Lenovoのゲーミングパソコン、Legion C530をお借りしました。
機材貸出元:レノボ・ジャパン合同会社
Core i7-9700とGTX1660 Tiを搭載したミドルクラスのゲーミングパソコン。
このページでは、どれくらいのフレームレートを出せるのか各種パソコンゲームで検証した結果をまとめています。
15万円前後で買えるゲーミングパソコンを探している方は、ぜひご覧ください。
Legion C530の概要や特徴
Legion C530がどういったパソコンなのか、まずは基本的なスペックから順にみていきます。
「どれくらいのフレームレートを出せるのか先に知りたい」
という方はこちらからご覧ください。
スペック
今回お借りしたマシンの構成は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-9700 |
GPU | GeForce GTX1660 Ti |
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM |
ストレージ | 1TB M.2 SSD 1TB HDD |
CPUは第9世代のCore i7-9700。
オーバークロック非対応のモデルですが、その分TDP(消費電力)は65Wと控えめ。
細かいスペックはCPU-Zの結果をご覧ください。
グラフィックスはミドルクラスのGTX1660 Ti。
フルHD解像度のモニターなら、ほとんどのゲームを最高画質で動かせます。
DLSSやリアルタイムレイトレーシングといった最新技術には非対応。
GPU-Zの結果は以下の通り。
ストレージはSSDとHDDがそれぞれ1TBとたっぷり仕様。
SSDが1TBも搭載されているのは、なかなか贅沢です。
メモリも16GBあるので、ゲーム実況の配信や動画編集でも活躍するでしょう。
ラインナップ
Legion C530は搭載するスペックによって値段が変わります。
主なラインナップは以下の通り。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|
Core i5-9400F | GTX1650 | 8GB | 512GB SSD | 103,224円 |
Core i5-9400F | GTX1660 Ti | 8GB | 512GB SSD 1TB HDD | 127,147円 |
Core i7-9700 | GTX1650 | 16GB | 1TB SSD | 134,464円 |
Core i7-9700 | GTX1660 Ti | 16GB | 1TB M.2 SSD 1TB HDD | 158,123円 |
League of LegendsやFF14などの軽めのゲームがメインなら、Core i5-9400FとGTX1650の組み合わせで快適にプレイできるでしょう。
FPSゲームで遊びたい方や、各種ゲームを高画質でプレイしたい方は上位モデルがおすすめ。
Lenovoは送料・消費税込みの価格なので、総額費用がわかりやすいです。
ただし、パソコンの仕様や価格は時期によって変動します。
とくにLenovoではセールや各種キャンペーンが頻繁に開催されているため、公式サイトをこまめにチェックしましょう。
ケース外観
ここからはケースの外観を見ていきます。
デスクトップパソコンといえば縦長のケースがほとんどですが、Legion C530はほぼ真四角。
なかなか個性的なデザインです。
仕様上の寸法は238×358×305mmで、重量は約11kg。
背面の下側についているゴムバンドは、各種ケーブルを束ねるために使うもの。
横から見るとこんな感じ。
天板は透明なパネルが使われています。
Legion C530最大の特徴は、持ち手がついていること。
約11kgあるので軽くはないものの、とても持ち運びやすいです。
推奨しませんが、ダンベルとしても使える重さ。
普段は自分の部屋でゲームをしているけど、友達が遊びに来たときはリビングにパソコンを持っていく、なんて使い方もできそうです。
電源をONにすると赤色のライティングが光ります。
発光のパターンや色は変えられないようです。
底面も吸気・排気用に一部メッシュ状になっていました。
インターフェイス
電源ボタンは天板についている丸いボタン。
ケース前面には以下のインターフェイスがそろっています。
- マイクロホン
- ヘッドホン・マイクロホンコンボジャック
- USB3.0 ×2
ただし、パソコンを足元に設置すると前面のインターフェイスはかなり使いづらいです。
背面の主なインターフェイスは以下の通り。
- イーサネットコネクター
- ライン出力
- USB2.0 ×2
- USB3.1 Gen2 ×2
- USB3.0 ×2
グラフィックカードの接続端子は3つ。
- DisplayPort x1
- HDMI x1
- DVI-D x1
3画面以上で表示したい方は、接続端子に要注意です。
無線LAN搭載
Legion C530は無線LAN(IEEE 802.11 ac/a/b/g/n)が標準搭載されているのも魅力。
Bluetooth Version 4.2にも対応しています。
FPSゲームや格闘ゲームで遊ぶなら、有線での接続をおすすめしますが、WiFiさえ飛んでいればどこでもネットに接続できるのは便利です。
ケース内部
ここからはケースの内部を見ていきます。
ケースの中央に仕切りがあって、2つの部屋に分かれています。
片方にはHDDと電源、もう片方にマザーボードやグラフィックカードを搭載。
配線はややごちゃついていますが、コンパクトなケースの宿命でしょうか。
グラフィックカードが若干傾いているのも気になります。
マザーボード側のふたはツールレスで開けられて、反対側はドライバーが必要です。
空冷CPUクーラー
CPUクーラーはシングルファンの空冷式。
ゲームプレイ中のCPU温度は70度前後だったので、冷却性能はそれなりです。
重いゲームを動かしたり、写真や動画を書き出すときの排気音がそこそこ大きいのも気になるポイント。
ケース背面にも小さめのファンがひとつ。
今回、足元にLegion C530を置いて検証を進めたのですが、ちょっとした電気ストーブ代わりになるくらいの暖かい風が出てきます。
冬場は重宝するものの、夏場は置き場所を考えないとつらいかも。
シングルファンのGPU
GPU-Zの情報によると、グラフィックカードはMSI製のようです。
シングルファンのGTX1660 Tiで、かなりコンパクト。
接続端子の仕様も似ているため、MSIのGTX1660 Ti AERO ITX 6G OCに近いモデルと思われます。
ストレージ
