MSIが販売する最新ミドルタワーケース、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWをお借りしました。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
360mmラジエーターを天面と前面に2台搭載できる大型ケースで、ハイスペックな自作PCを組みたい方におすすめです。
機能面や実際に組んでみて気になった点など、わかりやすくまとめました。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの概要
主なスペックを整理すると以下の通り。
フォームファクタ | ミドルタワー |
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対応マザーボード | E-ATX(280×305mmまで) ATX / M-ATX / ITX |
ドライブベイ | 6×2.5” 2×2.5” / 3.5” |
収容可能グラボ | 360mmまで |
CPUクーラー | 175mmまで |
対応ファンサイズ | 天面: 3x 120 mm / 2x 140 mm 前面: 3x 120 mm / 3x 140 mm 背面: 1x 120 mm / 1x 140 mm |
対応ラジエーター | 天面: 120 / 140 / 240 / 280 / 360 mm 前面: 120 / 140 / 240 / 280 / 360 mm 背面: 120 / 140 mm |
寸法 | 505×235×510mm |
重量 | 10.9kg |
販売価格 | 23,980円 |
仕様上の分類はミドルタワーとなっていますが、筆者の感覚ではほぼフルタワーな大型ケースです。
記事執筆時点での価格は約24,000円といいお値段。
アドレサブルRGBファンが4台、光るグラボステーも標準搭載されているなど、中身を細かく見ていけば納得感があります。
まだ発売されたばかりということもあり、そのうちセールなどで安く買えるチャンスがあるかもしれません。
最新情報はAmazonなどでご確認ください。
ホワイトも販売中
今回お借りしたのはブラックですが、ホワイトも販売中。
使用するパーツやお部屋の雰囲気に合わせて選べます。
組んでみたサンプル
実際にMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWを使用してPCを組んでみました。
主なパーツ構成は以下の通り。
グラボと電源、ストレージ以外はMSIよりお借りしたものです。
Core i9にRTX 3060 Tiとアンバランスな構成ですが、今回は見た目重視で、手持ちのMSI製グラボで一番大きいものを採用しました。
横幅が323mmの大型グラボも余裕で搭載可能です。
天面には先日レビューしたMAG CORELIQUID E360を設置。
大型で内部スペースに余裕があるため、360mmラジエーターの取り付けもスムーズでした。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの特徴
サイドパネルを取り外した状態がこちら。
前面から天面、背面にかけて大部分がメッシュ状になっており、静音性よりエアフローを重視した設計です。
前面に3台、背面に1台のアドレサブルRGBファンを標準搭載しているのもポイント。
横幅が235mmと広く、裏配線スペースにも余裕があります。
アドレサブルRGBファンが4台も搭載されているためケーブル量はかなり多めですが、テープ式のバンドできれいに整えられていて、ごちゃついた印象はありません。
CPUクーラーも175mmまで搭載可能で、ASSASSIN IVのような大型クーラーも問題なく使えます。
電源ボタンなどは天面にあります。
- USB 3.2 Gen 1 Type-A ×2
- USB 3.2 Gen 2×2 Type-C ×1
- マイク入力
- 音声出力
- LED切り替えボタン
- リセットボタン
- 電源
ケースファンとグラボステーはLEDボタンからライティングの切り替えが可能。
長押しでソフトウェア経由での制御に切り替えられます。
フロントパネルのケーブルは一体型。
これから販売されるすべてのケース、この仕様で統一してください。
オーディオ用のケーブルと形状がそっくりですが、ピンの位置が異なるため間違えないように要注意。
こちらはUSB 3.2 Gen 1とUSB 3.2 Gen 2×2のケーブル。
ケースファンを一括管理するためのハブも用意されています。
下側がシステムファン、上側がアドレサブルRGBのコネクタになっているようです。
ファンハブから伸びているファンケーブルとアドレサブルRGBのケーブルは、それぞれマザーボードに接続。
横に長い端子が特徴のSATAケーブルは、電源ユニットのSATAケーブルとつなげます。
