日本HPが販売するゲーミングPC、OMEN 16(2022年8月発表)をお借りしました。
機材貸出元:株式会社日本HP
Core i5-12500HとRTX 3060 Laptopを搭載し、ディスプレイのリフレッシュレートは144Hzに対応。
幅広いゲームを快適に動かせるミドルスペックマシンです。
ノートでもデスクトップ並みにゲームをやりこみたい方は、ぜひご覧ください。
OMEN 16(インテル)の概要
OMEN 16がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
16.1インチの大画面でゲームを楽しめる
デスクトップに匹敵するパワフルな性能
144Hzの高リフレッシュレートに対応
毎日持ち歩くには大きくて重たい
ゲーム起動中のファンがうるさい
基本的なスペックからケースの構造、実際に人気ゲームを動かして計測したフレームレートまで、順に詳しくご説明します。
スペック
今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Core i5-12500H |
GPU | RTX 3060 Laptop |
メモリ | 16GB (8GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD Gen4 |
販売価格 | 199,000円(消費税・配送料込) |
CPUにCore i7-12700Hを搭載したパフォーマンスモデルや、RTX 3070 Ti Laptop Max-Qを搭載したパフォーマンスプラスモデルも販売中。
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
メモリとストレージも必要十分な容量を搭載。
動画編集などの用途でも活用するならもう少し容量を増やしたくなりますが、注文時のカスタマイズには対応していません。
PCの仕様や価格は時期によって変動します。最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。
クーポンでお得に買える
当サイトで公開しているクーポンを利用すると、OMEN 16を割引価格で購入可能です。
クーポンの使い方は以下の記事にまとめているので、ぜひご活用ください。
ゲーミング福袋でさらにお得
2023年1月19日までの期間限定で、ゲーミングPCの福袋が販売中です。
機種名はシークレットになっているものの、搭載スペックから察するにOMEN 16と思われます。
7%オフクーポンを適用した価格(消費税と送料込)は以下の通り。
CPU | Core i7-12700H | |||
---|---|---|---|---|
GPU | RTX 3060 | RTX 3070 Ti | ||
メモリ | 16GB | |||
ストレージ | 512GB SSD | 1TB SSD | ||
ディスプレイ | 16.1インチ・FHD | 16.1インチ・QHD | ||
Office | – | 〇 | – | 〇 |
マウス | HyperX Pulsefire Haste | |||
販売価格 | 185,889円 | 232,389円 | 210,441円 | 256,941円 |
今回レビューしたモデルに1,000円ほど追加するだけで、CPUをCore i7-12700Hにアップグレードできるため、非常にお得です。
ハイスペックなゲーミングノートを探している方は、福袋を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
OMEN 各種の実機レビュー
デスクトップの45Lや40L、25Lも実機をお借りして、性能面などを詳しくレビューしています。
あわせてご覧いただくと、性能のちがいがよりわかりやすいです。
デザイン・大きさ
ここからはOMEN 16のデザインをチェックしていきます。
マットな質感の天板にOMENのロゴのみというシンプルなデザイン。
電源ONの状態でもOMENのロゴが光ったりはせず、ビジネスの場でも違和感なく使えます。
仕様上の大きさは369×248mmで、16インチながら一昔前の15.6インチとサイズ感はほとんど変わりません。
一般的なクリアファイルと比較すると、二回りほど大きいです。
底面は排熱のために大半がメッシュ状になっています。
ゲーミングノートにとってケース内部の冷却は非常に重要なので、吸排気部分をふさがないように要注意です。
高さは約23mm。
小さめのビジネスバッグだと入りきらない可能性があるため、持ち運ぶつもりの方は事前にサイズを確認しておくことをおすすめします。
重量は実測で約2.4kgでした。
据え置きで使う分には気になりませんが、毎日持ち歩くにはやや勇気が必要です。
ACアダプター
ACアダプターは280Wの高出力タイプが付属。
デスクトップと肩を並べるほどの性能があるため仕方ありませんが、ノートPCに付属するACアダプターとしてはかなり大きめです。
重量はケーブル込みで約790g。
仕様上のバッテリー駆動時間は最大6.5時間とそれなり。
ちょっとした事務作業程度なら、バッテリーだけで2~3時間はこなせそうです。
ただし、PCゲームはは消費電力が激しいため、基本的にACアダプターは必須と考えたほうが良いでしょう。
ACアダプターとPCを常に持ち歩く場合、重量は3kgを超えます。
インターフェイス
ここからは各種インターフェイスを見ていきます。
まずは本体の左側から。
- USB Type-A 5Gbps
- ギガビットLAN
- マイク・イヤホンコンボジャック
- SDカードリーダー
Wi-Fi 6E対応とBluetooth 5.3も標準搭載していますが、有線LANでもインターネットに接続が可能。
オンラインの対人ゲームも快適にプレイできます。
インターネットの通信速度や安定性は、使用するルーターや契約されている回線など、ご家庭の通信環境によって変動します。
- USB Type-A 5Gbps ×2
右側はType-Aポート2つのみと、あっさりしています。
- 電源
- HDMI 2.1
- Thunderbolt 4 with USB 4 Type-C ×2
背面のType-Cポートは最大40Gbpsの超高速データ通信に対応。
別売りのドッキングステーションなどを活用できるのはもちろん、映像出力にも対応しており、とても便利です。
最大100WまでのPD充電にも対応していますが、あくまで補助的なものとして考えたほうが良いでしょう。
PCゲーム起動中は消費電力が軽く100Wを超えるため、PD充電では本来のパフォーマンスを発揮できません。
