Logicool G 公認サポーターとしてのレビュー第12弾、最新ゲーミングマウスのPRO X SUPERLIGHTを提供いただきました。
世界的なベストセラーマウスであるPRO ワイヤレス(通称:Gプロ)の後継機にあたるモデルで、肉抜きなしで63g未満の超軽量を実現。
先に結論をお伝えすると、ゲーミングマウスで迷ったらこれを買えばいい(値段は高いけど)と断言できる完成度の高さです。
今までGプロを愛用していた方はとくに、大きな進化を実感できることでしょう。
何がそこまで素晴らしいのか、詳しくご紹介します。
PRO X SUPERLIGHTの特徴
PRO X SUPERLIGHTの特徴を整理すると以下の通り。
ゲーミングマウスのひとつの到達点
ワイヤレスで63g未満の超軽量を実現
Gプロの操作感はそのままに正統進化
ホワイトのカラバリモデルも展開
約17,000円と価格は高め
一部機能が軽量化の犠牲に
スペックや本体デザインなど、順にご紹介します。
基本スペック
PRO X SUPERLIGHTの主なスペックは以下の通り。
寸法 | 125×63.5×40mm |
---|---|
重量 | <63g |
センサー | HERO 25K |
DPI | 最大 25,600dpi |
レポートレート | 125/250/500/1000Hz |
接続方式 | 無線(LIGHTSPEED) |
ボタン数 | 5 |
耐クリック回数 | 非公開 |
販売価格 | 17,000円前後 |
センサー周りやゲーミングマウスとしての基本性能はGプロそのままに、63g未満の超軽量を実現。
実際に重さを量ってみたら、60gでした。
ただし、ボタン数が減っていたり、軽量化のために省かれた機能もあるので要注意。
もっと細かい仕様を見たい方は、Logicool Gの公式サイトをご確認ください。
外観・デザイン
付属品はご覧の通りで、説明書に保証書、おなじみのステッカーなどが入っています。
マウス本体は旧モデルと変わらない左右対称デザインですが、サイドボタンは左側のみ。
底面のソールも大きくなっています。
交換用ソールは付属していません。
旧モデルと同じく、マウス本体にレシーバーを収納可能。
イベントや大会への出場などでマウスを持ち歩く機会が多いプロゲーマーの方も、レシーバーをなくす心配がありません。
右側面に「SUPERLIGHT」の文字が印字されています。
高さのピークは中央よりで、お尻のでっぱりも控えめ。
手の平への密着感はあまり強くありません。
前後から見ても、きれいに左右対称であることがわかります。
ケーブルはおそらく旧モデルと同じもので、マウス側の端子は三又式のUSB MicroB。
パソコン側は一般的なUSB Type-Aです。
それなりにコシがあるケーブルなので、充電しながら使うときはマウスバンジーの活用をおすすめします。
レシーバーにはPRO Xと書かれているため、Logicool Gのワイヤレスマウスを複数持っていても間違える心配がありません。
デスクトップPCを少し離れた場所に置いている方は、レシーバー延長アダプターを使いましょう。
最近流行りの滑り止め用グリップテープも付属しています。
筆者はそのままで違和感なく使えますが、手が滑りやすい方には便利ですね。
持ちやすさ
PRO X SUPERLIGHTは筆者の手で試した限り、かぶせ持ちやつかみ持ちと相性が良いです。
マウスのサイズが125mmとそれなりに大きいので、つまみ持ちには向いていません。
右側のサイドボタンがなくなったという点以外、手に持った感触は旧モデルそのままです。
専用ソフトウェア
PRO X SUPERLIGHTはLogicoolの専用ソフトウェア「G HUB」に対応。
ボタン数は減りましたが、プレイスタイルに合わせて機能をカスタマイズできます。
DPIやレポートレートも変更が可能。
レポートレートは4段階で選べますが、とくにこだわりがなければ1,000Hzのままでよいでしょう。
各種マクロをはじめ、DiscordやOBSの各種アクションも設定できるので、用途に合わせてカスタマイズすると非常に便利です。
プロファイルはオンボードメモリに5つまで保存可能。
お気に入りの設定を保存しておけば、別のパソコンで使うときも普段通りに操作できます。
G HUBはLogicoolの公式サイトからダウンロードできます。
バッテリー駆動時間
仕様上のバッテリー駆動時間は約70時間とされています。
バッテリーの減り方はマウスの使い方次第ですが、フル充電すれば1週間程度は持つでしょう。
ワイヤレスマウスの宿命ですが、定期的な充電からは逃れられません。
付属のケーブルをつなげれば、充電したまま有線マウスとしても使えます。
POWERPLAYに対応
PRO X SUPERLIGHTはPOWERPLAYワイヤレス充電にも対応。
別売りのゲーミングマウスパット、G-PMP-001を使えばワイヤレス状態のまま充電が可能。
マウスパッドで約18,000円はかなり高額ですが、バッテリー残量を気にしたり、充電の手間から完全に開放されるのは恐ろしく便利です。
POWERPLAYマウスパッドについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
旧モデルとの比較や進化した点
ここからは旧モデル(G-PPD-002WL)と比べて、何がどう変わったのかについてご説明します。
旧モデルは2019年4月に筆者が購入したもので、多少汚れが目立つ点はご容赦ください。
まずは主なスペックを比較しました。
新モデル (G-PPD-003WL) | 旧モデル (G-PPD-002WL) | |
---|---|---|
寸法 | 125×63.5×40mm | |
重量 | <63g | 80g |
センサー | HERO 25K | |
DPI | 最大 25,600dpi | |
レポートレート | 125/250/500/1000Hz | |
接続方式 | 無線(LIGHTSPEED) | |
ボタン数 | 5 | 8 |
バッテリー | 70時間 | 60時間(ライティングOFF) 48時間(ライティングON) |
カラー | 黒 or 白 | 黒 |
販売価格 | 17,000円前後 | 14,000円前後 |
スペックを比較しただけだと、ボタン数が減って軽くなっただけに見えるかもしれません。
寸法やデザインもまったく同じで、手に持った感触はほとんど変わりません。
しかしながら、実際にゲームをプレイしてみると大きな進化を実感します。
ポイントを整理すると以下の通り。
- さらなる軽量化の実現
- より滑りやすいソール
- ロゴマークが光らない
- サイドボタンの省略化
それぞれ順に見ていきましょう。
旧モデルについて詳しく知りたい方は、以下のレビュー記事をご覧ください。
さらなる軽量化の実現
PRO X SUPERLIGHTは旧モデルから17g以上の軽量化を実現。
大したことがなさそうに思えるかもしれませんが、もともと80gだったものを63g未満に落としたということは、重量を20%以上削ったということ。
肉抜きというありがちな方法を取らず、あくまでGプロのデザインを保ったまま実現しているところに、開発チームの強いこだわりを感じます。
旧モデルが84gになっているのは、POWERPLAYのモジュールをつけていたからです。(撮影後に気づきました)
小さなちがいですが、センターホイールの材質やデザインも進化しています。
ひとつひとつの部品、パーツを徹底的に見直して、大幅な軽量化を実現したそうです。
旧モデルでも十分軽いと感じていましたが、新モデルは別次元。
新モデルから旧モデルに持ち替えると、「今までこんなに重たいマウスを使っていたのか」と感覚がバグるほど。
こればかりは実物を触ってみるのが一番なので、量販店やPCショップで展示品があれば、ぜひ試してみてください。
POWERPLAY利用時
PRO X SUPERLIGHTは実測で60gでしたが、POWERPLAYを使うと若干重くなります。
POWERPLAYのモジュールが約5gあるため、装着時は63gに。
「マウスは1gでも軽くしたい!」
という軽量化ガチ勢の方は、POWERPLAYの利用をあきらめましょう。
より滑りやすいソール
ソールの形状と材質も、旧モデルと比べて大きく変わりました。
さらにすべりやすいソールに進化しており、付属のパーツを使えばソールの切り替えも可能。
両方試してみたところ、筆者としては標準のままが操作しやすいと感じました。
完全に好みの問題なので、手に合ったものを選んでください。
ソール版のフタは、ほんの少しだけ重くなります。
ロゴマークが光らない
大幅な軽量化を実現するうえで、いくつかの機能が犠牲になりました。
たとえば新モデルはロゴマークが光りません。
写真だと光っているように見えるかもしれませんが、白いだけです。
実際のところ、ゲームプレイ中は手の平でロゴマークが隠れてしまうので、光ったところで意味はないのですが、見栄えという点では少々残念。
しかしながら旧モデルと比べて、バッテリーが長持ちするようになったという利点もあります。
「ゲーミングマウスはカッコよく光らないとダメ!」
という方は、旧モデルやほかのゲーミングマウスを探したほうが良いでしょう。
サイドボタンの省略化
旧モデルはサイドボタンをカスタマイズできるのが魅力でしたが、新モデルではオミット(省略化)されました。
右手でマウスを操作している方にとっては気にならないと思いますが、左手でマウスを操作している方にとっては致命的かもしれません。
どうしても右側にサイドボタンが欲しい方は、旧モデルを選んだほうが良いでしょう。
また、底面のDPI変更ボタンもなくなっています。
頻繁に変えるものではないですし、ソフトウェア(G HUB)上からでも変更できるので、問題はないでしょう。
こまめにDPIを変更したいなら、G HUBでサイドボタンに割り当てることもできます。
センサー性能のテスト結果
ここからはPRO X SUPERLIGHTのセンサー性能をチェックした結果をご紹介します。
