ドスパラで販売中のゲーミングPC、GALLERIA XA7R-R47T 7800X3D搭載モデルをお借りしました。
機材貸出元:株式会社サードウェーブ
ゲーム用途では最強ともいわれるCPU、Ryzen 7 7800X3DとRTX 4070 Tiを搭載したハイスペックマシン。
競技シーンを目指しているような方や、シューター系ゲームをがっつりやりこみたい方は、ぜひご覧ください。
GALLERIA XA7R-R47Tの概要
GALLERIA XA7R-R47Tがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
超・高fpsで人気ゲームを楽しめる
重いゲームも高解像度で快適に動作
PC1台でVTuberとして活動も余裕
標準搭載のM.2 SSDがQLC NAND
高負荷時のファンの回転音が大きめ
基本的なスペックからケースの構造、実際に人気ゲームを動かして計測したフレームレートまで、順に詳しくご説明します。
スペック
今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | GeForce RTX 4070 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB(8GBx2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 344,980円 ※2023年11月27日時点の価格です ※消費税・送料込(離島除く) |
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
動画編集などの用途でもPCをフル活用する方は、注文時にメモリやストレージを増設しておくことをおすすめします。
パソコンの仕様および価格は時期によって変動します。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
ケース外観
ガンメタリックの筐体にブルーのアクセントカラーが映える、ガレリア専用のSKケース。
正面から見て左側には、中身の見えるアクリルパネルを標準搭載。
寸法は高さが約480mm、奥行きが約440mm、横幅が約220mm。
ミドルタワーのケースということもあり、しっかりと存在感のある大きさです。
仕様上の重量は約14kgと見た目以上に重たいため、パソコンを持ち上げるときは腰を痛めないように気をつけてください。
電源をONにすると、ケース前面と電源ボタンの周辺が青く発光。
ライティングの色を変えるには、BIOSの設定変更や専用ソフトウェアのインストールが必要な模様。
ASRock製のマザーボードが採用されている場合、「Polychrome RGB」をインストールすることで色を変えられるようです。
細かい設定方法や注意点は、ドスパラの公式サイトをご覧ください。
電源直下のメッシュパーツはスライド式で簡単に取り外しが可能。
パソコンを床に設置するとほこりがたまりやすいので、掃除しやすいのは便利です。
インターフェイス
ケース前面の主な入出力端子は以下の通り。
- 電源
- USB3.2 Gen1 Type-A ×4
- ヘッドホン
- マイク
USBポートが4つあると、ゲームパッドや外付けストレージなど、さまざまなものを接続できて便利。
コンソールパネルが斜めに設計されているため、パソコンを机の上下どちらに設置しても使いやすいです。
背面にも必要十分な入出力端子があります。
- USB 2.0 ×4
- USB 3.2 Gen1 Type-A ×5
- USB 3.2 Gen2 Type-C ×1
- 有線LANポート(1Gb)
- DisplayPort ×3
- HDMI ×1
標準仕様では無線でインターネットにつなげられない点に要注意。
家庭の都合で有線での接続ができない方は、事前に対策を考えておきましょう。
ケース内部
青いケーブルがやや目立ちますが、複雑な配線がすっきりと整理されています。
最近は見かけることが少なくなった5インチベイを搭載しているのも特徴。
必要な方は注文時のカスタマイズで光学ドライブを増設できます。
ケースファンは前後に140mmが1台ずつ確認できました。
2.5インチ×2、3.5インチ×2のストレージを増設できるシャドウベイも用意されています。
ケースの拡張性は高いものの、購入後に自身でストレージを追加するのは少々大変。
パソコンの扱いに慣れていない方は注文時にカスタマイズしたほうが無難です。
マザーボード
