Lenovoのゲーミングノート、Legion Y540(15)をお借りしました。
機材貸出元:レノボ・ジャパン合同会社
144Hzの高リフレッシュレート対応モニターを搭載した15.6型のノートパソコンで、最安構成なら125,268円~という高コスパモデル。
どれくらい快適にゲームを動かせるのか、各種人気ゲームをプレイして検証しました。
価格は抑えつつ、幅広いゲームを高画質で動かせるゲーミングノートを探している方は、ぜひご覧ください。
Lenovo Legion Y540の概要
LenovoのLegion Y540がどういったパソコンなのか、基本的なスペックから順にみていきます。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark10を試したところ、スコアは4,511でした。
ゲーミングパソコンは基礎性能が高いため事務作業は余裕でサクサクですし、写真や動画の編集などもスムーズにこなせます。
「そんなことより、どれくらいフレームレートを出せるのか知りたい!」
という方はこちらからご覧ください。
スペック
CPUやグラボ(GPU)など、今回お借りしたマシンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
GPU | GeForce GTX1660 Ti |
メモリ | 16GB |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 1TB |
CPUは第9世代のCore i7-9750Hで、6コア12スレッドで動作周波数は2.60GHz(最大4.50GHz)とノートパソコン向けのCPUとしてはハイエンドクラス。
性能が高い分、消費電力(TDP)は45Wとノートパソコン向けCPUとしてはかなり高めです。
CPU-Zの結果は以下の通り。
メモリも16GB搭載されているため、推奨スペックが高めのゲームはもちろん、動画編集などの用途でも安心して使えます。
グラフィックカードはGTX1660 Tiを搭載。
RTX20シリーズの特徴でもあるリアルタイムレイトレーシングには非対応ですが、フルHDモニターならほとんどのゲームを最高画質で動かせます。
GPU-Zの情報を見る限り、ビデオメモリはサムスンのものが使われているようです。
ラインナップ
Legion Y540は搭載するスペックによって値段が変わります。
主なラインナップは以下の通り。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i5-9300H | GTX1650 | 8GB | 256GB M.2 SSD | 125,268円〜 |
Core i5-9300H | GTX1660 Ti | 8GB | 1TB HDD | 151,041円~ |
Core i7-9750H | GTX1650 | 16GB | 1TB HDD | 155,074円~ |
Core i7-9750H | GTX1660 Ti | 16GB | 1TB SSD | 180,490円~ |
MMORPGや軽めのゲームがメインで、高画質・高フレームレートにこだわりがなければ、GTX1650で十分動かせます。
FPSゲームを高画質でサクサク動かしたいなら、GTX1660 Ti搭載モデルを選びましょう。
何本もゲームをインストールするつもりなら、ストレージもできれば500GB以上は欲しいです。
ちなみに、Legion Y540は17.3型の大型モデルもあります。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i5-9300H | GTX1650 | 8GB | 256GB M.2 SSD | 122,672円〜 |
Core i5-9300H | GTX1660 Ti | 8GB | 256GB M.2 SSD | 139,425円~ |
Core i7-9750H | GTX1650 | 16GB | 1TB HDD 256GB SSD | 159,168円~ |
Core i7-9750H | GTX1660 Ti | 16GB | 1TB SSD | 180,418円~ |
持ち歩きには不向きですが、大画面でゲームがしたい方におすすめ。
Lenovoではお得なセールやキャンペーンを定期的に開催していて、人気モデルが数万円単位で安くなることも多いです。
気になる方はこまめに公式サイトをチェックしましょう。
外観・大きさ
ここからはLegion Y540の外観を見ていきます。
色は真っ黒ではなく、ほんのりツヤ感がある濃いめの灰色。
ガンメタリックと表現するのが正しいでしょうか。
仕様上の大きさは360×267mm、分厚さは24.2mm(突起部は除く)あるため、一般的な薄型ノートパソコンと比べると大きくて分厚め。
LEGIONのロゴマークは、電源を入れると「O」のなかのマキビシみたいなマークが光ります。
底面はパソコン内部の熱を逃がすため、大半の部分がメッシュ状。
ゲーム起動中や動画を書き出すときなど、排気音はかなり大きめ。
ゲームに集中したいならヘッドセットやイヤホンの使用は必須です。
ネジは一般的なプラスドライバーで外せるタイプですが、ケースを開けるのは少々厳しそうな印象です。
メモリやストレージの増設などは購入時にオプションで選択することをおすすめします。
パソコン単体で重量は約2.2kg。
15.6型のゲーミングノートとして考えると、そこそこ重いです。
巨大なACアダプター
Legion Y540のACアダプターは驚くほど巨大です。
今まで数多くのゲーミングノートを見てきましたが、トップクラスの大きさ。
230Wの大型タイプで、ACアダプター単体で約1kgの重さ。
GTX1650搭載モデルは、もう少し小さいACアダプターが同梱されると思います。
パソコンを持ち歩く前提で考えている方は、ACアダプターのサイズと重さを考慮しておきましょう。
インターフェイス
主なインターフェイスは背面に集中しています。
ほかのゲーミングノートではあまり見られない、珍しいケースです。
- USB 3.0
- USB 3.0
- マイク・ヘッドホン コンボジャック
- USB3.0 Type-C
- Mini-DP
- USB 3.0
- HDMI
- イーサネット・コネクター
- 電源コネクタ
- セキュリティ キーホール
電源ケーブルや外付けモニターへの接続など、邪魔になりやすいケーブルを背面にまとめられるのはとても便利。
