ASUSが販売するグラフィックカード、ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMINGをお借りしました。
このページでは、定番のベンチマークソフトや各種ゲームで検証したRX 6600 XTの性能について詳しくまとめています。
ゲーミングPCやグラボの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING
まずはグラボのスペックやデザインなど、基本的な情報からお伝えします。
「そんなことよりベンチマークスコアが見たい!」
という方はこちらをご覧ください。
主なスペック
まずは主なスペックを表にまとめました。
ビデオメモリ | 8GB(GDDR6) |
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ストリームプロセッサ | 2,048 |
コアクロック | OC mode: 2607 MHz (Boost Clock)/2448 MHz (Game Clock) Gaming mode: 2607MHz (Boost Clock)/2428 MHz (Game Clock) |
メモリバス幅 | 128bit |
メモリクロック | 16Gbps |
占有スロット | 2.6 |
補助電源 | 8ピン ×1 |
サイズ | 243×134×52mm |
アークオンラインストアでは税込67,800円で販売されていたようですが、記事執筆時点では在庫切れの状態。
筆者が確認した限り、主なネットショップは全滅でした。
GPU-Zの情報は以下の通り。
もっと詳しいスペックを知りたい方は、ASUSの公式サイトをご確認ください。
GPU Tweak II
GPU Tweak IIという無料アプリをインストールすると、グラボのモードチェンジが可能。
- OC mode
- Gaming mode
- Silent mode
出荷状態では「Gaming mode」になっていますが、「OC mode」に変えるとブーストクロックが若干上がります。
メモリークロックやGPUコア電圧などもいじれますが、オーバークロックは故障やトラブルを引き起こすリスクもあるため、こだわりがなければ手を出さないほうが無難です。
GPU Tweak IIはASUS公式サイトからダウンロードできます。
vBIOSの切り替え
ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMINGには物理スイッチが用意されていて、PモードとQモードへ簡単に切り替えが可能。
Qモードは省電力かつ静音を重視したモードのようで、ファンの回転音が若干静かになります。
ゲームがメインならPモードでの使用をおすすめします。
デザイン
ROGらしい個性的なデザインで、とてもカッコ良いです。
ツインファンで一見コンパクト見えますが、2.6スロット占有と分厚いこともあり、ずっしりとした存在感があります。
Mini-ITXなどのコンパクトなケースに組み込む際は、高さに要注意。
補助電源は8pin×1。
マザーボードに接続して電源を入れると、ROG STRIXの文字が発光します。
ミドルクラスのグラボながら、デザインにもこだわりが感じられて、とても満足感が高いです。
出力端子
出力端子は以下の通り。
- HDMI ×1
- DisplayPort ×3
最大4画面まで出力可能で、最大解像度は7,680×4,320(8K)に対応。
USB Type-Cは非搭載です。
RX 6600 XTのベンチマーク結果
ここからは定番ベンチマークソフトをはじめ、人気ゲームでRX 6600 XTの性能を細かくチェックしていきます。
グラボは「Gaming mode」で検証。
グラボ以外のパーツ構成は以下の通り。
CPU | Intel Core i7-11700K |
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マザーボード | MSI MPG Z590 GAMING CARBON WIFI |
メモリ | 32GB(DDR4-3200、16GB×2) CORSAIR VENGEANCE LPX Series |
電源 | CORSAIR HX1200i(80PLUS PLATINUM) |
CPUは定格で動かしています。
メモリは32GB(16GB×2)積んでいますが、ゲーム用途なら基本的に16GB(8GB×2)あれば十分。
メモリクロックは2,933MHz(Gear1)に設定しました。
Core i9やRyzen 9など、最新世代のハイエンドCPUを使えば全体的にもう少しスコアが伸びると思われます。
いずれも筆者のPCで検証した結果です。あくまで参考程度にご覧ください。
3D Markのスコア
まずは超定番、3D Markの各種ベンチマークを試した結果がこちら。
Time Spy
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
RTX 3060と比べて8%ほどスコアがアップ。
RTX 3060 Tiとはそこそこ大きな差があります。
Fire Strike
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
Fire StrikeはRTX 3060から12%ほどスコアが上がりました。
Port Royal
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
レイトレーシングの性能をチェックするPort Royalでは、RTX 3060のスコアに届きませんでした。
まだレイトレーシングはGeForceに分があります。
定番ベンチマークのスコア
FF15とFF14(暁月のフィナーレ)のベンチマークソフトを、それぞれフルHDの最高設定で走らせました。
いずれも順当なスコアといえそうです。
FF15
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
RX 6600 XTでは「とても快適」という結果に。
グラフィックの重いゲームも、そこそこ動かせます。
FF14 暁月のフィナーレ
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
FF14はグラフィックが軽めということもあり、「非常に快適」でした。
人気ゲームのフレームレート
ここからは実際に人気ゲームをプレイして、フレームレートの平均値を算出しました。
今回検証したのは以下の通り。
- フォートナイト
- Apex Legends
- VALORANT
- Rainbow Six Siege
- Escape from Tarkov
- モンスターハンターライズ
それぞれ順にご紹介します。
フォートナイト
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
フォートナイトはリプレイ機能を使用し、撃ち合い中のシーンを含む、同一場面の平均フレームレートを計測した結果です。