検証時のマウスパッドはSteelSeriesのQcK miniを使用しました。
いずれも当サイトで検証した結果です。マウスパッドの材質やマウスとの相性なども影響するため、あくまで参考程度にご覧ください。
マウステスター
レポートレートとDPIを変えてマウステスターを試しました。
テスト結果の見方を簡単に解説すると、グラフ上のポイント(点)が一定間隔であればセンサーの精度が安定しているということです。
ポイントがひとつだけ飛んでいたり、乱れているものはセンサー精度が不安定ということ。
レポートレートは125Hz、500Hz、1,000Hzの3段階で、それぞれ400~3,200DPIに感度を変えてチェックした結果がこちら。
有線のゲーミングマウスかと思うくらい、きれいなラインが出ました。
ただし、1,000Hzの3,200DPIではわずかに乱れが発生しています。
実用上気になることはないレベルですが、ハイセンシを好むプロゲーマーの方は気に留めておいたほうがいいかもしれません。
リフトオフディスタンス
厚さの異なるプラ板を使用して、マウスのリフトオフディスタンスをチェックしました。
リフトオフディスタンスとは、マウスを何mm浮かすとセンサーが反応しなくなるかを表す距離のことで、短いほど繊細な操作に適しています。
PRO X SUPERLIGHTのリフトオフディスタンスは約0.8mmとまずまずのスコアでした。
当サイトで計測した主なマウスと結果を比較すると以下の通り。
Xtrfy M4 RGB | |
---|---|
Logicool G PRO WL | |
Logicool G502WL | |
Logicool G903h | |
Logicool G PRO X SL | |
Logicool G703 | |
Finalmouse Ultralight2 | |
BenQ ZOWIE S1 | |
Razer DeathAdder V2 | |
Razer VIPER MINI |
旧モデルよりリフトオフディスタンスがわずかに長くなったのは、ソールの形状や材質が影響しているのかもしれません。
リフトオフディスタンスについて明確な基準はないものの、筆者個人としては1.0mm以下なら優秀と考えています。
各種ゲームで使用した感想
ここからは実際にPRO X SUPERLIGHTで各種PCゲームを操作した感想をご紹介します。
POWERPLAYのモジュールを装着し、レポートレートは1,000Hz、DPIは1,600に設定しました。
後戻りできない超軽量
PRO X SUPERLIGHTでゲームをしていると、マウスを動かしているというより、単に手を動かしているという感覚になります。
フォートナイトやApex Legendsのように、マウスを上下左右に素早く動かすゲームはとくに、超軽量のメリットを実感できます。
ソールの滑りもよく、長時間やりこんでも手が疲れません。
ひとつ注意点をお伝えすると、超軽量に慣れてしまうと今までのマウスに戻れなくなります。
約80gの旧モデルですら重く感じますし、95gのG703hや110gのG903hなんて、もう使いこなせる自信がありません。
重いマウスのほうがエイムが安定する、という方もいますから、手に合うものを選ぶことが大切です。
ホイールは適度なノッチ感
PRO X SUPERLIGHTのセンターホイールは、コリコリと軽いノッチ感があります。
重すぎず軽すぎず、まさに絶妙な感触。
バトロワ系ゲームで武器を変えるときなど、とても操作しやすいです。
旧モデルと比べると少し固めに感じますが、筆者が所持している旧モデルはすでに2年ほど使用しているため、若干ヘタってきている可能性は否めません。
押しやすいサイドボタン
サイドボタンをカスタムできる機能は省略されましたが、形状や押し心地などは旧モデルとほぼ変わらず。
Apex Legendsでアビリティをサイドボタンに割り当てていたり、ゲームの各種操作でサイドボタンを多用する方は違和感なく操作できるでしょう。
ただし、押しやすさという点では、サイドボタンが大きめのG703hに一歩及ばない印象です。
ゲームでサイドボタンを多用する方は、形状や押し心地にも注目してみてください。
Gプロ愛用者こそ買うべきマウス
レビューのまとめとして、もう一度PRO X SUPERLIGHTの特徴をおさらいします。
ゲーミングマウスのひとつの到達点
ワイヤレスで63g未満の超軽量を実現
Gプロの操作感はそのままに正統進化
ホワイトのカラバリモデルも展開
約17,000円と価格は高め
一部機能が軽量化の犠牲に
旧モデルのGプロは、多くのゲーミングマウスに影響を与えた、世界基準ともいえる名機だったと思います。
サイドボタンなどの一部機能が省略されたとはいえ、新モデルはさらなる軽量化を実現。
肉抜きボディが苦手な方も気にせず使えますし、超軽量ワイヤレスゲーミングマウスとして、ひとつの到達点といえるほどの完成度の高さです。
予算さえ許すなら、ぜひLogicool GのPRO X SUPERLIGHTを試してみてください。