側面がすっきりするので、マウス操作を邪魔しません。
写真だと少しわかりづらいですが、どこに何のポートがあるか、上から見てわかるようになっています。
わざわざ背面をのぞき込まなくても、上から見ればポートの位置を把握できます。
また、無線でインターネットにつなげる方がほとんどと思いますが、FPSゲームなどのオンラインゲームで遊ぶなら有線での接続がおすすめ。
無線よりネット接続が安定するため、有線LANを手配できそうなら検討してみてください。
インターフェイスが集中しているためか、背面は少し出っ張っています。
キーボード
キーボードは一般的なテンキー付きの日本語配列(84キー)です。
キーピッチは実測で約18mmと標準的。
キータイプ音も比較的静かなポコポコ系で、打ちにくさは感じません。
テンキー周りの配列には少々クセがあります。
ナムロックが「0」の左側にあったり、プリントスクリーンも最下段に配置されています。
使いはじめてしばらくはミスタイプが多くなるかもしれません。
タッチパッドは分離タイプで、とてもスムーズに動きます。
バックライトも搭載されているため、暗い部屋でパソコンを使うときもミスタイプを減らせます。
バックライトの色や発光パターンを変えるなど、細かいカスタマイズはできないようです。
ディスプレイ
ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)解像度でIPSパネルを採用。
ふちの狭いナローベゼルに加えてノングレア(非光沢)仕様で、とても見やすいです。
ツヤツヤの光沢ディスプレイと比べて目が疲れにくいので、長時間プレイするゲーマーにもおすすめ。
さらに144Hzの高リフレッシュレートに対応。
グラフィック設定を適切に調整すれば、FPSゲームやアクションゲームなどをヌルヌル動かせます。
ディスプレイは180度に少し届かないくらいまで開きます。
ノートパソコン用のスタンドを使っている人も、ここまで開くなら安心です。
色域はそこそこ広い
i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:95.6%
- AdobeRGB比:70.6%
思っていたより色域が広くて驚きました。
10万円台前半で買えるゲーミングノートだと、sRGB比が60%台というケースも少なくありません。
きれいな色でゲームをプレイできます。
Legion Y540のベンチマーク
ここからは各種ベンチマークソフトを使用して、Legion Y540の実力を数値化していきます。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R15
まずはCINEBENCH R15でCPUの性能をチェックしてみたところ、1,091cbという結果でした。
主なCPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-9700K | |
---|---|
Core i7-9750H ※他モデル | |
Core i7-8750H | |
Core i7-9750H ※検証機 | |
Core i7-8565U |
Core i7-9750Hならもう少し高いスコアが出るはずですが、前世代のCore i7-8750Hを下回りました。
CPUの発熱を抑えるために、性能をセーブしているのかもしれません。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20は2,112cbと、こちらも少し低めのスコアです。
Fire Strike
3Dゲームを快適に動かせるかどうかチェックするため、3DMarkのFire Strikeを走らせたところ、スコアは12,398でした。
主なGPUと比較すると以下の通り。
RTX2070 | |
---|---|
RTX2060 | |
GTX1660 Ti | |
GTX1650 |
上位モデルのRTX20シリーズには敵わないものの、フルHDモニターなら多くのゲームを高画質で動かせるスコアです。
VR Mark
VRゲームを快適に動かせるかどうかもチェックしたところ、VRMarkのOrange Roomで5,519というスコアが出ました。
重量級VRゲームでなければ、問題なく動かせそうです。
Orange Roomより重いCyan RoomとBlue Roomの結果は以下の通り。
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、素晴らしいスコアが出ました。
パソコンの起動や重いデータの読み込みなどが目に見えてスピードアップします。
今までメインストレージがHDDのパソコンを使っていた方なら、あまりの速さに驚くことでしょう。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
今のところGen4に対応したM.2 SSDは第3世代RyzenとX570チップセットのマザーボードの組み合わせでないと使えません。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1,920×1,080(フルHD)のデスクトップパソコンに設定しています。
重量級ゲームのFF15は高品質で「快適」という結果に。
場面によっては重く感じることがありそうですが、おおむねスムーズに動かせそうです。
人気MMORPGのFF14やドラクエXは軽いゲームなので、最高画質でサクサク動かせます。
FF15
高品質 | 6193(快適) |
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標準品質 | 8219(快適) |
軽量品質 | 9906(とても快適) |
FF14 漆黒の反逆者
最高品質 | 10559(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX
最高品質 | 10164(すごく快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
ここからはパソコンゲームを実際に動かして、どれくらいのフレームレートを出せたかご紹介します。
フレームレートの検出には主にOCATを使用、60秒間の平均値を算出しています。
一部ゲームはOCATと相性が悪いため、MSIのAfterburnerを使いました。