ストレージはM.2 SSDとHDDのデュアル仕様で、M.2 SSDはマザーボードに設置。
独特な形状のヒートシンクも搭載されています。
HDDはマザーボードと反対側にいます。
爪を押しながら引っ張ると、HDDが収まっているケースを取り出せます。
SATAケーブルと電源ケーブル、ケースにも余裕があるので、もう1台HDDを追加できそうです。
HDDを増設するときは、ケースを完全に取り外したほうが作業しやすいでしょう。
Legion C530のベンチマーク
ここからは各種ベンチマークソフトを使用して、Legion C530の実力を数値化していきます。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R15
まずはCINEBENCH R15でCPUの性能をチェックしてみたところ、1,333cbという結果でした。
その他のCPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i9-9900K | |
---|---|
Core i7-9700K | |
Core i7-9700 | |
Core i7-8700 |
当サイトで計測した結果と比べると、前世代のCore i7-8700とほぼ同スコア。
もう少しスコアが伸びてもいいと思うのですが、CPUの発熱を抑えるために性能をセーブしている可能性も考えられます。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20は2,243cbで、こちらもスコアがあまり伸びず。
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、M.2 SSDは素晴らしいスコアが出ました。
ヒートシンクも搭載されているので、性能も安定しそうです。
HDDは標準的なスコアでした。
Fire Strike
3Dゲームを快適に動かせるかどうかチェックするため、3DMarkのFire Strikeを走らせたところ、スコアは13,374でした。
主なグラフィックカードと比較すると以下の通り。
RTX2060 SUPER | |
---|---|
GTX1660 Ti | |
GTX1060 | |
GTX1650 |
グラフィックカードは金額と性能がきれいに比例するので、順当な結果といえます。
VR Mark
VRゲームを快適に動かせるかどうかもチェックしたところ、VRMarkのOrange Roomで8,647というスコアが出ました。
重めのVRゲームでなければ、快適に動かせるでしょう。
Orange Roomより重いCyan RoomとBlue Roomの結果は以下の通り。
Steam VRパフォーマンステスト
Steam VRパフォーマンステストも最高スコアの「レディ」を出せました。
VRゲームで遊んでみたい方にもおすすめ。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1,920×1,080(フルHD)のデスクトップパソコンに設定しています。
重量級ゲームのFF15は高品質で「快適」という結果に。
フルHD解像度なら重めのゲームでもスムーズに動かせそうです。
人気MMORPGのFF14やドラクエXは最高画質でサクサク動かせます。
FF15
高品質 | 6167(快適) |
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標準品質 | 8118(快適) |
軽量品質 | 10375(とても快適) |
FF14 漆黒の反逆者
最高品質 | 13711(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX
最高品質 | 20062(すごく快適) |
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FPSゲームのフレームレート検証
ここからは実際にFPSゲームをプレイして、どれくらいのフレームレートを出せるか平均値を算出しました。
フレームレートの検出にはOCATを使用、ゲーミングモニターはリフレッシュレート144Hz、フルHD解像度のDell S2419HGFを使用しています。
検証したのは以下8タイトル。
- Apex Legends
- PUBG
- フォートナイト
- レインボーシックスシージ
- CoD:MW
- Battlefield V
- CS:GO
- ボーダーランズ3
いずれも最高画質で問題なく動かせますが、高いフレームレートをキープしたいなら画質調整は必須。
画質を優先するか、フレームレートを優先するか、プレイスタイルに合わせて調整しましょう。
動画にもまとめたので、あわせてご覧ください。
フレームレートはステージや状況によって都度変動するものなので、参考程度にお考え下さい。
Apex Legends
最高画質 | 92fps |
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最高画質でスムーズに動かせますが、多少画質を調整したほうがヌルヌル感がアップします。
PUBG
最高画質 | 89fps |
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Apex Legendsと同じく、グラフィック設定をすべて「最高」にするとフレームレートは90前後で頭打ち。
フォートナイト
最高画質 | 102fps |
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すべての設定を「最高」にすると、フレームレートは100前後をうろつきます。
レインボーシックスシージ
最高画質 | 131fps |
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グラフィックが軽いので、最高画質で130前後のフレームレートを出せます。とても快適です。
CoD:MW
最高画質 | 96fps |
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マルチプレイで100前後のフレームレートでした。とくに問題なくプレイできます。
Battlefield V
最高画質 | 84fps |
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ほかのゲームと比べると少し重いです。気になる方はグラフィック設定を調整しましょう。
CS:GO
最高画質 | 270fps |
