日本HPが販売するゲーミングPC、OMEN 40L Desktopをお借りしました。
機材貸出元:株式会社日本HP
Core i7-12700KとRTX 3070 Tiを搭載、バトロワ系ゲームを最高画質でもヌルヌル動かせるハイスペックマシンです。
人気のPCゲームはもちろん、ライブ配信や動画編集も幅広く活躍するPCを探している方は、ぜひじっくりご覧ください。
OMEN 40L Desktopの概要と特徴
OMEN 40L Desktopがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
人気ゲームを超・高fpsでプレイ可能
1080p・60fpsで高画質配信も余裕
動画編集用パソコンとしても超優秀
モードによってはファンがうるさい
CPUの性能を最大限に引き出せない
Apex Legendsやフォートナイトなどのゲームで、どれくらいフレームレートを出せるのか知りたい!という方はこちらからご覧ください。
スペック
今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
CPU | Core i7-12700K |
GPU | GeForce RTX 3070 Ti |
メモリ | DDR4-3733MHz 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD Gen4 |
販売価格 | 254,100円(消費税・配送料込) |
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
動画編集などの用途でもPCをフル活用するなら、メモリは32GBにカスタマイズしてもよさそうですが、記事執筆時点ではすべて在庫切れの状態。
仕様や価格、在庫状況は日々変動するため、最新情報は公式サイトにてご確認ください。
45Lや25Lのレビュー
上位モデルにあたるOMEN 45L、下位モデルの25Lも実機をお借りして詳しくレビューしました。
あわせてご覧いただくと、性能差がわかりやすいです。
ケース外観
ここからはOMEN 40L Desktopの外観をご紹介します。
これぞOMENといった特徴的なデザインで、高級感もたっぷり。
正面から見て左側には強化ガラス製のサイドパネルを標準搭載。
電源をONにすると、ケース内部のライティングパーツが映えます。
仕様上の寸法は高さが約467mm、奥行きが約470mm、横幅が約204mmと大きく、重量も約18.7kgとヘビー級。
設置する際など、パソコンを持ち上げるときは腰を痛めないようにくれぐれも気をつけてください。
天面や底面はメッシュ状になっており、空気が通りやすい構造です。
LEDライティング
電源をONにすると、ケース前面の2連ファンなどが発光。
強化ガラスパネルが採用されていることもあり、非常に映えます。
ケースのライティングはプリインストールされている「OMEN Gaming Hub」から変更が可能。
色や発光パターンを好みに合わせてカスタマイズできます。
パソコンが光っていると気が散る、という方は設定でOFFにすることも可能。
アイドル状態が続くとライティングを自動でOFFにできたり、細かいところまで手が届くアプリです。
インターフェイス
電源ボタンなどは天面にあります。
- ヘッドホン
- マイク
- USB Type-A 5Gbps ×2
- USB 2.0 Type-A ×2
- 電源
左側のType-Aポート×2はバッテリーチャージ機能にも対応。
スマホやゲームパッド、外付けストレージなど、さまざまなものを接続できて便利です。
独自のマザーボードが採用されていることもあり、背面の端子類は控えめです。
- USB 2.0 Type-A ×2
- SuperSpeed USB Type-A 5Gbps
- SuperSpeed USB Type-A 10Gbps
- SuperSpeed USB Type-C 5Gbps
- SuperSpeed USB Type-C 10Gbps
- ギガビットLANポート
- DisplayPort ×3
- HDMI ×1
Type-Cのポートが2つもあるのはとても便利です。
また、無線LAN(Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0)も標準搭載。
ご家庭の都合で有線LANをつなげられない方も安心です。
オンラインゲームには有線でのネット接続を推奨します。
ケース内部
ケース内部はご覧の通り。
見た目で判断する限り、マザーボードはOMEN 45L Desktopと同じ、やや小さめのものが採用されているようです。
内部パーツへのアクセスは、ケース上部のボタンをワンタッチするだけ。
ドライバーなどの工具が不要で、ネジを紛失する心配もありません。
2.5インチ×2、3.5インチ×2のストレージを増設できるドライブベイも用意されており、拡張性も十分。
ストレージの増設はそこまで難しい作業ではありませんが、パーツ改造による故障はメーカー保証が適用されない可能性があるため、くれぐれも慎重に判断してください。
ケース内の各種ファンはハブで一括管理されているようです。
配線は整理されておらず、お世辞にも美しいとは言えません。(PCの性能には影響しません)
PCI Express Gen3 x4の空きスロットがひとつと、SATAも3つ空きがあります。
検証はしていませんが、キャプチャーボードなども増設できそうです。
水冷CPUクーラー
CPUクーラーは簡易水冷タイプを標準搭載。
仕様によるとCooler Master社製で、ラジエーターサイズは120mmとのこと。
ゲームによってはCPU温度が80度を超えることもあり、性能ダウンを引き起こすほどではないものの、冷却性能は少々心配なレベル。
CINEBENCH R23を走らせるとCPU温度が100度近くまで上がる場面もあり、Core i7-12700Kをフルパワーで回すのは厳しいかもしれません。
ケース天面に240mmサイズのラジエーターを搭載できそうなスペースがあるので、カスタマイズでCPUクーラーをアップグレードできると良いのですが。
ポジティブにとらえれば、設定のいじりがいがあるPCといえそうです。
グラフィックカード
グラフィックカードはトリプルファンの大型タイプを搭載。
傾きやグラつきが発生しないよう、専用パーツでがっちりと固定されています。
グラボ交換は少々手間取りそうですが、サポートステイなどを別途買う必要がないのは便利です。
メモリ
