Logicool G 公認サポーターとしてのレビュー第9弾、8月27日発売予定のPRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットを提供いただきました。
PRO Xヘッドセットの性能はそのままに、Logicoolの強みであるLIGHTSPEEDに対応したワイヤレス版。
音声の遅延やホワイトノイズを感じさせない、非常に完成度の高いワイヤレスヘッドセットに仕上がっています。
極上のゲーミングヘッドセットを探しているPCゲーマーの方は、ぜひご覧ください。
PRO X ワイヤレスヘッドセットの概要
PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットの主な特徴を整理すると以下の通り。
バランスの良いクリアなサウンド
遅延やノイズのないワイヤレス
20時間以上持つ長持ちバッテリー
ゲーム実況でも十分使えるマイク
ソフトウェアでカスタマイズ可能
Windows PCでの利用が前提
スペックやデザインなど、順にご紹介します。
主なスペック
PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットの主なスペックをまとめました。
形式 | 密閉型 |
---|---|
重量 | 370g |
ケーブル長 | 1.8m(充電用) |
ドライバー | ハイブリッドメッシュPRO-G 50mm |
出力音圧レベル | 91.7dB |
再生周波数帯域 | 20~20,000Hz |
インピーダンス | 32Ω |
マイク指向性 | カーディオイド(単一指向性) |
販売価格 | 22,700円前後 |
ヘッドホンの音質を大きく左右するドライバーは、有線版と同じくPRO-G 50mmを搭載。
ハイブリッドメッシュ構造により、クリアで正確なサウンドを実現しています。
記事執筆時点でのAmazonの予約価格は22,700円。
Logicool Gブランドで販売しているゲーミングヘッドセットとしては、もっとも高額です。
より詳しいスペックは、Logicoolの公式サイトでご覧ください。
主な付属品
パッケージ内容は以下の通り。
- ヘッドセット本体
- 交換用イヤーパッド
- USBアダプター
- 着脱式マイク
- 充電ケーブル
- キャリングケース
- 取扱説明書、保証書類
キャリングケースは厚手のしっかりとした素材が使われているため、持ち運ぶ際に役立ちます。
着脱式のマイクはウィンドスクリーン付きで、角度や位置を自由に調整可能。
マイク不要派の方も多いですから、取り外せるのは便利です。
ワイヤレスで使うために必須のUSBアダプター。
仕様上はWindows7以降で使用可能となっています。
紛失に要注意。
充電用のケーブルはパソコン側がUSB Type-Aで、ヘッドセット側はType-C。
Androidスマホなど、USB Type-Cの充電ケーブルを使っている方なら、そのまま代用可能。
モバイルバッテリーからも充電できました。
充電中は緑色のランプが点滅。
パソコンからバッテリー残量をチェックせずとも、充電状況が一目でわかります。
開封時は合皮のイヤーパッドが装着されていますが、交換用のイヤーパッドも付属。
ふわふわとしたベロア素材で肌触りが良く、合皮タイプより通気性に優れています。
見た目の高級感や密閉感の高さで選ぶなら合皮ですが、付け心地で選ぶならベロアがおすすめ。
好みで選びましょう。
外観・デザイン
ここからはPRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットのデザインを見ていきます。
PROの名に恥じない、高級感のあるデザインです。
いい意味でゲーミングデバイスっぽさがなく、非常にカッコいい。
フォークはアルミ製で強度もばっちり。
目盛りがあるため、左右のサイズ調整もしやすいです。
本体左側には充電用のUSB Type-Cポートをはじめ、電源やボリューム、マイクのON/OFFを切り替えるボタンがあります。
パソコンの設定をいじらずとも、デバイス上で音量を調整できるのはとても便利。
ヘッドセット装着時に電源やマイクのスイッチを操作すると、効果音がなります。
装着したイメージはこちら。
重量は370gとゲーミングヘッドセットとしては少し重めですが、実際につけてみるとそこまで重さは感じません。
側圧も控えめなので、長時間つけても耳が痛くなりにくいです。
マイクのON/OFFはワンタッチで切り替えられますが、ボイスチャットなどを使わない方はマイクを外しておいたほうがよいでしょう。
ヘッドバンドにもうっすらとPROの文字が刻印されています。
G HUBで各種設定のカスタマイズ
PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットは、専用ソフトウェアのG HUBに対応。
サラウンドサウンドをはじめ、各種機能をカスタマイズするにはG HUBが必須なので、必ずインストールしましょう。
G HUBはLogicoolの公式サイトからダウンロードできます。
音質のカスタマイズ
G HUBを立ち上げると、サラウンドサウンドのON/OFFを選択できます。
FPSやTPSなど、バトロワ系ゲームで遊ぶならサラウンドサウンドをONにしましょう。
単に音を響かせているだけのようなサラウンドシステムもありますが、PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットは定位感がアップ。
銃声や足音の方向、距離感がつかみやすくなります。
サラウンドサウンドは部屋名(プリセット)を選択できますが、ゲーム用途がメインなら「ゲーミング」でよいでしょう。
エンターテインメントやスポーツを選ぶと、音のバランスが少し変わったように感じます。
DTSスーパーステレオモードはステレオ音源用のプリセット。
フロントからワイドに変えると、少し離れた場所から音がなっているように聞こえる仕組み。
ゲーム用途がメインならオフのままで問題なさそう。
イコライザーの設定
サラウンドサウンドのON/OFFだけではなく、イコライザーのカスタマイズも可能。
FPSやMOBAなど、ゲームのジャンルや用途ごとにプリセットが用意されています。