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少し古いゲームなので最高画質で非常に快適に動かせます。
ボーダーランズ3
最高画質 | 61fps |
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グラフィックがかなり重いです。PvEのゲームなので、60以上を維持できればとくに問題はありません。
アクションゲームなどの動作検証
ここからはFPSゲーム以外のジャンル(アクションや格闘など)で検証した結果をご紹介します。
今回検証したタイトルは以下の通り。
- モンスターハンターワールド
- SEKIRO
- ストリートファイターV
- DEAD OR ALIVE 6
- League of Legends
- Rocket League
- 黒い砂漠
いずれもPS4などのコンソール機では実現できない、最高画質・高フレームレートでサクサク遊べました。
モンスターハンターワールド
最高画質 | 83fps |
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重量級ゲームのモンハンワールドも、最高画質で80前後のフレームレートをキープ。サクサクです。
SEKIRO
最高画質 | 60fps |
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SEKIROはフレームレートが60以上に上がらない仕様。最高画質で60ベタ付きで動かせます。
ストリートファイターV
最高画質 | 60fps |
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格闘ゲームの定番、ストリートファイター5もフレームレートの上限値60ベタ付きです。
DEAD OR ALIVE 6
最高画質 | 60fps |
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DEAD OR ALIVE 6も最高画質でサックサク。とても快適に遊べます。
League of Legends
最高画質 | 202fps |
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非常に軽いゲームなので、最高画質で200前後まで上がります。
Rocket League
最高画質 | 244fps |
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こちらも非常に軽いゲームで、フレームレートは240前後まで上がります。
黒い砂漠
リマスター品質 | 43fps |
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リマスター品質だとフレームレートは40前後。多少カクつくので画質を落としましょう。
ゲーム実況や動画配信は要調整
続いてゲーム実況のプレイ動画を、スムーズに配信できるかどうかチェックしました。
配信ソフトはStreamlabs OBSを使用、Twitchで配信しつつ、60fpsのフルHD解像度で録画しています。
モンスターハンターワールド
最高画質のモンスターハンターワールドを試したところ、配信はスムーズにできました。
ただ、フレームレートは40前後にまでダウン。
配信時はフレームレートが落ち込むことを想定して、画質の調整をおすすめします。
今回は未検証ですが、PS4やSwitchなどのコンソール機をはじめ、スマホゲームの配信用パソコンとしてもまったく問題なく使えるでしょう。
クリエイティブ用途もスムーズ
ゲーム用途から離れて、動画や写真の編集といったクリエイティブ用途の性能もチェックしました。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere Proで動画編集を試してみました。
メモリが16GB搭載されているので、不要なシーンをカットしたり、テロップや効果音を付ける程度ならサックサクに動かせます。
4K動画の編集も考えていくなら、メモリ32GBへのアップグレードを考えたいところ。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出しにかかる時間を測定してみました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 8:12 |
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H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 13:34 |
とびぬけて速くはないものの、それなりのスピードです。
フルHDの動画ならもっと速く書き出せますから、実用上はまったく問題ないレベル。
ゲーム実況の動画編集などを考えている方も、安心して使えます。
LightroomでRAW現像
続いてデジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は2分12秒。
Core i9-9900K | |
---|---|
Core i7-9700K | |
Core i7-9700 | |
Core i7-8700 |
RAW現像の書き出し速度はCPU性能に大きく依存するため、順当な結果といえそうです。
ゲーミング向けのパソコンですが、クリエイティブ用途でも十分使えます。
Lightroomの書き出し条件は以下の通り。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
LANパーティーにおすすめ
持ち運びやすい独特なケースデザインで、ミドルクラスのスペックを搭載したLegion C530。
片手で持ち運べる大きさ・重さなので、LANパーティ(持ち込み型ゲームパーティ)のようなイベントにぴったり。
人気のFPSゲームも最高画質で動かせますし、グラフィック設定を調整すれば高フレームレートも出せます。
記事執筆時点では、48回まで分割手数料無料のキャンペーンが実施中。
今回お借りした構成なら初回のみ7,723円で、2ヵ月目から月々3,200円の支払い。
キャンペーンがいつ終わるかは不明なので、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
幅広いゲームを高画質で遊びたい方、個性的なパソコンが欲しい方は、LenovoのLegion C530を候補に入れてみてはいかがでしょうか。