G-Master Spear Mini B850Aレビュー｜木目パネルが美しいコンパクトモデル

サイコムが販売するG-Master Spear Mini B850Aをお借りしました。

カスタマイズの自由度も高く、コンパクトでハイスペックなゲーミングPCを探している方におすすめの最新モデルです。

人気ゲームを快適に動かせるのか、冷却性能は問題ないのかなど、詳しく検証しました。

G-Master Spear Mini B850Aの概要

G-Master Spear Mini B850Aがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。

基本的なスペックから搭載されている内部パーツ、実際に人気ゲームを動かして計測したフレームレートまで、順に詳しくご説明します。

スペック

貸出機の主なパーツ構成は以下の通り。

CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。

標準仕様だとCPUはRyzen 7 9700Xが搭載されますが、予算や用途に合わせて柔軟にカスタマイズできるのがサイコムの強み。

在庫状況は日々変動するものの、人気のRyzen 7 9800X3DやRyzen 7 7800X3Dへの変更も可能です。

グラボについては記事執筆時点で在庫状況がかなり不安定ですが、GeForce RTX 5080まで搭載可能。

これから登場する最新GeForce、Radeonも入荷次第選択できるようになると思われます。

メモリやストレージ、マザーボードもカスタマイズできるため、こだわりのコンパクトマシンを探している方におすすめです。

期間限定のクーポンがお得

サイコムのゲーミングPCがお得に買える割引クーポンをもらいました。

パソコンの構成を問わず、BTOの全製品で一律3,000円OFF（税込）が適用。

クーポンコードや使い方は以下の記事にまとめているので、ぜひご活用ください。

サイコム 割引クーポンの使い方｜静音特化やデュアル水冷の人気モデルがお得に購入可能こだわりのつまったBTOパソコンメーカー、Sycom（サイコム）のゲーミングPCが3,000円OFF（税込）で買える、期間限定の割引クー...

