要です。

ライブ配信

ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。

配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施です。

Apex Legendsでいろいろ試した結果、以下の設定でトラブルなく配信・録画ができました。

OBSのおすすめ設定
ゲームの画質
出力解像度1080p(1,920×1,080)
FPS共通値60
映像ビットレート6,000 Kbps
配信エンコーダハードウェア
音声ビットレート128
録画品質高品質、ファイルサイズ中
録画フォーマットmkv
配信後にmp4へ再多重化
録画エンコーダハードウェア

映像がカクついてしまう場合、出力解像度やフレームレートを落としたほうが良さそうです。

配信するゲームによってCPUやGPUの負荷は変わるため、ゲームによっては映像がカクついたり、静止画になってしまう可能性があります。

ストリーマーとして配信に力を入れていくなら、もう少しスペックの高いPCを選んだほうが良いでしょう。

クリエイティブ用途の動作検証

Victus 16

続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。

ゲーム以外の用途でもサックサクです。

Premiere Proで動画編集

Premiere Pro

まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。

動画素材をカットしてつなげたり、テロップや効果音を加える程度の編集ですが、ちょくちょく反映が遅延します。

重いエフェクトを加えるとプレビューがしばらく動かなくなることもあり、パワー不足は否めません。

4K動画の書き出し

参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。

検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。

書き出し条件とかかった時間は以下の通り。

H.264(Youtube 1080p FHD)31:02
H.264(Youtube 2160p 4K UHD)16:23

一般的な薄型ノートパソコンだと40分以上かかることもザラなので、まずまずといったところ。

動画編集マシンとして使えないこともないですが、もう少しスペックを上げたいのが本音です。

LightroomでRAW現像

Lightroom

デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。

有効画素数3,635万のRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は3分15秒でした。

趣味の範囲なら気になりませんが、書き出しが速いとは言えません。

Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。

Lightroomの書き出し条件
画像形式JPEG
画質100
カラースペースsRGB
画像のサイズ未調整(撮影データそのまま)
解像度350
メタデータすべてのメタデータ
(人物情報や撮影場所の情報は削除)

ガチ勢の方には上位モデルを推奨

Victus 16

レビューのまとめとして、Victus 16の特徴をおさらいします。

人気ゲームをカクつきなくプレイ可能

ゲーム起動中も冷却ファンの音が静か

16.1型と少し大きめのディスプレイ

スタイリッシュでシンプルなデザイン

重量級ゲームにはパワー不足

シングルチャネルのメモリがどの程度足を引っ張るか心配していましたが、意外と踏ん張れる印象です。

とはいえPCゲームガチ勢の方には物足りないスペックであることも事実。

ゲームをしっかりやりこみたいなら、上位モデルを選んだほうが良いでしょう。

記事執筆時点では分割手数料が36回まで無料になるキャンペーンも実施中。

カジュアルにPCゲームを楽しみたい方は、日本HPのVictus 16を検討してみてはいかがでしょうか。

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