Dellが販売するゲーミングパソコン、G5 15をお借りしました。
機材貸出元:デル・テクノロジーズ株式会社
第10世代のCore i7にRTX 2060を搭載した、ミドルスペックのゲーミングノートです。
Dellが好きな方はもちろん、フォートナイトやApexLegendsなどの人気ゲームをノートPCで快適にプレイしたい方は、ぜひじっくりご覧ください。
Dell G5 15の特徴
Dell G5 15がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
最高画質で幅広いゲームを楽しめる
設定を工夫すればライブ配信も可能
タイピングしやすいキーボード配列
動画編集などの用途でも活躍する
価格だけで比較すると割高
持ち歩くには大きくて重い
「各種人気ゲームでどれくらいフレームレートを出せるのか先に知りたい!」
という方はこちらからご覧ください。
スペック
CPUやGPUなど、今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-10750H |
GPU | GeForce RTX 2060 |
メモリ | 16GB(DDR4-2933MHz) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 1TB |
販売価格 | 182,980円~ |
CPUとGPUの細かいスペックを知りたい方は、こちらをご覧ください。
メモリは16GB(8GB×2)、ストレージも1TBと十分な容量が搭載されています。
ゲームはもちろん動画編集などの用途でも活躍するスペックです。
ラインナップ
Dell G5 15はラインナップが幅広いのも魅力。
CPU | GPU | ストレージ | モニター | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i5-10300H | GTX 1650 Ti | 512GB | 120Hz | 118,980円〜 |
Core i7-10750H | GTX 1660 Ti | 512GB | 144Hz | 166,980円〜 |
Core i7-10750H | GTX 1660 Ti | 1TB | 144Hz | 174,980円〜 |
Core i7-10750H | RTX 2060 | 1TB | 144Hz | 182,980円〜 |
Core i7-10750H | RTX 2060 | 1TB | 300Hz | 194,980円〜 |
今回お借りしたのはRTX 2060と144Hzのモニターを搭載したモデル。
300Hzのモニターは魅力ですが、ノートPC向けのRTX 2060でそこまで高いフレームレートを出せるゲームは少ないので、積極的にはおすすめしません。
レイトレーシングに興味がないなら、GTX 1660 Ti搭載モデルを選んでも良いでしょう。
他社と比較すると割高
はっきり書いてしまうと、DellのゲーミングPCは安くありません。
Core i7とRTX 2060を搭載したゲーミングノートは人気が高く、各メーカーから競合モデルが販売されています。
主な仕様と価格を整理すると以下の通り。
ドスパラ | レノボ | G-Tune | ASUS | |
---|---|---|---|---|
モデル | GALLERIA GCL2060RGF-T | Legion 550Pi | E5-144 | ROG Strix G15 G512LV |
CPU | Core i7-10875H | Core i7-10750H | Core i7-10875H | Core i7-10750H |
GPU | RTX 2060 | |||
メモリ | 16GB | |||
ストレージ | 512GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD | 512GB NVMe SSD | |
販売価格 | 124,980円~ | 155,544円~ | 159,800円~ | 168,000円~ |
実機レビュー | 詳しく見る | 詳しく見る | 詳しく見る | 詳しく見る |
CPUやストレージ容量に細かい差はあれど、価格ではドスパラやが圧倒的。
ただし、ドスパラのゲーミングノートはキー配列のクセが強いなど、気になるポイントがあるのも事実。
価格以外の点も総合的に比較しながら、納得のいく1台を選びましょう。
それぞれ実機をレビューしているので、合わせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点のものです。時期によって変動するので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
デザイン・大きさ
ここからはDell G5 15のデザインを見ていきます。
写真だとわかりづらいですが、天板はラメのような加工が施されていて、光の当たり方によってキラキラと輝きます。
仕様上の大きさは365.5×254mmで、今どきの15.6型としては少し大きめ。
裏側は排熱のために半分近くがメッシュ状になっています。
分厚さも24.5mmあります。
背面から温風が出てくるので、パソコンの近くに冷たい飲み物などは置かないほうがいいです。
本体下側にはライン上に発光する機能を搭載しており、プリインストールされている「Alienwareコマンド センター」から色や明るさなどを制御できます。
重量は実測で約2.5kgでした。
ビジネス用途の薄型ノートPCと比べるとかなり重いので、持ち歩く前提で考えている方は、しっかりとしたPCバッグを用意したほうが良いでしょう。
据え置きで使う分には気になりません。
GTX 1650 Ti搭載モデルは寸法やインターフェイスなどの仕様が一部異なります。
ACアダプター
付属のACアダプターはとても大きいです。
ゲーミングノートは消費電力の高いCPUやGPUを搭載しているため、基本的にACアダプターへの接続は必須。
PCゲームは電力消費が激しく、バッテリー駆動ではパフォーマンスが著しく落ちます。
ケーブル込みで約953gありました。
パソコンと一緒に持ち歩くと3kgを超えるので、かなりの重量です。
インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。
- SDカードスロット
- マイク・イヤホンコンボジャック
- USB 2.0 ×2
- ケンジントンロック
- 電源
- mini DP
- HDMI
- USB 3.2 Gen1
- 有線LAN
- USB 3.2 Gen2 Type-C
本体左側のUSB Type-CはThunderbolt 3に対応。
有線LANも接続できますが、無線LANはWi-Fi 6に対応。
Bluetoothにも対応しているため、マウスやゲームパッドなどをワイヤレスで接続できます。
背面にポート類は何もありません。
キーボード
キーボードはテンキーありの日本語配列。
打鍵感はペタペタ系で、ノートPCとしては普通といった印象。
クセのないキー配列で、事務仕事などでもタイピングしやすいです。
強いて気になる点を挙げるなら、エンターキーの横幅が少し小さめで、バックスペースと\の間隔も狭いです。