RX 6600 XTは最高画質でも100以上で安定します。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
低画質はレンダリングモード「DirectX11」で、「3D解像度」のみ100%に設定して検証。
平均値は200を超えますが、RTX 3060と比べるとやや見劣りします。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
こちらはレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えて試した結果です。
240以上出ていれば実用上は十分ですが、RX 6600 XTはGeForceと比べて低画質のフレームレートが伸びづらい印象です。
フォートナイトは場面によってフレームレートが大きく変動するので、計測タイミングが変わるともう少し結果が変わる可能性もあります。
Apex Legends
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
Apex Legendsはカジュアルマッチを実際にプレイ。
近接での撃ち合いシーンを含めた、5分間の平均フレームレートを計測した結果です。
このゲームもフレームレートの変動が非常に激しく、今回の検証ではRTX 3060 Tiがもっとも高いスコアでした。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
画質を落とすとRX 6600 XTも144以上で安定します。
非戦闘中であれば、全体的にもう少しフレームレートは伸びます。
VALORANT
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
VALORANTはプラクティスのスパイク解除モードで検証。
グラフィックが軽いこともあり、最高画質で240以上のフレームレートを出せますが、実際のマッチでは多少変動すると思われます。
Rainbow Six Siege
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
レインボーシックスシージはベンチマークモードで検証した結果です。
RTX 3060のスコアに一歩届きませんでしたが、十分すぎるスコアです。
Escape from Tarkov
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
タルコフは日中の「WOODS」にスポーンし、林の中を走り回った際のフレームレートを計測。
今回の検証では、ほとんど差が出ませんでした。
モンスターハンターライズ
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
モンハンライズは体験版のオサイズチ討伐クエストをプレイ。
Radeonと相性が良いのか、RTX 3060 Tiより高いスコアが出ました。
最高画質で快適にプレイできます。
レイトレーシング性能
レイトレーシング対応ゲームの平均フレームレートも検証しました。
ゲームによってスコアが大きく変わるため、相性や最適化の問題があるように思います。
Bright Memory RTX Benchmark
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
以下の設定で試したときの平均フレームレートです。
- 解像度:フルHD
- RTX Quality:Very High
- DLSS:Quality
RX 6600 XTはDLSSに対応していないため、DLSSの項目を選択できません。
Port Royalのスコアも伸び悩みましたが、RTX 3060の半分以下のスコアです。
WATCH DOGS LEGION
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
WATCH DOGS LEGIONは最高画質でベンチマークモードを走らせた結果です。
DXR OFFなら最高画質で快適にプレイできます。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
DXR ONでは平均フレームレートが一桁という結果に。
何度か試しましたが、ほとんどスコアは変わりませんでした。
これではまともにゲームを動かせません。
FARCRY6
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
FARCRY6もベンチマークモードを使用。
ゲームとの相性が良いのか、DXR OFFならRTX 3070より高いスコアが出ました。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
FARCRY6ならDXR ONでも快適にプレイできるようです。
ゲーム起動時にRadeonのロゴマークが表示されることもあり、ゲーム自体がRadeonに最適化されているものと思われます。
ゲーム実況・ライブ配信
Twitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低~中 |
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出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(AMD) |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(AMD) |
ゲームによって最適な設定は変わりますが、PC1台で快適にライブ配信が可能です。
ゲームプレイ中の消費電力
Apex LegendsをフルHDの最高画質でプレイし、検証用PC全体の平均消費電力を計測しました。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 |
これはCORSAIRの「iCUE」を使用し、HX1200iの電源入力ログを5秒間隔で5分間取得した結果です。
わずかな差ではあるものの、RTX 3060の消費電力を下回りました。
AMDの公式サイトによると、RX 6600 XT搭載マシンの推奨電源は500Wとされていますが、たしかに500Wあれば十分といえそうです。
搭載するCPUやその他パーツによって最適な電源容量は多少変動します。
RX 6600 XTのレビューまとめ
ベンチマークのスコアはおおむねRTX 3060を上回りましたが、実際にゲームを動かしてみると性能差はほぼ互角といったところ。
消費電力も加味すると、コストパフォーマンスという点ではRX 6600 XTがやや上でしょうか。
レイトレーシングはゲームによる差が激しいため、最新ゲームの映像美を楽しみたいならGeForceを選んだほうが無難に思います。
フォートナイトやVALORANTなどのシューターゲームがメインなら、有力候補として考えてよいでしょう。
動画にもまとめているので、よろしければあわせてご覧ください。
予算や求める性能に合わせて、納得のいくグラフィックカードを選んでください。