レノボが販売するゲーミングPC、Legion 760をお借りしました。
機材貸出元:レノボ・ジャパン合同会社
16型と少し大きめのディスプレイに、Ryzen 9 5900HXとRTX 3080を搭載したハイエンドノートです。
人気ゲームでどれくらいフレームレートを出せるのか、詳しく検証しました。
レノボ Legion 760の概要と特徴
Legion 760がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
グラフィックの重いゲームも快適動作
165Hzの高リフレッシュレートに対応
カスタマイズ可能なRGBライティング
色域が広く動画や写真編集でも大活躍
OBSとの相性問題か配信が不可
持ち運ぶには大きくて重たい
Apex Legendsやフォートナイトなどのゲームで、どれくらいフレームレートを出せるのか知りたい!という方はこちらからご覧ください。
スペック
今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 9 5900HX |
GPU | RTX 3080 Laptop Radeon Graphics |
メモリ | 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 303,657円(消費税・配送料込) |
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
メモリやストレージも十分な容量が搭載されていて、動画編集などの用途でも活躍します。
残念ながら記事執筆時点ではすでに「在庫なし」となっていました。
Windows 11搭載モデルやRyzen 7 5800H搭載モデルも「残りわずか」となっており、売り切れの際はご容赦ください。
最安構成なら24万円台から購入可能です。
ゲーミングPCの仕様や価格、在庫状況は時期によって変動します。最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。
デザイン・大きさ
ここからはLegion 760のデザインをチェックしていきます。
いつものLegionといったデザインです。
マットな質感の天板に、控えめにロゴが配置されています。
底面は排熱のためにところどころメッシュ状になっています。
仕様上の寸法は356×261mm。
16型ということもあり、やや大きめです。
一般的なクリアファイルと比べると、二回りほど大きいです。
分厚さは23.5mm。
ビジネス用途の薄型ノートPCと比べると、少し厚みを感じます。
重量は実測で約2.5kgでした。
据え置きで使う分にはまったく気になりませんが、毎日持ち歩くのは少々つらい重さです。
ACアダプター
ACアダプターは300Wの高出力タイプが付属。
ハイスペックなCPUとGPUを搭載しているため仕方ありませんが、とても大きいです。
重量はケーブル込みで約1kgでした。
仕様上のバッテリー駆動時間は約2.9時間と非常に短く、基本的にACアダプターは必須と考えたほうが良いでしょう。
インターフェイス
ここからは各種インターフェイスを見ていきます。
- USB 3.1 Type-C
- マイク・ヘッドフォン
左右のインターフェイスは少なめです。
- 電子式プライバシーシャッター
- USB 3.0 Type-C
プライバシーシャッターをONにすると、Webカメラを強制的にOFFにすることが可能。
ライブ配信やオンライン会議などで、不意に室内を映してしまうことを防げて便利です。
- イーサネット・コネクター
- USB 3.1 Type-C
- USB 3.0
- HDMI
- 電源
背面のType-Cポートは外部モニターへの映像出力とPD充電に対応。
ただし一般的なPD充電器ではパワーが足りない可能性が高く、常用することはおすすめしません。
電源をONにすると、LEDでどこに何があるのかがわかりやすくなります。
キーボード
キーボードはテンキーを含む日本語配列84キー。
スペースキーやエンターキー周りがやや狭く感じますが、慣れればスムーズにタイピングできるでしょう。
電源ボタンの色で現在のモードを確認することが可能。
ゲームをするときは赤色のパフォーマンスモードがおすすめ。
「Fn」と「Q」のショートカットキーでモードを変えられますが、プリインストールされている専用アプリから変更することもできます。
パフォーマンスモードはファンの回転音がそこそこうるさいため、静かな場所で事務仕事などをするときは静音モードに切り替えたほうがよさそうです。
ゲーミングノートらしく、カラフルなバックライトも搭載。
CORSAIRのiCUEに対応しており、発光パターンなどをカスタマイズできます。
タッチパッドは一体型でさらさらとした質感です。
指紋認証などの機能は搭載されていません。
ディスプレイ
ディスプレイは16.0型のWQXGA(2,560×1,600)解像度。
一般的なノートPCのアスペクト比(16:9)と比べて、少しだけ縦に長い(16:10)のが特徴です。
リフレッシュレートは165Hzと高く、シューターゲームをヌルヌル動かせます。
720pのWebカメラも搭載。
側面に用意されているプライバシーシャッターをONにしておけば、強制的にカメラをOFFにできます。
画質や画角にこだわる方は、外付けのWebカメラを別途用意したほうが良いでしょう。
ディスプレイは最大でここまで開きます。
sRGBカバー率は約99%
ディスプレイの色域をi1 Display Proでチェックしたところ、sRGBカバー率は約99.2%、AdobeRGBカバー率が約77.7%でした。
ゲーミングノートとしては非常に色域が広いです。
Webデザインや写真のレタッチ、動画編集など、ちょっとしたクリエイティブ用途なら違和感なく使えるでしょう。
印刷を前提とした業務など、厳密に色を管理するにはカラーマネジメントモニターが必要です。
レノボ Legion 760のベンチマーク
ここからはLegion 760の性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。
いずれもパフォーマンスモードで検証しました。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試した結果がこちら。
ゲームはもちろん、ExcelやWordなどの事務作業、各種クリエイティブ用途もサックサクにこなせるスペックです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH
主なCPUをCINEBENCH R23のスコアで比較してみると以下の通り。
Core i7-12700K | |
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Core i7-11700K | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 5 5600X |
デスクトップ向けのCore i7-11700Kに迫るスコアです。
ノートPC向けのCPUとしては、記事執筆時点で間違いなくトップレベルの性能です。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RTX 3080 Laptop | |
RTX 2080 | |
RTX 3070 Laptop |
デスクトップ向けのRTX 3060 Tiと同等レベルの性能といえそうです。
Crystal Disk Mark
ストレージの転送速度をチェックしたところ、読み書きともに標準的なスコアでした。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
ハイエンドクラスのNVMe M.2 SSD(Gen4)なら、読み込み速度が7,000MB/sを超えるものもあります。
オンラインゲーム
定番ベンチマークソフトを、それぞれWQHDとフルHD解像度の設定で走らせました。
重量級ゲームのFF15はWQHDの高品質で「快適」、軽量品質で「非常に快適」という結果に。
