Ryzen 5 4500を購入したので、RTX 3060と組み合わせて人気ゲームをどこまで動かせるのか検証しました。
結論、バトロワ系ゲームをメインに考えている方にはおすすめしません。
予算に余裕があるなら、CPUはCore i5-12400やRyzen 5 5600Xを選んだほうが良いでしょう。
検証用PCのスペックや概要
今回、検証のために用意した環境は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
CPUクーラー | リテールクーラー |
GPU | Palit RTX 3060 Dual OC 12GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
マザーボード | ASRock B550M Pro4 |
電源 | 850W(80PLUS GOLD) |
Ryzen 5 4500は楽天市場のパソコン工房で購入、価格は17,374円でした。
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
電源は850Wを使用していますが、NVIDIAの公式サイトによるとRTX 3060搭載PCは550W以上が推奨とされています。
ほかのCPUの検証結果
Core i5-12600KやRyzen 5 5600Xなど、ほかのCPUでもRTX 3060の性能を検証しています。
あわせてご覧いただくとCPUによるスコアの変化がわかりやすいです。
定番ベンチマークのスコア
ここからは定番のベンチマークソフトのスコアをご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R23
まずはCPUの性能をチェックするCINEBENCH R23のスコアから。
Core i5-12400F | |
---|---|
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 4500 | |
Core i5-11400F | |
Core i3-12100F |
同じRyzen 5でも5600Xとは大きな差があります。
4500はアーキテクチャが前世代のZen 2で、分類上は3600や3500などの3000シリーズと同じです。
Core i5-12400F | |
---|---|
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 4500 | |
Core i5-11400F | |
Core i3-12100F |
シングルコアも4500のスコアはパッとしません。
Core i3-12100Fのコスパの良さが際立ちます。
3D Markのスコア
続いて超定番の3D Markから、主要ベンチマークを試した結果がこちら。
グラボはすべてRTX 3060で統一しています。
Time Spy
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
グラボが同じということもあり、スコアに大きな差はありません。
Fire Strike
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
Fire StrikeではCore i5-12400FやRyzen 5 5600Xと比べてやや差が出ています。
Port Royal
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
レイトレーシングの性能をチェックするPort Royalはほとんどスコアに差が出ず。
これは筆者の推測ですが、レイトレーシングの処理はGPUに依存する要素が大きく、CPUの性能は影響しづらいものと思われます。
定番ベンチマークのスコア
FF15とFF14(暁月のフィナーレ)のベンチマークソフトを、それぞれフルHDの最高設定で走らせました。
FF15
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
Core i3-12100Fのスコアだけやたらと伸びたのは少々謎です。
FF14 暁月のフィナーレ
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
FF14とは相性が良くないのか、Ryzen 5 4500だけスコアが極端に落ちました。
人気ゲームのフレームレート
ここからは実際に人気ゲームをフルHD解像度(1,920×1,080)でプレイして、フレームレートの平均値を算出しました。
今回検証したのは以下の通り。
- フォートナイト
- Apex Legends
- VALORANT
- Rainbow Six Siege
- モンスターハンターライズ
それぞれ順にご紹介します。
フォートナイト
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
フォートナイトはリプレイ機能を使用し、撃ち合い中のシーンを含む、同一場面の平均フレームレートを計測した結果です。
計測タイミングによって変動するものの、Core i5-11400Fとほぼ同性能といえそうです。
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
競技設定はレンダリングモード「DirectX11」で、「3D解像度」と「描画距離」を最大に設定して検証。
こちらもIntel 12世代CPUと比べるとフレームレートの伸びがイマイチです。
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
こちらはレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えて試した結果です。
平均270程度出せていれば十分ではありますが、ほかのCPUと比べると見劣りします。
フレームレートの上限を240に設定して試したところ、Ryzen 5 4500の平均値は200前後にまで落ち込みました。
フォートナイトで240固定にこだわるなら、CPUはCore i5-12400FやRyzen 5 5600Xを選んだほうが良いでしょう。
Apex Legends
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
Apex Legendsはカジュアルマッチを実際にプレイ。
近接での撃ち合いシーンを含めた、5分間の平均フレームレートを計測した結果です。
厳密な比較ではないものの、最高画質でも快適にプレイできました。