モンハンワイルズ動作確認済モデルも販売中

話題の最新ゲーム、モンスターハンターワイルズの動作確認済モデルも販売中。

今回レビューしたG-Master Spear Miniだけでなく、ミドルタワーのG-Master Spearも選択可能。

もちろんCPUやグラボ、メモリやストレージなども細かくカスタマイズできます。

モンハンワイルズが気になっている方は、こちらのページもぜひご確認ください。

ケース外観

ケースはLian LiのA3-mATX Black Wood Editionに強化ガラスパネルを追加したモデル。

標準仕様ではブラックが選択され、追加費用なしでホワイトに変更も可能。

ケース内部を見せることにこだわらないならガラスパネルは不要。

好みに合わせて選べます。

仕様上の寸法は幅194×高321.5×奥行443mm。

ゲーミングPCとしてはとてもコンパクトで、一般的なデスクにも設置しやすいサイズ感です。

光学ドライブを搭載するスペースはないため、必要な方は外付けで代用するしかありません。

ブラックウォールナットのトリムとホワイトのブナ材で作られた、高級感のあるウッドパネルを搭載。

茶系の色でデスク周りをまとめているなら、とてもマッチするデザインです。

天面のパネルは背面側のネジを2つゆるめると取り外せます。

メンテナンスが簡単なほか、自身でケースファンを追加するときも楽です。

底面の防塵フィルターはマグネットで貼り付けるタイプ。

ケースを傾けるか寝かせる必要があるものの、簡単に掃除ができます。

じわじわとほこりがたまっていく場所なので、数か月に1回くらいは掃除することをおすすめします。

このケースは、ほとんどのパネルをツールレスで脱着可能。

メモリの交換やストレージの増設など、将来的に何か改造したくなったときもやりやすいです。

ケースの説明書や余剰パーツが同梱されるのもうれしいポイント。

今回の貸出機はオプションのLEDストリップを追加。

電源をONにすると、グラボの下側がレインボーに光ります。

マザーボードのRGB制御ソフトをインストールすることで、色を変更できます。

インターフェイス

電源ボタンなどはフロントパネルの下側にあります。

背面側の入出力端子はそこそこ充実。

Wi-Fi 6EやBluetooth 5.2にも対応。

無線LANを使用するときは、同梱されるアンテナを使用することをおすすめします。

初心者の方が間違えないように、注意書きのシールも貼ってあります。

ケース内部

ケース内部はご覧の通り。

グラボの傾きが少々気になります。

このケースには裏配線スペースがありませんが、無理なくきれいにケーブルが整えられています。

バラしやすくまとめられているケーブルと、きっちり固定されているケーブルがあり、配線整理への強いこだわりを感じます。

元々リアファンがついてないケースですが、サイコムではNoctua NF-F12 PWMを標準で搭載。

ケースファンの変更や追加など、カスタマイズには対応していません。

マザーボード

マザーボードはASRockのB850M Pro RS WiFiを採用。

CPU-Zで読み取った情報は以下の通り。

6層PCBにフェーズ数は8+2+1と、いわゆるミドルスペックのマザーボードですが、M.2 SSDの空きスロットは2つ（Gen4）、SATAは4ポートと拡張性も申し分なし。

最新チップセットにこだわりがなければ、B650にグレードダウンすることで少し予算を抑えられます。

CPUクーラー

CPUクーラーは標準仕様だとNoctuaのNH-U12S reduxが搭載されますが、貸出機はハイスペックモデルのNH-U12Aを採用。

グリスには同社のNT-H1が塗布済み。

140mmファンを搭載したハイエンド空冷クーラー、NH-D15 G2やサイコムオリジナルの簡易水冷クーラーにカスタマイズも可能です。

グラフィックカード

今回の貸出機はWQHD解像度でのゲームに好適な、Radeon RX 7800 XTを採用。

カスタマイズでサイコムオリジナルのSilent Master Graphicsも選択可能ですが、記事執筆時点ではほとんどのモデルが在庫切れに。

グラボはカスタマイズの選択肢がとても多く、在庫状況は日々変動しているため、こまめに公式サイトをチェックすることをおすすめします。

メモリ

メモリはヒートスプレッダ非搭載のシンプルなものが2枚。

標準仕様では16GB（8GB×2）ですが、貸出機は32GB（16GB×2）にカスタム済みです。

CPU-Zで読み取った情報によると、Crucialの製品が採用されていました。

64GBを超える、大容量メモリにカスタマイズも可能です。

ストレージ

M.2 SSDはGen4に対応したCrucial T500の1TBを標準搭載。

CrystalDiskInfoで読み取った情報は以下の通り。

より高速なGen5 SSDや、2.5インチのSSDに変更できるほか、注文時にもう1台ストレージを増設することも可能。

このケースは背面側に2.5inを2台、底面に2.5inと3.5in共用のシャドウベイが1台あるため、パソコンの扱いに慣れている方なら自身で増設することも可能です。

