Core i5-12400Fを購入したので、RTX 3060 Tiと組み合わせて人気ゲームをどこまで快適にプレイできるのか検証しました。
Intelの最新CPUの性能が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
検証用PCのスペックや概要
今回、検証のために用意した環境は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-12400F |
GPU | GeForce RTX 3060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB M.2 SSD |
電源 | 750W(80PLUS GOLD) |
マザーボードはASUSのTUF GAMING Z690-PLUS D4、CPUクーラーは付属のリテールクーラーを使用しています。
コスパを求めるならマザーボードはH670やB660チップセットでまったく問題ありません。(Z690はどれも高すぎる)
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
グラボはMSIのGeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIOを使用。
電源は750Wを使用していますが、NVIDIAの公式サイトによるとRTX 3060 Ti搭載PCの推奨電源は600Wとなっています。
RTX 3060の検証結果
Core i5-12400FとRTX 3060の組み合わせで検証した結果もまとめています。
CINEBENCH R23などの重複するベンチマーク結果は省いているため、以下の記事もあわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
ほかのCPUの検証結果
Core i5-12600KやRyzen 5 5600Xなど、ほかのCPUでもRTX 3060 Tiの性能を検証しています。
あわせてご覧いただくとCPUによるスコアの変化がわかりやすいです。
定番ベンチマークのスコア
ここからは定番のベンチマークソフトのスコアをご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
3D Markのスコア
まずは超定番の3D Markから、主要ベンチマークを試した結果がこちら。
Time Spy
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
Core i5-11400FやRyzen 5 5600Xと比べて微増です。
わずかながらCore i7-11700Kのスコアを上回っている点にも注目です。
Fire Strike
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
Fire StrikeでもCore i7-11700Kのスコアを上回りました。
Port Royal
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
Port Royalはほとんどスコアに差が出ず。
これは筆者の推測ですが、レイトレーシングの処理はGPUに依存する要素が大きく、CPUの性能は影響しづらいものと思われます。
定番ベンチマークのスコア
FF15とFF14(暁月のフィナーレ)のベンチマークソフトを、それぞれフルHDの最高設定で走らせました。
FF15
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
Core i5-12600KやRyzen 5 5600Xに引けを取らないスコアです。
FF14 暁月のフィナーレ
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
ゲームとの相性が良いのか、もっとも高いスコアが出ました。
人気ゲームのフレームレート
ここからは実際に人気ゲームをプレイして、フレームレートの平均値を算出しました。
今回検証したのは以下の通り。
- フォートナイト
- Apex Legends
- VALORANT
- Rainbow Six Siege
- モンスターハンターライズ
それぞれ順にご紹介します。
フォートナイト
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
フォートナイトはリプレイ機能を使用し、撃ち合い中のシーンを含む、同一場面の平均フレームレートを計測した結果です。
計測タイミングによって変動するものの、Core i5-11400Fとほぼ同性能といえそうです。
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
低画質はレンダリングモード「DirectX11」で、「3D解像度」のみ100%に設定して検証。
Ryzen 5 5600Xの突出が目立ちますが、Core i5-11400Fと比べると着実にフレームレートが伸びやすくなっています。
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
こちらはレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えて試した結果です。
Core i5-12600Kには一歩届かない印象ですが、360以上の超・高フレームレートで安定します。
Apex Legends
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
Apex Legendsはカジュアルマッチを実際にプレイ。
近接での撃ち合いシーンを含めた、5分間の平均フレームレートを計測した結果です。
厳密な比較ではないものの、最高画質でも快適にプレイできました。
144Hzのモニターを使用しているなら、無理に画質を落とす必要はなさそうです。
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
低画質ならおおむね200以上をキープ。
平均240には届きませんでしたが、一部のプロゲーマーやガチ勢の方でない限り、十分快適にプレイできるでしょう。
VALORANT
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
VALORANTはプラクティスのスパイク解除モードで検証。
グラフィックが軽いこともあり、最高画質で400前後で安定していました。
実際のマッチ(スパイクラッシュ)でも240を下回ることはなく、非常に快適にプレイできます。
Rainbow Six Siege
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
レインボーシックスシージはベンチマークモードで検証した結果です。
ゲームとの相性が良いのか、Core i5-12600Kを上回っています。
筆者が購入したCore i7-11700Kは、ハズレ石だった可能性もありそうです。
モンスターハンターライズ