144Hzのモニターを使用しているなら、無理に画質を落とす必要はなさそうです。
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
非戦闘時なら200以上のフレームレートを出す場面もありますが、撃ち合いの場面を含めると平均値は200にギリギリ届かず。
一部のプロゲーマーやガチ勢の方でない限り、十分快適にプレイできるでしょう。
VALORANT
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
VALORANTはプラクティスのスパイク解除モードで検証。
実際のマッチでは50~100程度フレームレートが落ちると考えてください。
控えめなスコアではあるものの、十分快適に動かせます。
Rainbow Six Siege
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
レインボーシックスシージはベンチマークモードで検証した結果です。
Ryzen 5 4500だけ300を超えられず。
このゲームも実際のマッチでは50程度落ちると考えてください。
モンスターハンターライズ
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
モンハンライズは大社跡でアケノシルム討伐クエストをプレイ。
Ryzen 5 4500だけ極端にフレームレートが落ちました。
アクション系のゲームは平均60を超えていれば問題はないものの、見劣りするのも事実です。
レイトレーシング性能
レイトレーシング対応ゲームの平均フレームレートも検証しました。
今回検証したのは以下の通り。
- WATCH DOGS LEGION
- FARCRY6
順にご紹介します。
WATCH DOGS LEGION
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
WATCH DOGS LEGIONは最高画質でベンチマークモードを走らせた結果です。
このゲームはCPUの影響をあまり受けないようで、ほとんど差がありません。
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
レイトレーシングの処理もCPUの影響はあまり受けないようです。
FARCRY6
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
FARCRY6もベンチマークモードを使用。
Core i5-12400FやRyzen 5 5600Xと比べると、ややスコアが落ちています。
RTX 3060 Core i5-12400F | |
---|---|
RTX 3060 Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ryzen 5 4500 | |
RTX 3060 Core i5-11400F | |
RTX 3060 Core i3-12100F |
DXR ONでも若干スコアが落ちていますが、十分快適に動かせるレベルです。
ゲーム実況・ライブ配信
Twitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低 |
---|---|
出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ソフトウェア |
配信中のフレームレートは150前後で、やや落ちてはいるもののとくに問題はありません。
配信するゲームによって設定を変える必要はありそうですが、配信用PCとしても十分使えそうです。
おすすめのBTOパソコン
Ryzen 5 4500とRTX 3060を搭載したBTOパソコンをピックアップしました。
冒頭でもお伝えした通り、もう少し予算を出せるならCPUはCore i5-12400やRyzen 5 5600Xを選んだほうが良いです。
予算と用途に合わせて、納得のいく1台を選んでください。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点の情報です。最新情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
パソコン工房(レベル∞)
まずはパソコン工房が販売するLEVEL-M0P5-R45-RBX。
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 152,180円~(消費税・配送料込) |
マザーボードはB550チップセット、CPUクーラーはリテールクーラーが採用されているようです。
microATXのコンパクトなケースで、DVDスーパーマルチドライブが標準搭載されているのも魅力といえそうです。
ツクモ
もうひとつはTSUKUMOで販売中のG-GEAR GA5A-C221/B。
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 159,600円~(消費税・配送料込) |
ATXのミドルタワーケースに、マザーボードはMSIのB550-A PROが採用されている模様。
光学ドライブが標準搭載されるほか、電源も750Wの(80PLUS GOLD)と余裕があります。
おしゃれなケースとは言えませんが、拡張性は申し分なしです。
ドスパラ
続いてドスパラが販売するGALLERIA RM5R-R36。
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 168,280円~(消費税・配送料込) |
こちらもCPUクーラーはリテールクーラーで、マザーボードはA520チップセットを採用。
光るパーツは搭載されていないようですが、アクリルパネルでケース内部を魅せられるのがGALLERIAの魅力。
記事執筆時点では翌日出荷という超スピード納品にも対応しているようです。
Ryzen 7000シリーズに期待
名称は4000シリーズでも性能は3000シリーズとほとんど変わらなくて微妙、というのが筆者の正直な感想です。
144Hzや165Hzのモニターでゲームをするなら問題はないものの、より安く買えるCore i3-12100Fのほうがゲーム性能は優秀です。
ただCore i3-12100FはBTOだと取り扱いがほとんどないため、なるべく予算を抑えてゲーミングPCを買いたいならRyzen 5 4500を検討してもいいかもしれません。
自作派の方や最新CPUが気になる方は、まもなく出てくるといわれるRyzen 7000シリーズ(Zen 4)を待ちましょう。