FF14はWQHDの最高品質で「とても快適」でした。
グラフィックの重いゲームはフルHDでプレイしたほうがいいかもしれません。
FF15
高品質 | 7945(快適) |
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標準品質 | 10020(とても快適) |
軽量品質 | 12170(非常に快適) |
高品質 | 10103(とても快適) |
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標準品質 | 13586(非常に快適) |
軽量品質 | 15465(非常に快適) |
FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 14622(とても快適) |
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最高品質 | 18179(非常に快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
MSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートを計測しました。
いずれも解像度は1,920×1,080または1,920×1,200に設定して検証しています。
まずはフォートナイトとApex Legendsを最高画質と低画質、それぞれ試した結果がこちら。
最高画質 | 89fps |
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低画質 | 182fps |
最高画質 | 121fps |
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低画質 | 174fps |
フォートナイトの低画質は「3D解像度」のみ100%に設定して試した結果です。
レンダリングモードを「パフォーマンス」に変えると、フレームレートは280前後まで伸びます。
Apex Legendsは解像度を1,920×1,080に設定してプレイすると、画面が前後にガクガクする不具合が発生。
原因はよくわかりませんが、1,920×1,200ならおおむね安定して動かせました。
動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとより分かりやすいです。
そのほかのゲームはすべて最高画質で試しています。
Battlefield 2042 | 78fps |
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Call of Duty: Vanguard | 86fps |
Escape from Tarkov | 78fps |
VALORANT | 220fps |
Rainbow Six Siege | 201fps |
モンスターハンターライズ | 118fps |
マインクラフト | 79fps |
Battlefield 2042やタルコフのような重量級FPSゲームをプレイするなら、多少画質を落としたほうがよさそうです。
VALORANTとRainbow Six Siegeはグラフィックが軽く、最高画質で快適にプレイできました。
マイクラはMODやリソースパックを何も入れず、バニラの最高設定かつ描画距離24チャンクで試した結果です。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定しています。
WATCH DOGS LEGION | 58fps |
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Cyberpunk 2077 | 67fps |
FARCRY 6 | 61fps |
さすがはRTX 3080というべきでしょうか。
いずれもカクつきをほとんど感じることなく快適にプレイできました。
VRゲームの動作検証
Oculus Quest 2を専用ケーブルでつないで、PC用のVRゲームを実際に動かしてみました。
Oculus Linkにパフォーマンス低下の警告文が表示されましたが、問題なくプレイできました。
Half-Life: Alyxはグラフィックが重いため、最高画質では若干カクつきが発生。
少し画質を落としてプレイしたほうが良いでしょう。
Beat SaberはPCを使わずとも動かせる軽いゲームなので、最高設定でサックサクです。
ヘッドマウントディスプレイがあれば、VRゲームも快適に楽しめます。
ゲーム実況のライブ配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施です。
フォートナイトでいろいろ試してみましたが、どう頑張っても配信ができず。
録画はできるものの、Twitchに映像が流れないという不具合が発生。
搭載されているスペックを考えれば問題なく配信できるはずですが、エンコード設定などを変えても結果は変わりませんでした。
貸出機固有の不具合なのか、仕様上の相性問題なのかは不明です。
クリエイティブ用途の動作検証
続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。
動画素材をカットしてつなげたり、テロップや効果音を加える程度の編集なら、ストレスを感じることなくサクサク作業できます。
メモリが32GB搭載されていることもあり、4K動画の編集などもそこそこ頑張れそうです。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 16:19 |
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H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 9:22 |
搭載されているスペックを考えればもっと早く書き出せそうですが、一般的な薄型ノートPCと比べれば十分速いです。
ディスプレイの解像度が高く、16:10の縦に広い画面は動画編集とも相性が良いです。
LightroomでRAW現像
デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚をLightroomで書き出し。
主なCPUと結果を比較したグラフはこちら。
Ryzen 7 5800X | |
---|---|
Core i9-10885H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i7-10870H | |
Core i7-10750H |
ノートPC向けのCPUとしては素晴らしい書き出し速度です。
ディスプレイの色域も広く、写真編集用途でも活躍するでしょう。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
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画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
据え置き型のゲーミングノート
レビューのまとめとして、レノボ Legion 760の特徴をおさらいします。
グラフィックの重いゲームも快適動作
165Hzの高リフレッシュレートに対応
カスタマイズ可能なRGBライティング
色域が広く動画や写真編集でも大活躍
OBSとの相性問題か配信が不可
持ち運ぶには大きくて重たい
バトロワ系ゲームというよりFF14や原神などのMMOをはじめ、Cyberpunk 2077のようなグラフィック重視のゲームと相性が良いマシンという印象です。
WQXHD解像度の縦に広いディスプレイはクリエイティブ用途とも相性が良く、動画編集用のハイスペックノートを探している方にもおすすめです。
自宅や職場などで据え置きで使うハイスペックノートPCを探している方は、レノボのLegion 760を検討してみてはいかがでしょうか。