電源

電源はATX3.1に対応したSilverStoneの750W（80PLUS GOLD）を採用。

Radeon RX 7800 XTの推奨電源容量は700Wのため、容量不足は心配ありません。

将来的にもっとハイスペックなグラボを搭載するつもりなら、もう少し容量の大きな電源を選んでもよいでしょう。

主電源のスイッチを操作したいときは、天面のパネルを外す必要があります。

G-Master Spear Mini B850Aの性能

ここからは各種ベンチマークソフトを使用して、搭載パーツの性能を数値化していきます。

いずれも素人が計測したデータなので、あくまで参考程度にお考えください。

CINEBENCH R23

マルチコアのスコアは控えめに見えてしまうものの、シングルコアのスコアが大きく伸びているのがポイント。

BIOSを確認したところ、PBOや105Wモードなどは設定されておらず、TDP:65W、PPT:88Wのデフォルト設定のままと思われます。

Ryzen 7 9800X3Dが人気すぎて陰に隠れがちですが、Ryzen 7 9700Xはとてもバランスの良いハイスペックCPUです。

Steel Nomad

Radeon RX 7800 XTのゲーム性能はGeForce RTX 4070以上、RTX 4070 SUPER未満といったところ。

フルHDはもちろん、WQHD解像度で幅広いゲームを最高画質で楽しめる実力があります。

レイトレーシングに対応したゲームで遊びたいなら、GeForceを選んだほうが良いでしょう。

Crystal Disk Mark

Gen4 SSDとしては素晴らしい転送速度が出ています。

Gen5 SSDにカスタマイズすればさらに転送速度は速くなりますが、Gen4でも実用上ストレスを感じるような場面はほとんどないはずです。

一般的なSSD（SATA）やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。

ストレージの転送速度（目安）

NVMe M.2 SSD （Gen 5）	10,000～15,000MB/s
NVMe M.2 SSD （Gen 4）	4,000～7,000MB/s
NVMe M.2 SSD （Gen 3）	2,000～3,000MB/s
SSD（SATA）	550MB/s
HDD	120～160MB/s

静音性

市販の騒音計（サンコー小型デジタル騒音計）を使用して、用途ごとの騒音を計測しました。

静音に特化したモデルではありませんが、アイドル時やCINEBENCH計測中はほぼ無音状態。

ただし、ゲームを動かすなどグラボに負荷をかけると途端にファンの音が大きくなります。

個体差もあるかもですが、今回の貸出機に搭載されていたRX 7800 XTは「キーン」というコイル鳴きも少々目立ちました。

静かにゲームを遊びたい方は、静音に強いSilent Master Graphicsを選んだほうが良いでしょう。（在庫状況は要確認）

筆者が使用している騒音計の目安は以下の通り。

騒音値の目安

60dB～	掃除機に匹敵するほどうるさい 遮音性の高いイヤホンやヘッドセットが必須
50～60dB	大多数の人がうるさく感じる イヤホンやヘッドセットの使用が必須
45～50dB	ファンの音がやや気になりはじめる イヤホンやヘッドセットの使用を推奨
40～45dB	ファンの音は聞こえるが不快ではない スピーカーでもゲームはプレイ可能
38～40dB	PCに耳を近づけると音が聞こえる程度 スピーカーでも快適にプレイが可能

冷却性能

用途ごとの冷却性能もチェックしてみました。

CINEBENCH計測中はおおむね60度前後で安定。

Ryzen 7 9700XはPPT:88Wで発熱が控えめなのと、Noctua NH-U12Aの冷却性能が優秀ということもあり、CPU使用率100％でもかなりの余裕があります。

