ゲームを快適にプレイするためには、適切なモニター選びも重要です。
とくにFPSゲームや格闘ゲームなど、競技性の高いゲームはモニターの性能が勝敗に直結。
このページでは、ゲーミングモニターを購入する前に知っておきたい基礎知識について詳しくまとめています。
近いうちにモニターの買い替えを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ゲーミングモニターのメリット
そもそもゲーミングモニターとは何なのか、についてご説明します。
一般的なテレビやパソコン用モニターとのちがいは、スペックの高さ。
FPSゲームで敵と激しい打ち合いになったときも滑らかに表示できたり、格闘ゲームでも遅延なく表示できるなど、ゲームに最適化されています。
暗い場面も見やすく調整できたり、色合いも好みに合わせて選べるなど、モニターによってさまざまな機能が搭載されています。
一般的なモニターだと表示がカクついているように見えたり、ステージによっては画面が見えづらかったり、ストレスがたまることもチラホラ。
カジュアルに楽しむなら、多少のカクつきなんて無視してもいいかもしれません。
ただ、「もっと強くなりたい」「もっと上位のランクにいきたい」という想いがあるなら、ゲーミングモニターの導入は必須と考えましょう。
最適なモニターはゲーム次第
Amazonなどでゲーミングモニターを探してみると、各メーカーから多種多様なモニターが販売されています。
どのモニターを買えばいいかは、ゲームのジャンルによってさまざま。
ひとつの目安として、各ジャンルごとのおすすめスペックをまとめました。
FPS | RPG | アクション | 格闘 | |
---|---|---|---|---|
大きさ | 24.5~ | 27~ | 27~ | 24.5~ |
解像度 | フルHD | WQHD、4K | WQHD、4K | フルHD |
パネルの種類 | IPS、TN | IPS | IPS | IPS、TN |
リフレッシュレート | 240Hz | 60Hz~ | 144Hz | 60Hz~ |
応答速度 | 1ms | 5ms | 5ms | 1ms |
FPSゲームは高リフレッシュレートが重要ですし、格闘ゲームは応答速度にこだわりたいところ。
アクションゲームやMMORPGなどは発色がきれいなIPSパネルで、大画面かつ高解像度モニターでプレイしたいです。
普段どんなゲームをよくプレイするのか、まずはそこから考えてみてください。
最適なモニターはプレイスタイルや好み、パソコンのスペックで変わってくるため、あくまで参考程度にお考え下さい。
ゲーミングモニターの選び方
ここからはゲーミングモニターを選ぶとき、何をチェックすればいいのかご説明します。
主なポイントは以下の6点。
- 画面サイズ
- 解像度
- リフレッシュレート
- 同期技術
- パネルの種類
- その他の機能
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
画面サイズ
まずはもっともわかりやすい、画面の大きさから。
細かい差はあるものの、ゲーミングモニターのサイズは主に3種類。
- 24型(23~24.5型)
- 27型
- 34型(ウルトラワイド)
標準的な大きさのモニターが欲しいなら、24型前後のサイズを選べば間違いありません。
27型は大画面でプレイしたい方におすすめですが、思っている以上に大きいです。
量販店などで実際の大きさを確認してからの購入をおすすめします。
34型はウルトラワイドモニターと呼ばれていて、レーシングゲームやシューティングゲームと相性抜群。
高い没入感を得られますが、すべてのゲームがウルトラワイドに対応しているわけではないため注意しましょう。
フラットか湾曲か
画面が湾曲しているモニターも各メーカーから販売されています。
FPSゲームやアクションゲームと相性がよく、ゲームへの没入感がアップ。
ただし、一般的な事務用途や格闘ゲームとの相性はあまりよくありません。
さらに湾曲モニターは壊れやすいといわれていて、実際に筆者も購入から半年も経たずに使えなくなりました。