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
モンハンライズは体験版のオサイズチ討伐クエストをプレイ。
Core i5-12600KやRyzen 5 5600Xと同等レベルの性能を発揮できるようです。
最高画質でヌルヌル快適にプレイできます。
レイトレーシング性能
レイトレーシング対応ゲームの平均フレームレートも検証しました。
今回検証したのは以下の通り。
- WATCH DOGS LEGION
- FARCRY6
順にご紹介します。
WATCH DOGS LEGION
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
WATCH DOGS LEGIONは最高画質でベンチマークモードを走らせた結果です。
CPUの性能としてはCore i5-12600Kに劣るはずですが、なぜか高いスコアが出ています。
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
DXR ONでも快適にプレイできるようです。
FARCRY6
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
FARCRY6もベンチマークモードを使用。
こちらもCore i5-12600Kをわずかに上回ってしまいました。
RTX 3060 Ti Core i7-11700K | |
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RTX 3060 Ti Core i5-12600K | |
RTX 3060 Ti Core i5-12400F | |
RTX 3060 Ti Ryzen 5 5600X | |
RTX 3060 Ti Core i5-11400F |
DXR ONでも平均80以上をキープ。
ほとんどのゲームでCore i7-11700K以上のスコアを叩き出しています。
ゲーム実況・ライブ配信
Twitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低~中 |
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出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
配信中でもフレームレートはほとんど落ち込まず、スムーズに配信と録画ができました。
配信するゲームによって設定を変える必要はありそうですが、配信用PCとしても十分使えそうです。
アバター表示はやや厳しい
FaceRigを使用してアバターを表示させながら配信を試したところ、場面によって映像のカクつきが発生。
Core i5-12400FとRTX 3060で検証したときも激しいカクつきが発生していたため、GPUではなくCPUに原因がありそうに思います。
PC1台でVTuberとして活動するなら、CPUはCore i5-12600K以上を推奨します。
おすすめのBTOパソコン
Core i5-12400とRTX 3060 Tiを搭載したBTOパソコンをピックアップしました。
パソコン工房やG-Tuneでは、記事執筆時点でCore i5-12400搭載モデルの販売を確認できていません。
詳細は不明ですが、そのうちラインナップに追加されるものと思われます。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点の情報です。最新情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
ドスパラ
まずはドスパラが販売するGALLERIA RM5C-R36T。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-12400 |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | DDR4 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 183,280円~(消費税・配送料込) |
CPUは「F」つきではなく、内蔵GPUを搭載する無印のCore i5-12400が採用されています。
GALLERIAはライティング機能を標準搭載したケースと、業界最速レベルの超スピード納品が大きな魅力。
「すぐにゲーミングPCが欲しい!」
という方にとって、間違いなく有力候補になることでしょう。
パソコンショップSEVEN
こちらはパソコンショップSEVENが販売するZEFT G24CX。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-12400F |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | DDR4 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD 2TB HDD |
販売価格 | 219,780円~(消費税・配送料込) |
標準仕様の場合、マザーボードはASRockのB660M Pro RSが採用されているようです。
RGBファン搭載のケース(Sharkoon TG5 pro RGB)が使われており、光学ドライブや無線LANも標準搭載。
GALLERIAと比べるとやや高いものの、搭載されているパーツはなかなか豪華です。
ケースをはじめ、搭載パーツを細かくカスタムできるのがパソコンショップSEVENの魅力なので、価格はあくまで参考程度にご覧ください。
TSUKUMO
もうひとつはTSUKUMOで販売中のG-GEAR GA5J-F220/ZB。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-12400 |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | DDR4 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 222,000円~(消費税・配送料込) |
標準仕様だとGPUはRTX 3060ですが、RTX 3060 Tiにカスタマイズしています。
マザーボードはASUSのTUF GAMING Z690-PLUS WIFIを採用。
追加オプション無しで無線LAN、Bluetoothへの接続が可能です。
+13,200円でCPUをCore i5-12600Kにカスタマイズもできるのも魅力です。
Core i5でもボトルネック発生せず
筆者の経験上、グラボがRTX 3060 Tiの場合、11世代や10世代のCore i5ではCPUがボトルネックになっていました。
今回検証した限り、Core i5-12400Fならボトルネックにならないようです。
ベンチマークやゲームによってはCore i7-11700Kのスコアすら上回っており、Core i5とは思えないほどの性能アップです。
予算20万円前後で幅広く活躍するゲーミングPCを探しているなら、Core i5-12400FとRTX 3060 Tiの組み合わせは非常に有力な候補になりそうです。