第3世代のRyzenとRTX2070 SUPERを搭載したゲーミングパソコン、G-Tune HP-Aをお借りしました。
機材貸出元:株式会社マウスコンピューター
G-Tuneのフラッグシップモデル、MASTERPIECEシリーズに属する1台ですが、果たしてどれだけの性能を秘めているのか。
実際に各種人気ゲームをプレイして、HP-Aの実力を検証しました。
人気のFPSゲームを最高画質&高フレームレートで動かせて、ゲーム実況や動画配信も楽々こなせるゲーミングPCを探している方はぜひご覧ください。
G-Tune HP-Aの特徴や概要
G-Tune HP-Aがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
FPSゲームも最高画質でサクサク
ゲーム実況・動画配信もスムーズ
拡張性・メンテナンス性抜群
クリエイティブ用途も快適
重くて大きいフルタワーケース
「基本的なことより、どれくらいフレームレートが出るのか知りたい!」
という方はこちらからご覧ください。
CPUなどの基本スペック
今回お借りしたマシンの構成は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen7 3700X |
GPU | RTX2070 SUPER |
メモリ | 32GB |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 1TB(Gen4) |
CPUはAMDのRyzen7 3700Xを搭載。
8コア16スレッドに基本クロック3.6GHz(最大4.4GHz)と、IntelのハイエンドクラスCPU、Core i9-9900Kに迫る実力があります。
CPU-Zの結果は以下の通り。
グラフィックカードはNVIDIAのGeForce RTX2070 SUPER。
DLSSやリアルタイムレイトレーシングにも対応、フルHD解像度のモニターならほとんどのゲームを最高画質でサクサク動かせます。
GPU-Zの結果は以下の通り。
ストレージはNVMe M.2 SSDが1TBという贅沢仕様で、さらに爆速の転送速度をほこるGen4に対応。
メモリも32GB搭載されているため、ゲーム実況の配信や動画編集も非常に快適です。
お借りしたモデルのCPUはRyzen7 3700Xですが、現在は仕様が変わってRyzen9 3950Xが搭載されています。
主なラインナップ
Ryzen搭載モデルの主なラインナップをまとめました。
仕様および価格は記事執筆時点のものです。
CPU | GPU | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|
Ryzen7 3700X | RX5700 | 16GB | 179,800円〜 |
Ryzen9 3950X | RTX2070 SUPER | 32GB | 269,800円〜 |
ミドルタワー仕様のケースだと少し価格が安くなります。
CPU | GPU | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|
Ryzen7 3700X | GTX1650 | 16GB | 119,800円〜 |
Ryzen7 3700X | RX5700 | 16GB | 169,800円〜 |
Ryzen7 3700X | RTX2070 SUPER | 32GB | 199,800円〜 |
最高画質&高フレームレートにこだわりがなければ、RX5700搭載モデルでも十分快適です。
以前、Ryzen7 3700XとRadeon RX5700を搭載したEN-Aもお借りしたので、値段を抑えたい方はこちらがおすすめ。
各種キャンペーン
マウスコンピューターは時期によってセールや各種キャンペーンを実施しています。
パソコンの仕様や価格は時期によって変動するものなので、最新価格やキャンペーンの有無は公式サイトで必ずご確認ください。
ケース外観
ここからはケースの外観を見ていきます。
お借りしているパソコンのため、ケース前面に貼ってあるパネル保護のシールはそのままにしています。
G-Tuneのフラグシップモデルということもあり、高級感のあるデザイン。
仕様上の大きさは高さが約490mm、奥行きが約501mm、横幅が約215mm。
写真だと伝わりづらいですが、かなり大きいです。
仕様上の本体重量は約16.8kgで取っ手などもついていないため、ひとりで持ち運ぶのは少々危険。
腰が弱い方はとくに、ダンボールから取り出すときやパソコンを移動させるときなど要注意です。
パソコン内部を見せたい方は、強化ガラスサイドパネルを+6,800円(税別)の追加オプションをつけられます。
インターフェイス
主なインターフェイスはケース前面にあります。
白い粉のように見えるのはパネル保護シールの気泡で、パネル自体はピッカピカです。
- 電源ボタン
- USB3.0 ×2
- マイク
- ヘッドホン
- USB2.0 ×2
USBポートが前面に4つもあるため、マウスやキーボードはもちろん、ゲームパッドなどもつなげやすいです。
光学ドライブも標準搭載されています。
背面の主なインターフェイスは以下の通り。
- USB3.1 ×2
- PS/2 Mini DIN 6ピン
- USB3.0 ×6
- DisplayPort ×3
- HDMI ×1
無線でインターネットにつなげたい方は、+7,800円(税別)でWi-Fi 6に対応した拡張カードをつけれらます。
ただ、FPSゲームや格闘ゲームなどをプレイするなら有線での接続がおすすめ。
オンラインゲームは有線でインターネットに接続したほうが安定します。
ケース内部
ここからはケースの内部を見ていきます。
フルタワー仕様なのでケース内部にかなり余裕があります。
ケーブルの色が黒で統一されていて、裏配線できれいにまとめられているので見た目もスッキリ。
CPUクーラーを簡易水冷に変えたり、SSDを追加するなど、各種メンテナンスや改造もしやすそうです。
購入後のパーツ交換などによる故障・トラブルは保証対象外になる可能性があります。ある程度スキルと知識のある方以外、追加オプションでのカスタマイズがおすすめです。
マザーボードはAsRockのX570 Phantom Gaming4と思われるものが使われていました。
M.2 SSDはヒートシンクに隠れていて見えません。
ケースの底面は大胆に穴が開いていて、フィルターも取り外し可能。
パソコンの吸気口はどうしてもホコリがたまっていくので、簡単に取り外せてしかも水洗いできるのは便利です。
空冷CPUクーラー