特別なこだわりがなければ、一般的なフラットタイプのモニターをおすすめします。
解像度
ゲーミングモニターの主な解像度は以下の3種類。
- フルHD(1,920×1,080)
- WQHD(2,560×1,440)
- 4K(3,840×2,160)
いわゆる一般的なモニターは、ほとんどがフルHD解像度。
解像度が高くなるほどゲームのグラフィックはきれいに見えますが、パソコンの負荷も上がります。
ゲームによって差はあるものの、WQHDならミドルクラス以上、4Kでサクサク動かすならハイエンドクラスのゲーミングパソコンが必要と考えてください。
ゲーミングモニターも記事執筆時点ではフルHDが主流で、高解像度を求めるならWQHD、ごく一部の層が4Kモニターを利用しています。
解像度を上げたところでゲームそのものの面白さは変わらないので、こだわりがなければフルHDのモニターがおすすめです。
リフレッシュレート
FPSゲームをプレイするうえで、とくに重要なのがリフレッシュレート。
リフレッシュレートとは1秒間にモニターの画面が何回切り替わるのかを表していて、Hz(ヘルツ)という単位が使われています。
60Hzは1秒間に60回、144Hzなら144回、240Hzなら240回切り替わっているということ。
ハイスペックなゲーミングパソコンを買っても、モニターのリフレッシュレートが60Hzでは意味がありません。
「60Hzと240Hzで何がどう変わるの?」
と思われる方は、NVIDIAの以下の動画が参考になります。
Apex LegendsやCoD、フォートナイトなどのゲームで勝率を上げたいなら、モニターのリフレッシュレートは最低でも144Hz以上と考えましょう。
応答速度
リフレッシュレートと同じく、モニターの応答速度も大切なポイント。
応答速度とはグラフィックカードが出力した映像を、モニターが表示するまでにかかる時間のこと。
ms(ミリ秒)という単位が使われています。
コンマ数秒の入力差で勝負が決まる格闘ゲームでは、応答速度がとくに重要。
できれば応答速度が1ms以下のモニターを選びましょう。
FPSゲームがメインの方も、5ms以下のモニターを選びたいところ。
アクションゲームやRPGなどがメインなら、応答速度はあまり気にする必要はありません。
同期技術
ゲーミングモニターの同期技術とは、画像の乱れを防いでくれる機能のこと。
たとえばPUBGなどのFPSゲームをプレイしていると、ステージや状況によってフレームレートが刻々と変動します。
グラフィックカードから送られてくる映像のフレームレートが常に安定していれば問題ないものの、変動が激しいと映像にズレやカクつきが生じてしまうことも。
この映像のズレを防ぐのが同期技術で、NVIDIAの「G-SYNC」とAMDの「FreeSync」があります。
NVIDIAのグラフィックカードを使っているならG-SYNC、AMDならFreeSyncを使うのがベスト。
しかしながらG-SYNC対応モニターは価格が高くなりがちで、NVIDIAのグラフィックカードでFreeSync対応モニターを使っている人も少なくありません。
筆者もメインPCのグラフィックカードはNVIDIAのRTX2080ですが、FreeSync対応モニターを使用しています。
G-SYNC COMPATIBLE MONITORS
FreeSync対応モニターでG-SYNCを有効化できる「G-SYNC COMPATIBLE MONITORS」に対応したモニターも販売されています。
対応モニターはNVIDIAのサイトで公開されていますが、リストにないモニターでも同期機能を使える場合があります。
NVIDIAのグラフィックカードとFreeSync対応モニターを使っている方は、NVIDIAのコントロールパネルをチェックしてみてください。
事前にドライバを最新版にアップデートしておくことをおすすめします。
パネルの種類
パネルの種類も基礎的な知識を抑えておきましょう。
ゲーミングモニターでよく使われているパネルは以下の3種類。
- IPS
- TN
- VA
それぞれの特徴を簡単にまとめました。
IPS | TN | VA | |