メモリはHyperX社製の16GB(8GB×2)DDR4-3733MHzを採用。
国内BTOメーカーだとDDR4-3200MHzのメモリを採用することが多く、若干ハイスペックです。
ストレージ
M.2 SSDはグラボの裏側にあるため姿が見えませんでした。
仕様によるとWestern Digitalの WD_Blackが採用されているようです。
電源
電源はCooler Master社製の800W(80PLUS GOLD)を採用。
NVIDIAの公式サイトによると、RTX 3070 Ti搭載マシンの推奨電源は750Wなので多少余裕を持たせているようです。
OMEN 40L Desktopのベンチマーク
ここからはOMEN 40L Desktopの性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試したところ、素晴らしいハイスコアをたたき出しました。
写真や動画の編集、事務仕事など、あらゆる用途をサクサクこなせるスコアです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH
主なCPUをCINEBENCH R23のスコアで比較してみると以下の通り。
Core i7-12700K (OMEN 45L) | |
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Core i7-12700K (OMEN 40L) | |
Ryzen 9 5900X | |
Core i5-12600K | |
Core i7-11700K |
CPUはOMEN 45L Desktopと同じCore i7-12700Kですが、若干の差が出ました。
冷却性能のちがいがスコアに影響している可能性が高そうです。
なお、ベンチマークの計測はすべてパフォーマンスモードで計測しています。
CINEBENCH R23計測中、CPU温度やクロック数の変化を見てみると、4,600MHz前後ではCPU温度が100度近くまで上昇。
ヘッドセットをつけていてもうるさく感じるほど、ファンの回転音も非常に大きくなります。
しばらくすると4,500MHz前後にクロック数がダウンし、CPU温度は85度前後で落ち着いていました。
実用上、そこまで大きな影響は出ませんが、CPUの性能を最大限に引き出したい方は気に留めておいたほうが良いでしょう。
静音モード
静音モードでCINEBENCH R23を走らせた結果がこちら。
ファンはほぼ無音になりますが、性能は若干ダウン。
静音モードではクロック数は4,200MHz前後まで落ち、CPU温度は70度前後で落ち着いていました。
CPUの性能をそこまで求めないなら、静音モードで運用したほうが快適です。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。
RTX 3080 Ti | |
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RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 3060 Ti |
そこまで重くないゲームなら、4Kでも快適に動かせるスコアです。
Crystal Disk Mark
Gen4対応のNVMe M.2 SSDが搭載されていることもあり、素晴らしい転送速度です。
書き出しは若干速度が落ちているものの、実用上気になることはほとんどないでしょう。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
オンラインゲーム
定番ベンチマークソフトを、それぞれ4KとフルHD解像度の最高設定で走らせました。
ゲームによって多少の調整は必要になりそうですが、4Kでも幅広いゲームを快適にプレイできそうです。
FF15
高品質 | 6397(快適) |
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高品質 | 13891(非常に快適) |
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FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 12439(とても快適) |
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最高品質 | 26917(非常に快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
MSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートを計測しました。
動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとより分かりやすいです。
まずはフォートナイトとApex LegendsをフルHD解像度でプレイして、最高画質と低画質、それぞれ試した結果がこちら。
最高画質 | 166fps |
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競技設定 | 274fps |
最高画質 | 231fps |
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低画質 | 291fps |
フォートナイトのレンダリングモードは「DirectX11」で計測。
「パフォーマンス」に変えると、競技設定の平均フレームレートは400を超えます。
Apex Legendsは最高画質でも平均200以上で安定し、低画質では300に張り付く場面もちらほら。
ガチ勢の方も間違いなく納得できるであろう、素晴らしい性能です。
そのほかのゲームはすべて最高画質で検証しました。
Battlefield 2042 | 114fps |
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Call of Duty: Vanguard | 132fps |
Escape from Tarkov | 106fps |
VALORANT | 344fps |
Rainbow Six Siege | 402fps |
Battlefield 2042やタルコフのような重量級FPSゲームは、多少画質を落としたほうが快適です。