背面には120mmファンが1台。
140mmの大型ファンも取り付け可能です。
メンテナンスしやすい構造
天面にはマグネット式の防塵パネルを採用。
簡単に取り外せるため、掃除がとても楽です。
電源直下の防塵パネルはスライド式。
PCを床に設置するとほこりを吸い込みやすいため、数か月に1回くらいは掃除を推奨。
メッシュ状のフロントパネルも簡単に脱着が可能。
少しばかりパワーを求められますが、配線は何もつながっていないのでご安心を。
ファンを固定するパーツも簡単に取り外すことができて、ファンの交換やラジエーターを取り付ける際もすごく楽です。
標準仕様では120mmファンが3台搭載されていますが、140mmファンを3台取り付けることも可能です。
背面側のサイドパネルの内側にもマグネット式の防塵パネルが貼ってあります。
豊富なシャドウベイ
背面側には2.5inのシャドウベイが4台。
シャドウベイを取り外して、電源上のスペースに取り付けることも可能です。
電源横のスペースには3.5inまたは2.5inのストレージを2台搭載できるシャドウベイが用意されています。
固定用のネジを取り外すと、左右に位置を調整できて、不要な方は完全に取り外すことも可能。
RGBグラボステー
標準搭載されているグラボステーは向きを回転させられるほか、前後左右に位置の調整もできます。
グラボの分厚さに合わせてステーの位置を調整できます。
位置を調整する際は、写真のネジを2か所外すだけ。
ステーが不要であれば完全に取り外すことも可能です。
電源をONにすると、ドラゴンが控えめに浮かび上がります。
交換可能な拡張スロット
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW最大の特徴ともいえそうなのが、交換可能な拡張スロット。
付属のパーツに交換することで、グラボを縦向きに設置可能。
ライザーケーブルは付属しないため別途購入する必要があります。
こちらはCOMPUTEX TAIPEIの展示品を撮影したものですが、垂直レイアウト用のブラケットには60mmファンを2台増設可能です。
60mmファンは付属しません。
実際に垂直レイアウトで組んでみました。
縦向きに設置すると見た目はとてもカッコいいのですが、グラボの固定が恐ろしく大変で、とても苦戦しました。
まず垂直レイアウト用のブラケットはグラボを固定するネジ穴がケースの内側に来るため、ドライバーがまったく届きません。
ブラケットを固定する前に、グラボとブラケットを斜めに傾けた状態であればネジを回せそうでしたが、腕2本では足らないのが難点。
また、グラボステーも縦向きではしっくりくる位置が少なく、ぎりぎりの状態で固定しています。
今回は見た目重視でトリプルファンの大型グラボを使用しましたが、ツインファンなどのコンパクトなグラボを使えば、垂直レイアウトでも組みやすかったかもしれません。
グラボを縦向きに設置したい方は、苦戦することを覚悟のうえで挑戦してください。
内部ファン増設用パーツ
こちらはケース内部にファンを増設するための専用パーツ。
写真のように付属のネジで固定します。
手持ちのファンでサイズの合うものがなく、COMPUTEX TAIPEIの展示品を撮影したものをご覧ください。
グラボを垂直レイアウトで設置した際、グラボとマザーボード間の空気を流れやすくする仕組みとのこと。
一般的な水平レイアウトで組む場合はとくに必要なさそうです。
取り付け用のファンは付属しません。
ハイスペックな自作PCにおすすめ
大型で内部構造にも余裕があり、とても組みやすいケースです。
搭載するパーツや設定によって温度は大きく変化しますが、実際にいくつかゲームを動かしてみたところ、CPUとGPUの温度は終始60度前後で安定。
製品名の通りエアフローに優れた構造で、高負荷時もきっちりと冷やしてくれます。
ただ少し気になったのがファンの騒音。
アイドル状態でもそれなりに音が聞こえてきます。
PC起動中の音が気になる方はファンコントロールをうまく調整するか、静音重視のパーツを選ぶことをおすすめします。
ハイスペックな自作PCを検討中の方や、大きめのケースを探している方は、MSIのMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWを検討してみてはいかがでしょうか。
質問失礼いたします。自作PCを作ろうと思っていますが。ケースのサイズがよくわかりません。360mmラジエーター対応のケースで水冷クーラー399.5×120×30 mmはつけることは可能ですか?初心者質問ですみません。
ケースの仕様で360mmラジエーターが取り付け可能と記載されていれば、問題なく取り付けられることがほとんどです
簡易水冷は仕様上の寸法ではなく、ファンのサイズで見るのが一般的ですね
※120や240(120×2)、280(140×2)、360(120×3)、420(140×3)など
ケースと簡易水冷が同じメーカーの製品であればより安心かと