マザーボードにはASRockのB650 TWを採用。
製品名から察する限り、サードウェーブ(ドスパラの運営会社)専売品と思われます。
PCIeやM.2の空きスロットもあり、拡張性は申し分なし。
実際に試してはいませんが、内蔵型のキャプチャーボードなども搭載できそうです。
CPUクーラー
CPUクーラーは240mmラジエーターの簡易水冷を標準搭載。
いかにも光りそうな見た目のファンですが、一切光りません。
ポンプヘッドはシンプルなデザインで、こちらも光りません。
ベンチマークの結果や発熱面については後ほど詳しく解説します。
グラフィックカード
グラボはGPU-Zの情報によるとZOTAC製のRTX 4070 Tiが採用されているようです。
大きめのグラボですが、専用のリジッドカードサポートで傾きやグラつきが発生しないよう、がっちりと固定。
グラボ交換は少々手間がかかるものの、サポートステイなどを別途買う必要がないのは便利です。
補助電源は8ピン×2を変換アダプターにつなげて接続していました。
メモリ
メモリはヒートスプレッダ非搭載のシンプルなものが2枚。
CPU-Zで読み取った情報によると、Samsung製のようです。
ゲームがメインなら16GBでメモリ不足を感じる場面は滅多にないものの、動画編集などで必要性を感じたら32GBに増設しても良いでしょう。
空きスロットは2つあるため、4枚刺しも可能です。
ストレージ
M.2 SSDには発熱を抑えるためのヒートシンクが搭載されていて、姿が見えません。
CrystalDiskInfoで読み取った情報は以下の通り。
標準仕様で1TBと十分な容量が搭載されていますが、こちらはTLC NANDではなくQLC NANDを採用した製品。
筆者は同製品を所持していますが、100GBを超えるような大きなデータを連続して書き込む際はキャッシュ切れが発生して転送速度が極端に落ちるため注意が必要です。
ゲーム用途がメインであれば、とくに気にする必要はありません。
搭載されるパーツは時期によって異なる場合があります。
電源
電源は1000W(80PLUS PLATINUM)を搭載。
NVIDIAの公式サイトによると、RTX 4070 Ti搭載マシンの最小システム電力は700W。
Ryzen 7 7800X3DはハイスペックCPUとしては消費電力が控えめで、今回のパーツ構成なら850Wもあれば十分に思いますが、かなり容量に余裕を持たせているようです。
HDDなどを増設する際は、束ねてあるケーブルをばらして、SATAの電源ケーブルを探し出す必要があります。
GALLERIA XA7R-R47Tの性能
ここからは各種ベンチマークソフトを使用して、GALLERIA XA7R-R47Tの性能を数値化していきます。
いずれも素人が計測したデータなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R23
主なCPUをCINEBENCH R23のスコアで比較してみると以下の通り
65Wに制限したCore i7-13700Fに負けていたり、ややパッとしない印象を受けてしまいますが、実用上の問題はないため気にする必要はありません。
最新世代のCPUと主なスペックを比較してみると以下の通り。
コア スレッド | クロック | L3 キャッシュ | TDP PBP | |
---|---|---|---|---|
Ryzen 9 7950X | 16 32 | 4.5GHz~ 5.7GHz | 64MB | 170W |
Core i9-14900K | 24(8+16) 32 | 3.2GHz~ 6.0GHz | 36MB | 125W |
Ryzen 7 7800X3D | 8 16 | 4.2GHz~ 5.0GHz | 96MB | 120W |
Ryzen 7 7700X | 8 16 | 4.5GHz~ 5.4GHz | 32MB | 105W |
Core i7-14700K | 20(8+12) 28 | 3.4GHz~ 5.6GHz | 33MB | 125W |
Core i7-13700F | 16(8+8) 24 | 2.1GHz~ 5.2GHz | 30MB | 65W |
Ryzen 7 7800X3Dはブーストクロックが控えめですが、ゲームに重要とされるL3キャッシュ容量は突出。
ゲームによって効果に差はあるものの、フレームレートの高さが重要とされるシューター系のゲームではこの上ない強さを発揮してくれます。
3D Mark
主なグラボとSpeedWayのスコアを比較した結果がこちら