---|---|---|---|
色の美しさ | ◎ | △ | ○ |
視野角の広さ | ◎ | △ | ○ |
応答速度の速さ | ○ | ◎ | △ |
コントラストの高さ | ○ | △ | ◎ |
価格の手ごろさ | △ | ◎ | ○ |
きれいな画面を優先するならIPSパネル一択ですが、価格は高め。
TNパネルは価格の安さが魅力ですが、発色が安定しなかったり、斜めからだと見えづらいなどデメリットもあります。
VAパネルは黒色をはっきり映し出せるため、映画やアニメを見るのに向いています。
迷ったらIPSパネル、なるべく価格を抑えたいならTNパネルがおすすめです。
その他の機能
ディスプレイサイズや解像度、リフレッシュレートなどのポイントを押さえておけば、モニター選びで大きな失敗はないはずです。
その他、購入時にチェックしておきたい主な機能をご紹介します。
接続端子
接続端子も購入前にチェックすべきポイント。
最新式のゲーミングモニターなら、少なくともHDMIとDisplayPortには対応しているはずです。
モニターによっては給電可能なUSB-Cを搭載していたり、マウスやヘッドセットを接続できる端子が用意されていることも。
必要な端子が揃っているか、確認しておきましょう。
独自プリセット
モニターのメーカーによっては、独自のプリセットが使えることも。
参考例としてBenQのゲーミングモニターには「Black eQualizer」という機能があります。
暗くて見えづらい部分を調整できる機能で、FPSゲームなどの索敵に役立ちます。
ヘッドホンハンガー
「ヘッドセットの置き場所に困る!」
という方には、ヘッドホンハンガーを搭載したモニターがおすすめ。
おまけ程度の機能ですが、ヘッドセットを多用する方には便利でしょう。
おすすめのモニターメーカー
ここからはおすすめのゲーミングモニターメーカーをご紹介します。
主にプレイするゲームのジャンル、モニターにかけられる予算やデザインなどの好みに合わせて選んでみてください。
Amazonなどで格安のゲーミングモニターが販売されていますが、有名メーカーの商品を選んだほうが無難です。
Dell
まずおすすめしたいのは、パソコンメーカー大手のDell。
ゲーミングモニターのラインナップも幅広く、保証が充実しているのも魅力。
たとえば保証期間が3年と長く、一定条件はあるものの、万が一故障したときも無償で代替品を貸してもらえます。
さらに保証期間内にモニターのドット抜けがひとつでも見つかれば無償交換、という対応もすばらしいです。
メーカーへのこだわりがなければ、Dellのモニターをチェックしてみてください。
BenQ
続いて紹介するのは、台湾に本社を置く電気機器メーカーのBenQ。
プロジェクターのメーカーという印象が強いかもしれませんが、ZOWIEブランドでゲーミングデバイスを数多く販売。
なかでも240Hzのリフレッシュレートに対応したZOWIE XL2546は、PUBGやCS:GOなどの世界大会で公式モニターとして導入されています。
FPSゲームをメインに考えているなら、BenQのゲーミングモニターは要チェックです。
https://game.sukecom.net/zowie-xl2546/
LG
LGは韓国の総合家電メーカー。
アスペクト比21:9のウルトラワイドモニターがとくに人気で、「ウルトラワイドならLG」という方も少なくありません。
湾曲モニターやウルトラワイドモニターを探しているなら、LGがおすすめです。
MSI
MSIも台湾が本拠地のメーカーで、マザーボードやグラフィックカードがとくに有名です。
湾曲モニターのラインナップが豊富で、LEDライティングに対応したモデルもあります。
アフターサポートはあまり強くない印象ですが、モニターの見た目にもこだわりたいなら候補に入れてみてください。
最適なゲーミングモニターを
ゲーミングモニターはさまざまなモデルが販売されています。
用途にぴったり合ったモニターと出会えれば、ゲームの快適度は大幅にアップすることでしょう。
今回ご紹介した選び方のポイントを押さえて、希望に合うゲーミングモニターを探してみてください。