音質にこだわりたい方は、オリジナルのイコライザーを作ることも可能。
ゼロから作るのは少々大変なので、既存のプリセットをベースに味付けしてくのがおすすめです。
イコライザーはゲーム単位で設定することも可能。
FPSやTPSゲームはタイトルによって足音や環境音が大きく異なりますから、ゲームに合わせて最適な設定を探りましょう。
マイクのカスタマイズ
PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットの大きな強みは、マイク性能の高さ。
BLUE VO!CEのマイクテクノロジーに対応していて、リアルタイムで音声をアレンジ可能。
ノイズ除去機能も優れていて、音声はクリアに拾いながらもキータイプ音やマウスのクリック音などはしっかり防いでくれます。
ゲーム実況や動画配信はもちろん、Web会議など幅広い用途で活躍すること間違いなし。
BLUE VO!CEの設定でマイクの音質がどのように変化するのか、1分ほどの動画にまとめたので実際に聞いてみてください。
既存のプリセットでも十分楽しめますが、人気のプリセットをダウンロードすることも可能。
世界中のPRO Xヘッドセットユーザーが作成したプリセットが公開されているので、気になるものが見つかったらぜひ試してみてください。
電源の自動OFF設定
G HUBから電源の自動OFFも設定可能。
パソコンから離れる際はヘッドセット本体の電源ボタンをOFFにするのが望ましいですが、急いでいたり、忘れてしまうこともあります。
15分や30分で電源がOFFになるようにしておけば、「使おうと思ったらバッテリーが切れてた!」という悲劇を避けられます。
こまめに充電するのは誰だって面倒ですから、バッテリーを無駄に消費しないように工夫しましょう。
各種ゲームでテストした結果
ここからは実際に各種ゲームでPRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットを使用した感想をまとめていきます。
PCゲーマーはこれを持っておけば間違いない、と断言できるほど素晴らしい性能でした。
各種ゲームはいずれもPCでプレイした感想です。音の聞こえ方は個人差があるので、あくまで参考程度にお考え下さい。
遅延なしノイズなしの高音質
ワイヤレスヘッドセットは音の遅延(ラグ)が発生したり、無音状態でサーッというホワイトノイズが発生するものもあり、使用前は少々心配していました。
音の聞き分けが重要なFPS、TPSゲームでチェックしたところ、筆者の心配は杞憂だったとすぐに判明。
ワイヤレス通信の仕組み上、わずかなラグは発生しているものと思われますが、さすがはLIGHTSPEEDというべきか、体感ではほぼゼロ。
有線版とまったく変わらない感覚でゲームをプレイできます。
ロード中などの無音状態でもノイズはほとんど聞こえず、ほんとうにワイヤレスなのか疑ってしまうレベル。
音質の良さも文句のつけようがなく、足音や銃声などが上下左右どこからなっているか、どれくらい離れているかとてもわかりやすいです。
イコライザーは「FPS」で試しましたが、必要以上に低音を強調せず、定位を明確にしつつも各音域のバランスを保っている印象です。
格闘ゲームやアクションジャンルも試してみましたが、ワイヤレスによる違和感はまったくなし。
動作範囲は最長15mなので、ワイヤレスゲームパッドで操作すれば、ベッドに寝転がりながら快適にゲームをする、なんてことも実現可能。
飲み物を取りに行ったり、トイレで席を立ったり、ケーブルを気にせず自由に動き回れるのはすさまじく快適です。
ゲーム実況で使えるマイク音質
ゲーミングヘッドセットのマイクは性能がイマイチなものが多く、オーディオインターフェースなどを使わないと、まともに聞き取れないものも少なくありません。
その点、PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットはゲーム実況や動画配信で違和感なく使用可能。
無理に大きな声を出さなくとも、マイクがしっかり声を拾ってくれていますし、マウスとキーボードのカチャカチャ音を抑えてくれるのもポイント。
本格的なコンデンサーマイクと比較されるとさすがに厳しいですが、ゲーミングヘッドセットのなかで比較するなら間違いなくトップクラスのマイク性能です。
ボイスチャットを多用する方、ヘッドセット単体でゲーム実況がしたい方も安心して使えます。
PC以外で使うなら有線版を検討
PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットはほぼ完ぺきなゲーミングヘッドセットに思えますが、Windows PCでしかポテンシャルを最大限発揮できないのが弱点。
PS4やSwitchでもワイヤレス接続はできるようですが、BLUE VO!CEなどの各種機能は使えません。
一般的な3.5mmステレオミニプラグで接続できず、Bluetoothも非搭載なので、スマホや各種オーディオ機器への接続も不可能。
パソコン以外で使うことがメインなら、有線版のPRO Xゲーミングヘッドセットのほうが相性が良いでしょう。
筆者が試した限り、音質やマイク性能はワイヤレスと有線版で差はありません。
有線版にはスマホ用のケーブルも付属しているため、コンソール機やスマホなど、幅広い用途で活躍します。
イコライザーのカスタマイズやBLUE VO!CEなどの各種機能は、有線版でもG HUBをインストールしたPCでしか使えません。
ワイヤレスヘッドセットの到達点
レビューのまとめとして、最後にもう一度PRO X ワイヤレスゲーミングヘッドセットの特徴をおさらいします。
バランスの良いクリアなサウンド
遅延やノイズのないワイヤレス
20時間以上持つ長持ちバッテリー
ゲーム実況でも十分使えるマイク
ソフトウェアでカスタマイズ可能
Windows PCでの利用が前提
ワイヤレスの弱点であるラグやノイズを感じさせず、有線版と変わらない音質・マイク性能を実現。
デザインも高級感がありますし、満足度は星5つ。
定期的に充電する手間からは逃れられないものの、ワイヤレスヘッドセットのひとつの到達点といえるでしょう。
2万円越えとゲーミングデバイスとしては高額ですが、十二分に価値を実感できる仕上がりです。
極上のゲーミングヘッドセットを探しているPCゲーマーの方は、ぜひ試してみてください。