VALORANTで競技シーンを目指すような方は、360Hzのモニターを検討しても良いでしょう。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定しています。
Cyberpunk 2077 | 78fps |
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WATCH DOGS LEGION | 70fps |
FARCRY 6 | 103fps |
場面によっては若干重くなるかもしれませんが、フルHD解像度ならDXR ONの最高画質でも快適にプレイできます。
高解像度での検証
WQHD、4Kの高解像度でも人気ゲームの平均フレームレートを検証しました。
対応ゲームはDLSS(Deep Learning Super Sampling)をONに設定、最高画質で検証した結果です。
フォートナイト | 151fps |
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Apex Legends | 157fps |
ELDEN RING | 60fps |
モンスターハンターライズ | 140fps |
原神 | 60fps |
マインクラフト | 117fps |
Cyberpunk 2077(DXR ON) | 99fps |
フォートナイトやApex LegendsはWQHDでも平均144以上をキープ。
Cyberpunk 2077はDLSSをウルトラパフォーマンスに設定したところ、フルHDよりフレームレートが伸びました。
フォートナイト | 104fps |
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Apex Legends | 105fps |
ELDEN RING | 57fps |
モンスターハンターライズ | 84fps |
原神 | 60fps |
マインクラフト | 96fps |
Cyberpunk 2077(DXR ON) | 63fps |
4Kではさすがにフレームレートが落ちているものの、いずれも普通に動かせるレベルです。
家庭用ゲーム機では味わえないヌルヌル感を重視するなら、解像度はWQHDまでと考えたほうがよさそうです。
ゲーム実況の動画配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施です。
Apex Legendsでいろいろ試した結果、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 最高 |
---|---|
出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア |
配信中もゲームのフレームレートは平均200以上をキープ。
高画質でライブ配信をしたい方にもおすすめです。
配信するゲームによってCPUやGPUの負荷は変わるため、ゲームに合わせて設定を工夫する必要があります。
アバター表示でも配信が可能
FaceRigを使用してアバターを表示させながら配信を試したところ、こちらも最高画質のままトラブルなく配信・録画ができました。
FaceRigはGPUの負担が大きいため、録画のエンコードはソフトウェア(CPU)に設定しています。
フレームレートは180前後にまで落ちるため、気になる方は多少ゲームの画質を落としたほうがよいでしょう。
Webカメラなどの配信機材を整えれば、PC1台でVTuberとしてゲーム実況の配信も可能です。
アバターを表示するソフトや配信するゲームによってPCの負荷は変わります。
クリエイティブ用途の動作検証
続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。
ゲーム以外の用途でもサックサクです。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。
動画素材をカットしてつなげたり、テロップや効果音を加える程度の編集なら、処理の遅延を感じることはほとんどありません。
After Effectsで演出を加えたり、4K動画の編集を考えているなら、メモリは32GB以上積んでおきたいところです。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 3:18 |
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H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 3:12 |
一般的な薄型ノートパソコンだと40分以上かかることもザラなので爆速です。
動画編集マシンとしても抜群に優秀です。
LightroomでRAW現像
デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は1分6秒でした。
写真編集用マシンとしても、文句なしの性能です。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
排熱に課題を感じるが問題はなし
レビューのまとめとして、OMEN 40L Desktopの特徴をおさらいします。
人気ゲームを超高fpsでプレイ可能
1080p・60fpsで高画質配信も余裕
動画編集用パソコンとしても超優秀
モードによってはファンがうるさい
CPUの性能を最大限に引き出せない
CINEBENCH R23で発生した発熱による若干の性能ダウンは気になるものの、CPU使用率100%の状態が続く用途でなければ、実用上の問題はなさそうです。
少なくとも今回検証したゲームやライブ配信、動画編集などの用途であれば、性能低下は見られませんでした。
また、パフォーマンスモードはファンが非常にうるさいため、音が気になる方は静音モードでの使用を推奨します。
在庫がいつ復活するかは不明なので、OMEN 40L Desktopが気になる方はこまめに公式サイトをチェックしてみてください。
Omen 40Lは12世代K付きi7と3070Ti搭載のPCとしてはかなりコスパは良いのでしょうか?また、10万円以上値下げされていますが、本当に25万円ほどで買えるのですか?
コスパいいけど残念ながら在庫切れが続いているんだよな…
在庫復活は祈るしかありません。
6月はクーポン使えるのでちょっと安く買えます。
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