続いてFF14ベンチを4Kの最高設定で走らせて、GPUの温度をチェック。

70度前後をうろついており、ホットスポットの温度は90度近くまで上昇。

実用上問題はないものの、温度は高めです。

GPUの排熱を直接吸ってしまう影響か、ゲーム起動中はCPU温度も70度前後まで上昇。

今回の貸出機はケースファンが背面側に1台のみでエアフローがやや弱い構造のため、一般的なミドルタワーケースと比べると冷却性能は控えめな印象です。

横並びでの比較はできていませんが、ガラスパネルよりメッシュパネルのほうが冷えやすいかもしれません。

CPUクーラーやケースファンはBIOSでサイレントモードに設定されていました。

もう少し冷却性能を高めたいなら、回転量を上げるのもひとつのやり方。

ただし回転量を上げると騒音値も上がるため、どのようにチューンするかは用途や好みに合わせて判断してください。

PCゲームのフレームレート検証

まずは定番ゲームのベンチマークを解像度ごとに回してみました。

いずれもAFMF2は使用せず、ゲーム側の設定のみを整えて計測しています。

FF14は最高画質でアップスケーリングをFSR（60fpsを下回ったときに適用）に設定。

4Kでもそれなりに動かせるとは思いますが、最高画質でサクサク動かすことにこだわるなら、解像度はWQHDまでと考えた方が良いでしょう。

モンハンワイルズはウルトラ画質でアップスケーリングはFSRのクオリティーに設定、フレーム生成もONで計測した結果です。

レイトレーシングはOFFです。

OBTでも同様の設定で試したところ、フレームレートは若干落ちるものの4Kでもストレスなく動かすことができました。

製品版でどれくらい動かせるかは記事執筆時点で未知数ですが、WQHDであればサクサク遊べることは間違いなさそうです。

CoD:BO6は極限画質でFSRをクオリティー、フレーム生成もONで計測。

いずれの解像度でも快適に遊べそうです。

Cyberpunk 2077はレイトレーシングOFFの最高画質にあたる、ウルトラ画質で計測。

FSR自動でフレーム生成もONにしています。

レイトレOFFなら4Kでも快適にプレイ可能です。

参考までに、もっとも重たいレイトレーシング:オーバードライブで試した結果は以下の通り。

やはりRadeonはレイトレーシングが苦手で、WQHDでもややしんどい印象です。

AFMF2を活用すればもう少しフレームレートは伸びますが、GeForceと比べて映像に違和感が出るため、積極的にはおすすめしません。

黒神話:悟空はレイトレOFFの最高画質でベンチマークを計測。

サンプリング解像度はデフォルトのフルHD:100、WQHD:75、4K:50で設定しています。

このゲームもレイトレOFFなら快適に遊べそうです。

続いてMSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートをフルHD解像度で計測しました。

フォートナイトはDirectX12とパフォーマンス、レンダリングモードごとに検証。

フォートナイト フルHD平均fps

最高画質（DirectX12）	87fps
競技設定（DirectX12）	288fps
競技設定（パフォーマンス）	375fps

競技設定は3D解像度と描画距離のみを最高、その他は最低まで落としています。

平均値はパフォーマンスモードのほうが高くなるものの、瞬間的にカクつく場面があるため、安定性を求めるならDirectX12でのプレイがおすすめです。

そのほかのゲームはすべて最高画質で検証した結果です。

フルHD 最高画質の平均fps

Apex Legends	281fps
VALORANT	584fps
Overwatch 2	399fps

いずれも画質を落とすことなくサクサク快適に動かせました。

Ryzen 7 9800X3Dばかりが注目されていますが、Ryzen 7 9700Xもゲーム性能はとても優秀で、大多数の方が満足できる性能を秘めています。

ゲーム実況のライブ配信

Twitchでモンハンワイルズのゲーム実況をスムーズに配信できるかも検証しました。

配信ソフトは無料で使えるOBS（Open Broadcaster Software）を使用し、配信と同時に録画も実施。

別売りのWebカメラを使用して、VTube Studioでアバターも表示しながら試しました。

OBSの主な設定は以下の通り。

VTube StudioはCPUの負荷がそれなりに高く、配信＆録画をしながらだとフレームレートは平均100前後まで低下。

モンハンであれば実用上の問題はないものの、フレームレートにこだわるゲームであれば画質を調整したほうが良いでしょう。

今回の貸出機はメモリを32GB搭載していることもあり、途中で映像がカクつくようなこともなく、スムーズに配信と録画ができました。

配信するゲームによっては設定の調整が必要になりそうですが、PC1台でVTuberとして活動していくことも可能です。

汎用性の高いコンパクトゲーミングPC

レビューのまとめとして、G-Master Spear Mini B850Aの特徴をおさらいします。

今回はRyzen 7 9700XにRadeon RX 7800 XTという組み合わせでの検証でしたが、どのような構成に仕上げるかは自由自在。

ケースの見た目も好みに合わせて選べて、メモリやストレージなどの搭載パーツも細かく指定できるのがサイコムの大きな魅力。

パネルをばらしやすく改造もしやすいケースなので、エアフローが気になる方は天面や底面にケースファンを増設してみるのもおすすめ。

動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。

グラボの入荷状況についてはサイコムのX公式アカウントで都度アナウンスがあるため、お目当てのグラボが在庫切れの場合はフォローしておきましょう。

幅広い用途で活躍するコンパクトなゲーミングPCを探している方は、サイコムのG-Master Spear Miniシリーズを検討してみてはいかがでしょうか。

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