フルHDやWQHDはもちろん、4Kでも重いゲームを快適に楽しめる素晴らしいスコアです。
Crystal Disk Mark
Gen3としては標準的な転送速度が出ています。
書き出しはやや速度が落ちているものの、体感できるほどの差はないため気にする必要はありません。
転送速度にこだわる方は、注文時のカスタマイズでGen4に変えることもできます。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen 5) | 10,000MB/s |
---|---|
NVMe M.2 SSD (Gen 4) | 4,000~7,000MB/s |
NVMe M.2 SSD (Gen 3) | 2,000~3,000MB/s |
SSD(SATA) | 550MB/s |
HDD | 120~160MB/s |
静音性
市販の騒音計(サンコー小型デジタル騒音計)を使用して、用途ごとの騒音を計測しました。
高負荷時はファンの回転音が大きく、とくにCPUに負荷をかけると音が大きくなりがち。
ゲーム起動中はムラがあり、落ち着いているときもあれば、ファンがフル回転することも。
ヘッドセットやイヤホンなどをつけていれば気にならないレベルですが、スピーカーでゲームをプレイしたい方や、静音性にこだわる方は気になってしまうと思います。
また、アイドル時(PCで何も動かしていない状態)でもそよ風程度の音が発生しており、低負荷時も無音とは言えません。
BIOSの設定をのぞいてみると、CPUクーラーやケースファンはサイレントモード、ウォーターポンプはスタンダードモードに設定されていました。
筆者が使用している騒音計の目安は以下の通り。
60dB~ | 掃除機に匹敵するほどうるさい 遮音性の高いイヤホンやヘッドセットが必須 |
---|---|
50~60dB | 大多数の人がうるさく感じる イヤホンやヘッドセットの使用が必須 |
45~50dB | ファンの音がやや気になりはじめる イヤホンやヘッドセットの使用を推奨 |
40~45dB | ファンの音は聞こえるが不快ではない スピーカーでもゲームはプレイ可能 |
38~40dB | PCに耳を近づけると音が聞こえる程度 スピーカーでも快適にプレイが可能 |
冷却性能
PCに負荷をかけたときの温度も確認しました。
CINEBENCH計測中のCPU温度は、最大で86℃。
CPU使用率100%で90度に届かないなら十分な冷却性能といえそうです。
ゲーム起動中はプレイするタイトルで温度がかなり変化。
Apex LegendsではCPU温度が70度を超えている場面が多かったものの、VALORANTでは60度前後で安定。
GPU温度は4Kで重いゲームを動かしても70度に届くことはなく、60台で安定していました。
ファンの回転音はやや大きめですが、冷却性能については心配なさそうです。
PCゲームのフレームレート検証
まずは定番のベンチマークソフトを3種類試しました。
いずれも画質は最高設定で試しています。
フルHD | WQHD | 4K | |
---|---|---|---|
FF15 | 20,468 非常に快適 | 15,491 非常に快適 | 8,953 快適 |
FF14 暁月のフィナーレ | 38,895 非常に快適 | 31,479 非常に快適 | 16,328 非常に快適 |
BLUE PROTOCOL | 38,126 極めて快適 | 26,888 極めて快適 | 13,514 極めて快適 |
グラフィックの重いFF15は4Kだと「快適」どまりで、場面によっては多少重く感じることがあるかもしれません。
続いてMSIのAfterburnerを使用して、人気ゲームの平均フレームレートをフルHD解像度で計測しました。
フォートナイトはDirectX12とパフォーマンス、レンダリングモードごとに検証。
最高画質(DX12) | 115fps |
---|---|
競技設定(パフォーマンス) | 631fps |
DirectX12ではアンチエイリアスを「TSR最高」、テンポラルスーパー解像度は「推奨」、さらにハードウェアレイトレーシングもONで計測しています。
パフォーマンスモードの競技設定は3D解像度のみ100%で計測。
最近のアップデートで初期マップに戻ってかなり軽くなったこともあり、パフォーマンスモードではメキメキとフレームレートが伸びます。
今後のアプデでまた変動すると思いますが、240fps張り付きでプレイしたい方にもおすすめです。