CPUクーラーはシングルファンの空冷式で、おそらくRyzen7 3700Xに標準搭載されているものと思われます。
現在販売されているRyzen9 3950X搭載モデルでは、360mmの大型ラジエーター&3連ファンの水冷クーラーが標準搭載されます。
+12,000円(税別)の追加オプションで、LEDファンを搭載した水冷クーラーに変更も可能です。
外排気タイプのGPU
グラフィックカードは外排気タイプのRTX2070 SUPERが使われていました。
補助電源は8ピン×1、6ピン×1。
ロゴマークとGPU-Zの情報から察するに、メーカーはZOTACのようです。
外排気タイプのグラフィックカードはファンの回転音が大きくなりがちですが、ほとんど気になりませんでした。
耳を近づけるとファンが回っている音は認識できますが、うるさく感じるほどではありません。
ストレージ
メインストレージはGen4対応のNVMe M.2 SSDがマザーボードに装着されています。
ケース内部には2.5インチのストレージを固定できるスペースも用意されています。
「ストレージが1TBでは足らない!」
という方はオプションで追加しましょう。
電源
電源は800W(80PLUS TITANIUM)のものが標準搭載。
後々グラフィックカードの2枚刺し(SLI)などを考えない限り、十分すぎる性能です。
HP-Aのベンチマーク結果
ここからは各種ベンチマークソフトを使用して、G-Tune HP-Aの実力を数値化していきます。
いずれもRyzen7 3700Xで計測したスコアなので参考程度にお考え下さい。
CINEBENCH R15
まずはCINEBENCH R15でCPUの性能をチェックしてみたところ、2,106cbという結果でした。
主なCPUとスコアを比較すると以下の通り。
Ryzen7 3700X | |
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Core i9-9900K | |
Ryzen5 3600X | |
Core i7-9700K |
ベンチマークのスコアがすべてではないものの、Core i9-9900Kを上回りました。
Ryzen9 3950Xならスコアはさらに上がります。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20は4,805cbでした。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeは20,925でした。
主なGPUと比較すると以下の通り。
RTX2080 | |
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RTX2070 SUPER | |
RTX2060 SUPER | |
Radeon RX5700 |
RTX2080に迫るスコアをたたき出しました。
Port Royal
レイトレーシング性能をチェックするための激重ベンチマークソフト、Port Royalは5,743という結果でした。
RTX2080 | |
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RTX2070 SUPER | |
RTX2070 |
RTX2080とRTX2070の中間という、順当なスコアです。
VR Mark
VRゲームを快適に動かせるかどうかもチェックしたところ、VRMarkのOrange Roomで11,480というスコアが出ました。
重量級VRゲームでも快適に動かせるでしょう。
Orange Roomより重いCyan RoomとBlue Roomの結果は以下の通り。
Steam VRパフォーマンステスト
Steam VRパフォーマンステストも最高スコアの「レディ」なので、VRゲームで遊んでみたい方にもおすすめ。
VRゲームで遊ぶには別途専用のVRヘッドセットが必要です
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、期待通りのスコアがでました。
さすがはPCI Express Gen4に対応した爆速M.2 SSDです。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
NVMe M.2 SSD(Gen4)は、今のところ第3世代のRyzenとX570チップセットのマザーボードの組み合わせという限られた環境下でしか使えません。
パソコンの起動が目に見えて高速化するので、非常に快適です。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1,920×1,080(フルHD)のデスクトップパソコンに設定しています。
重量級ゲームのFF15は高品質で「とても快適」という結果に。
フルHD解像度ならかなり重めのゲームでも問題なく動かせます。
人気MMORPGのFF14やドラクエXは軽いゲームなので、最高画質でサクサク動かせます。
FF15
高品質 | 9612(とても快適) |
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標準品質 | 12627(非常に快適) |
軽量品質 | 15097(非常に快適) |
FF14 漆黒の反逆者
最高品質 | 16894(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX
最高品質 | 2155(すごく快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
ここからは実際にパソコンゲームを動かして、どれくらいのフレームレートが出たかご紹介します。
いずれもフルHD(1,920×1,080)解像度で検証、フレームレートの検出には主にOCATを使用して60秒間の平均値を算出。
一部ゲームはOCATと相性が悪いため、MSIのAfterburnerやゲーム自体のベンチマーク機能を使いました。
結果は以下の通り。
最高画質 | 132.7fps |
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最高画質 | 129.7fps |
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最高画質 | 107.7fps |
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最高画質 | 129.2fps |