結果は以下の通り。
最高画質 | 95.8fps |
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最高画質 | 80.4fps |
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最高画質 | 87.3fps |
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最高画質 | 50.9fps |
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最高画質 | 92.4fps |
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最高画質 | 49.7fps |
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最高画質 | 172.9fps |
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最高画質 | 65.8fps |
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一部の重いゲームを除けば、大半のゲームを最高画質で快適にプレイできました。
ボーダーランズ3の最高画質「バッドアス」は恐ろしく重いわりに効果を実感しづらいため、バランスを考えると中~高画質がおすすめ。
レインボーシックスシージのような軽めのFPSゲームなら、グラフィック設定を調整することで200前後までフレームレートを上げられます。
Legion Y540のモニターは144Hzの高リフレッシュレートに対応しているため表示もヌルヌルです。
動画にもまとめているので、あわせてご覧ください。
フレームレートはステージやゲームの状況で変動するものなので、あくまで参考数値としてお考え下さい。
ゲーム実況や動画配信の検証
続いてゲーム実況のプレイ動画を、スムーズに配信できるかどうかチェックします。
配信ソフトはStreamlabs OBSを使用、Twitchで配信しつつ録画も試しました。
最高画質のモンスターハンターワールドで配信を試したところ、配信動画の画質を少し落とせばスムーズにできました。
フレームレートも若干落ち込むため、サクサク感を維持したいなら中~高画質に落とすことをおすすめします。
ゲームに合わせて設定を調整すれば、問題なく配信できます。
スマホゲームの動画配信
続いてスマホゲームのPUBG MOBILEでも配信を試しました。
キャプチャボードはAVerMediaのLive Gamer Ultra GC553を使用、スマホはiPhone 8です。
スマホゲームの配信はパソコンの負担が大幅に軽減されるため、とてもスムーズに配信できます。
今回は未検証ですが、PS4やSwitchなどのコンソール機でも問題なく配信できるでしょう。
ゲームの配信用パソコンを探している方にもおすすめです。
クリエイティブ用途のチェック
ゲーム用途から離れて、動画や写真の編集といったクリエイティブ用途の性能もチェックしました。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere Proで動画編集の動作をチェック。
今回お借りしたモデルはメモリが16GB搭載されているため、とくに重く感じる場面はありませんでした。
メモリが8GBだと重くなる場面も出てくるため、動画編集も視野に入れているならメモリは16GB以上を目安に考えましょう。
After Effectsを使ったり、4K動画の編集も考えていくならメモリは32GB以上欲しいです。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出しにかかる時間を測定してみました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 3:55 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 5:46 |
当サイトで検証した結果の中でトップクラスの速さ。
LenovoのThinkpadのような薄型ノートパソコンだと、書き出しに40分以上かかることもあります。
フルHDの動画なら書き出しはもっと速くなりますから、ゲーム実況の動画編集などを考えている方も安心して使えます。
LightroomでRAW現像
続いてデジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は2分18秒。
主なCPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-9700K | |
---|---|
Core i7-9750H ※他モデル | |
Core i7-9750H ※検証機 | |
Core i7-8565U |
CINEBENCH R15と同じく、ほかのCore i7-9750H搭載モデルと比べて若干スコアが落ちます。
ゲームなどを何も起動していない状態でもCPUファンがそこそこ回るため、やはり発熱を抑えるようにチューニングされているように思います。
とはいえ、100枚のRAWデータを2分半で書き出せるなら十分。
ゲーミングノートとしては色域も広いほうなので、写真編集用途でも活躍するでしょう。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
Legion Y540のレビューまとめ
今回はLenovoのLegion Y540(15)を、さまざまな点から検証してみました。
多くのゲームを高画質で動かせて、144Hzの高リフレッシュレートに対応したモニターで快適にプレイできます。
値段で選ぶならGTX1650搭載モデルですが、Apex Legendsやフォートナイトなどを高画質でサクサク動かしたいならGTX1660 Ti搭載モデルがおすすめ。
消費税・送料込みで12~15万円前後で買えるゲーミングノートとして考えれば、コスパはかなり高めです。
モデルによってカスタマイズの有無や納期が変わるため、スペック以外の点もよく考慮して選びましょう。
Lenovoが好きな方はもちろん、コスパの高いゲーミングノートを探している方は、Legion Y540(15)を候補に入れてみてください。