そのほかのゲームはすべて最高画質で検証した結果です。
Apex Legends | 278fps |
---|---|
VALORANT | 578fps |
Escape from Tarkov | 118fps |
Overwatch 2 | 484fps |
Apex Legendsは最高画質のままでも240以上で安定するため、フレームレートの上限値にこだわらないなら画質を下げる必要はありません。
VALORANTはRyzen 7 7800X3Dと相性がとても良いようで、最高画質のままでフレームレートの平均値は500を超えていきます。
360Hz以上のハイエンドモニターと組み合わせてもよいでしょうし、競技シーンで活動している方も、これだけの性能があれば満足できるのではないでしょうか。
タルコフのフレームレートがあまり伸びていないのはゲーム側の仕様と思われます。
高解像度での検証
WQHDと4Kでも人気ゲームをいろいろ動かしてみました。
レイトレーシングやフレーム生成に対応しているゲームはいずれもONに設定し、DLSSやFSRはデフォルト設定やオートで検証しています。
ARMORED CORE VI | 119fps |
---|---|
Assassin’s Creed Mirage | 155fps |
Starfield | 167fps |
Cyberpunk 2077 | 105fps |
Forza Horizon 5 | 196fps |
スターフィールドは最近のアプデでDLSSとフレーム生成に対応したことで、フレームレートが格段に伸びやすくなりました。
Cyberpunk 2077はもっとも重たい設定のオーバードライブモードで検証。
WQHDならグラフィックが重いタイトルも最高画質でサクサク楽しめます。
ARMORED CORE VI | 105fps |
---|---|
Assassin’s Creed Mirage | 105fps |
Starfield | 138fps |
Cyberpunk 2077 | 65fps |
Forza Horizon 5 | 140fps |
4Kでは全体的にフレームレートがダウンしているものの、いずれも快適にプレイ可能。
Cyberpunk 2077は場面によって若干カクつくことがあるかもしれませんが、多少画質を調整するだけでストレスなく楽しめます。
ただ、いずれもRTX 4070 Tiの標準的なパフォーマンスといった印象。
高解像度やプレイするゲームのジャンルによっては、Ryzen 7 7800X3Dの強みを実感しづらいかもしれません。
ゲーム実況のライブ配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施しています。
Ryzen 7 7800X3DとRTX 4070 Tiの組み合わせならスペックに余裕があるため、別売りのWebカメラを使用して、FaceRigでアバターも表示しながら試しました。
OBSの主な設定は以下の通り。
ゲームの画質 | 最高 |
---|---|
出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア |
Apex Legendsで試したところ、配信&録画中も平均フレームレートは最高画質で250前後で安定、低画質ではほぼ300に張り付いていました。
配信するゲームによっては多少設定の調整が必要になるかもしれませんが、PC1台でVTuberとしてゲーム実況の配信も余裕です。
これからライブ配信に挑戦してみたい方はもちろん、すでにストリーマーとして活躍している方にも安心しておすすめできます。
競技シーンを目指す方におすすめ
レビューのまとめとして、GALLERIA XA7R-R47Tの特徴をおさらいします。
超・高fpsで人気ゲームを楽しめる
重いゲームも高解像度で快適に動作
PC1台でVTuberとして活動も余裕
標準搭載のM.2 SSDがQLC NAND
高負荷時のファンの回転音が大きめ
パフォーマンスモードのフォートナイトやVALORANTなど、人気のシューター系ゲームをヌルヌル動かせるのは非常に楽しいです。
競技シーンを目指している方はもちろん、ガチでやりこみたい方にも文句なしでおすすめです。
ただ4Kでグラフィック重視のゲームをプレイする際はRyzen 7 7800X3Dのメリットを実感しづらく、用途に合わせて判断したほうがよいでしょう。
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