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最高画質(DXR OFF) | 100.6fps |
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最高画質(DXR ON) | 84.2fps |
最高画質(DXR OFF) | 124fps |
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最高画質(DXR ON) | 91fps |
最高画質 | 88fps |
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最高画質 | 268fps |
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最高画質 | 288.6fps |
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最高画質 | 86fps |
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最高画質 | 60fps |
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最高画質 | 60fps |
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最高画質 | 60fps |
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最高画質 | 223fps |
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最高画質 | 247fps |
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リマスター品質 | 94.9fps |
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すべてのゲームを最高画質で快適に動かせました。
動作が軽いはずのPUBG Liteですが、何度試してもフレームレートがいまいち上がらず。
通常版PUBGよりフレームレートが低い、という不思議な現象が発生しています。
もしかするとRyzenとの相性があまり良くないのかも。
Battlefield VやCoD:MWはDXR(レイトレーシング)をONにしてもスムーズに動かせました。
ただ、目立った変化は実感しづらいため、DXRはOFFがおすすめ。
軽めのアクションゲームや格闘ゲームなら、WQHDや4Kなどの高解像度モニターでも快適に動かせるでしょう。
ゲーム実況や動画配信も可能
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるStreamlabs OBSを使用、配信と同時に録画も実施しています。
重量級ゲームのモンスターハンターワールドで試したところ、最高画質のままスムーズに配信できました。
ゲームのフレームレートは若干落ちるため、Apex Legendsやフォートナイトなどの配信を考えているなら、グラフィック設定は少し落としたほうが快適です。
キャプチャーボードを別途用意すれば、PS4やSwitchなどのコンソール機、スマホゲームも問題なく配信できるでしょう。
クリエイティブ用途もサクサク
ゲーム用途から離れて、動画や写真の編集といったクリエイティブ用途の性能もチェックしました。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere Proで動画編集を試してみました。
標準仕様でメモリが32GBも搭載されているので、作業中に処理が重くなる場面は一切なし。
After Effectsでがっつり演出を加えたり、4K動画の編集もスムーズにできそうです。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出しにかかる時間を測定してみました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 5:25 |
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H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 9:05 |
かなり速いです。
一般的なノートパソコンだと30分以上かかることもザラです。
ゲーム実況の動画編集などを考えている方も安心して使えます。
LightroomでRAW現像
続いてデジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は1分21秒。
当サイトで検証した結果と比べると、Core i9-9900Kより40秒以上高速です。
Ryzen7 3700X | |
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Ryzen5 3600X | |
Core i9-9900K | |
Core i7-9700K |
ゲーム性能で比較するとCore i9-9900Kに軍配が上がるものの、クリエイティブ用途なら負けていません。
Ryzen9 3950Xなら、さらにスピードが上がりそう。
Gen4対応のM.2 SSDはRAWデータの読み込みも速いですし、プロのフォトグラファーも安心して使えるスペックです。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
G-Tune HP-Aの性能まとめ
最後にもう一度、G-Tune HP-Aの特徴をおさらいします。
FPSゲームも最高画質でサクサク
ゲーム実況・動画配信もスムーズ
拡張性・メンテナンス性抜群
クリエイティブ用途も快適
重くて大きいフルタワーケース
気になるのは大きくて重たいという点くらいで、あらゆる用途で幅広く活躍するハイスペックマシンです。
PUBGやApex Legendsなども最高画質で高いフレームレートを出せますし、MMORPGやアクションゲームなら高解像度モニターでも快適に遊べます。
価格もスペック相応ですが、記事執筆時点では36回払いまで分割手数料が無料。
まとまった出費を避けたい方は、分割払いも検討してみてください。
ゲーミングパソコンの性能に妥協したくない方は、G-Tune HP-Aを候補に入れてみてはいかがでしょうか。