外出中にちょこっと事務仕事をこなす程度ならPD充電で問題なさそうですが、PCゲームで遊ぶときはACアダプターが必須です。
キーボード
キーボードはテンキーレスの日本語配列。
実用上の問題は何もありませんが、薄型ノートPCにありがちなペタペタとした打鍵感で、心地よさという点ではやや劣ります。
電源ボタンの位置がややトリッキーに感じるものの、それ以外は目立ったクセがなく、違和感なくタイピングができそうです。
バックライトは専用ソフトウェアのOMEN Gaming Hubからカスタマイズが可能。
ライティングエリアが4か所に分かれており、任意の色を設定できます。
七色に光らせるなど、細かいカスタマイズには対応していません。
もちろんライティングはOFFにもできます。
タッチパッドはかなり広く作られていて、一体型でさらさらとした質感です。
タッチジェスチャーに対応していますが、指紋認証などの機能は非搭載です。
ディスプレイ
ディスプレイは16.1インチのフルHD(1,920×1,080)解像度で、リフレッシュレートは144Hz。
RTX 3070 Ti Laptop Max-Qを搭載したパフォーマンスプラスモデルは、QHD(2,560×1,440)解像度で165Hzに対応しています。
ふちの薄いナローベゼル仕様かつ、ノングレア(非光沢)のIPSパネルでとても見やすいです。
テュフ・ラインランド Eyesafe認定ディスプレイで、目に優しい設計になっているそう。
約92万画素のWebカメラも搭載しており、オンライン会議や顔出しでのライブ配信などで使えます。
画質や画角にこだわる方は、外付けのWebカメラを別途用意したほうが良いでしょう。
ディスプレイは最大でここまで開きます。
sRGBカバー率は約97.4%
ディスプレイの色域をi1 Display Proでチェックしたところ、sRGBカバー率は約97.4%、AdobeRGBカバー率が約74.0%でした。
sRGB比は約100%と、ゲーミングノートとしては非常に広い色域です。
動画や写真の編集、イラストなどの用途でも活躍してくれることでしょう。
ゲーミングマウスが付属
記事執筆時点では、HP公式サイトでOMEN 16を購入すると、有線ゲーミングマウスのHyperX Pulsefire Hasteが付属します。
ハニカムシェル構造で59gの超軽量を実現。
ケーブルはパラコード素材で動かしやすく、入門用としてはもちろん、PCゲームをやりこみたい方にもおすすめなゲーミングマウスです。
グリップテープも付属しており、自分好みにカスタマイズも可能。
写真は筆者が購入したものですが、カラバリのホワイトも選択できるとのこと。
ゲーミングノートでゲームをやるならマウスは必須ですから、セットになっているのはとてもお得です。
ゲーミングマウスのセットがいつまで続くかは不明です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
OMEN 16(インテル)のベンチマーク
ここからはOMEN 16の性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。
いずれもOMEN Gaming Hubでパフォーマンスモードを選択、ディスクリートGPU(RTX 3060 Laptopのこと)を使用するように設定して計測しました。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試した結果がこちら。
PCゲームはもちろん、写真や動画の編集、事務仕事など、あらゆる用途をサクサクこなせる素晴らしいスコアです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R23
主なCPUをCINEBENCH R23のスコアで比較してみると以下の通り。
Core i7-12700F | |
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Core i7-11800H | |
Core i5-12500H | |
Core i5-12400F | |
Core i5-11400F |
前世代のノートPC向けCore i7と肩を並べるスコアで、わずかながらデスクトップ向けのCore i5-12400Fを超えていました。
ノートPC向けのCore i5で、ここまでスコアを伸ばせるのは素晴らしいです。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3070 Ti Laptop | |
RTX 3060 Laptop | |
RTX 3060 | |
RTX 3050 |
デスクトップ向けのRTX 3060と肩を並べるスコアです。
通常、Laptop版は10%前後スコアが落ちるものですが、ここまで高いスコアは初めて見ました。
極端に重いゲームを除けば、ほとんどのゲームを高画質でサクサク楽しめるスコアです。
Crystal Disk Mark
Gen 4対応のNVMe M.2 SSDが搭載されており、素晴らしい転送速度です。
書き込みはややスコアが落ちているものの、実用上気になることはほとんどないと思われます。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen 5) | 10,000MB/s |
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NVMe M.2 SSD (Gen 4) | 4,000~7,000MB/s |
NVMe M.2 SSD (Gen 3) | 2,000~3,000MB/s |
SSD(SATA) | 550MB/s |
HDD | 120~160MB/s |
オンラインゲーム
定番のベンチマークソフトをフルHD解像度の設定で走らせました。
重量級ゲームのFF15が最高画質で「とても快適」、FF14は「非常に快適」という結果でした。
グラフィックの重いゲームをプレイするなら、多少画質を調整したほうがよさそうです。
FF15
高品質 | 9638(とても快適) |
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標準品質 | 12908(非常に快適) |
軽量品質 | 15819(非常に快適) |
FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 19432(非常に快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
MSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートを計測しました。
フォートナイトはチャプター4でグラフィック設定が大幅に変更。
今回はアンチエイリアスを「TSR最高」、超解像技術は「ネイティブ」に設定しています。
最高画質(DX11) | 78fps |
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競技設定(DX11) | 136fps |
競技設定(パフォーマンス) | 276fps |
DirectX 11のままでも快適にプレイできますが、フレームレートの高さにこだわる方はパフォーマンスモードがおすすめです。
まれにカクつきを感じる場面もありましたが、PCではなくゲーム側の問題と思われます。
ある程度真剣にやりこみたい方も、十分納得できる性能といえそうです。
最高画質 | 158fps |
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低画質 | 223fps |
Apex Legendsは最高画質でも平均値は150前後で安定。
撃ち合い中は瞬間的にフレームレートが落ち込む場面もあるため、少し画質を落としてプレイするのがよさそうです。
そのほかのゲームはすべて最高画質で検証した結果です。
Overwatch 2 | 165fps |
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CoD:MW2 | 73fps |
Escape from Tarkov | 86fps |
VALORANT | 312fps |
Rainbow Six Siege | 258fps |
モンスターハンターライズ | 146fps |
CoD:MW2は極限設定だと70前後しか出ませんが、推奨設定に変えると平均130前後までフレームレートが伸びます。
Overwatch 2やVALORANT、Rainbow Six Siegeなどはグラフィックが軽く、最高画質のままサクサク楽しめました。
ゲーム起動中はファンの回転音が60dBを超えることも多く、イヤホンやヘッドセットは必須です。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定し、ベンチマークモードで計測しています。
Marvel’s Spider-Manにはベンチマークモードがないため、街並みを飛び回った際の平均値を計測しました。
Cyberpunk 2077 | 53fps |
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WATCH DOGS LEGION | 31fps |
FARCRY 6 | 76fps |
Marvel’s Spider-Man Remastered | 75fps |
Forza Horizon 5 | 52fps |
WATCH DOGS LEGIONのような極めて重いゲームを最高画質でサクサク動かすには、完全にパワー不足。
レイトレーシングをOFFにしたり、画質を少し落とせばカクつきを感じることなく動かせます。
ゲーム実況の動画配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施です。
Apex Legendsでいろいろ試した結果、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低 |
---|---|
出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ソフトウェア |
配信&録画中はゲームのフレームレートが若干落ちるものの、プレイに支障が出るほどではありません。
また、マイクがファンの回転音を拾ってしまうため、配信に力を入れるならノイズキャンセリングに対応したマイクの活用をおすすめします。
クリエイティブ用途の動作検証
続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。
ゲーム以外の用途で活躍してくれます。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。
動画素材をカットしてつなげたり、テロップや効果音を加える程度の編集なら、ストレスを感じることなくサクサク作業できます。
16.1インチの大きめのディスプレイは、動画編集でも使いやすいです。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 7:22 |
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H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 6:57 |
一般的な薄型ノートパソコンだと40分以上かかることもザラなので、なかなかのスピードです。
LightroomでRAW現像
デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は1分22秒でした。
ノートPCとしては素晴らしい書き出し速度です。
持ち歩くには大きくて重たいものの、ディスプレイの色域も広く、写真が趣味の方にも使いやすいマシンといえそうです。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
騒音は大きいが性能はデスクに匹敵
レビューのまとめとして、OMEN 16の特徴をおさらいします。
16.1インチの大画面でゲームを楽しめる
デスクトップに匹敵するパワフルな性能
144Hzの高リフレッシュレートに対応
毎日持ち歩くには大きくて重たい
ゲーム起動中のファンがうるさい
家庭の都合でどうしてもデスクトップを設置できない方にとって、非常に魅力的なゲーミングノートではないでしょうか。
毎日PCを持ち歩きたい方にはおすすめしづらいものの、自宅で据え置きで使う分には問題ありません。
性能面は同クラスのデスクトップに匹敵するレベルで、幅広いゲームをサクサク快適に楽しめます。
動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
記事執筆時点では36回まで分割手数料が無料で、ゲーミングマウスのHyperX Pulsefire Hasteもおまけでついてくるそう。
ゲーム以外の用途でも幅広く使えるゲーミングノートを探している方は、日本HPのOMEN 16を検討してみてはいかがでしょうか。