ゲームをするうえでは、スペースキーが少し狭いのも気になるかもしれません。
仕様に明記はされていないものの、電源ボタンは指紋認証機能に対応している模様。
タッチパッドは一体型で、縦に広く作られている印象です。
単色のバックライトも搭載しており、暗い場所でゲームをするときもミスタイプを防げます。
ゲーム起動中はPC内部の発熱でキーボードも熱くなります。触れなくなるほどではありません。
ディスプレイ
ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)ノングレア(非光沢)液晶。
リフレッシュレートは144Hzで、PS4やSwitchなどのコンソール機では実現できない高フレームレートのヌルヌル感を味わえます。
Webカメラも搭載しているため、顔出しでライブ配信をしたい方やオンライン会議などを多用する方も安心。
ディスプレイは最大でここまで開きます。
タッチパネルには非対応です。
ディスプレイのリフレッシュレートはモデルによって異なります。
sRGBカバー率約96%の広色域
ディスプレイの色域をi1 Display Proでチェックしたところ、sRGBカバー率は約96.4%、AdobeRGBカバー率が約71.5%でした。
ゲーミングノートとしては、非常に色域が広いです。
Webデザインや写真のレタッチ、動画編集など、ちょっとしたクリエイティブ用途なら仕事でも普通に使えてしまいます。
印刷を前提とした用途ではさすがにカラーマネジメントモニターが必要ですが、十分すぎるスペックといえるでしょう。
Dell G5 15のベンチマーク
ここからはDell G5 15の性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。
まずパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10のスコアは4,793でした。
搭載されているスペックを考えると少し低めに感じますが、ExcelやWordなどの事務作業、各種クリエイティブ用途でも活躍するスコアです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20でCPUの性能をチェックした結果はこちら。
Core i7-10700 | |
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Core i7-10875H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-9700 | |
Core i7-9750H |
第9世代のデスクトップ向けCPU(Core i7-9700)のスコアをわずかに上回りました。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアはこちら。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 2060(別モデル) | |
RTX 2060(レビュー機) | |
GTX 1660 SUPER | |
GTX 1660 |
GTX 1660 SUPERに負けることはないとはいえ、RTX 2060としては少し低めのスコアです。
排熱処理がうまくいっていないのか、何度か試しても14,000の壁は超えられず。
VR Mark
VR Markの各種スコアはご覧の通り。
軽めのVRゲームならそれなりに動かせるスコアです。
VRゲームで遊ぶには、VRヘッドマウントディスプレイを別途購入する必要があります。
Crystal Disk Mark
ストレージ(M.2 SSD)の転送速度は、読み込みで2,900MB/sとなかなかのスコアでした。
ハイエンドクラスのM.2 SSDだと読み込みが3,300MB/sを超えるので、もう少し頑張ってほしかったところ。
とはいえ実用上、ストレスを感じる場面はほとんどないでしょう。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
NVMe M.2 SSD(Gen4)は、今のところデスクトップPCの限られた環境下でしか使えません。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1920×1080(フルHD)のノートパソコンに設定しています。
重量級ゲームのFF15は、高品質で「快適」という結果でした。
場面によっては多少処理が重くなりそうなので、画質を少し落としたほうが快適に遊べそうです。
FF14やドラクエXはグラフィックが軽めなので、最高画質のままサクサク動かせます。
FF15
高品質 | 6012(快適) |
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標準品質 | 7352(快適) |
軽量品質 | 9225(とても快適) |
FF14 漆黒の反逆者
最高品質 | 13117(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX
最高品質 | 11699(すごく快適) |
---|
PCゲームのフレームレート検証
ここからは実際にパソコンゲームをフルHD解像度の最高画質で動かして、どれくらいのフレームレートが出たかご紹介します。
フレームレートの抽出にはMSIのAfterburnerとGeForce Experienceを使用。
主な人気ゲームの平均フレームレートをまとめた結果がこちら。
フォートナイト | 96fps |
---|---|
Apex Legends | 84fps |
PUBG | 78fps |
VALORANT | 126fps |
Rainbow Six Siege | 150fps |
モンハンワールド:アイスボーン | 52fps |
フォートナイトは低画質まで落とすと150前後までフレームレートが伸びます。
ディスプレイのポテンシャルを最大限に発揮したいなら、画質を落としてプレイしたほうが良いでしょう。
VALORANTやRainbow Six Siegeのようなグラフィックが軽いFPSゲームは、最高画質で十分快適にプレイできます。
レイトレーシング性能
レイトレーシング(DXR)に対応したゲームを、最高画質でプレイしたときの平均フレームレートがこちら。
DXR ON | 46fps |
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DXR OFF | 80fps |
DXR ON | 44fps |
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DXR OFF | 68fps |
DXR ON | 18fps |
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DXR OFF | 28fps |
DXR ON | 24fps |
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DXR OFF | 36fps |
CoD:BOCWとBattlefield VはDXRをONにしても見た目が少し変わる程度なので、マルチプレイではOFFがおすすめ。
シングルプレイをじっくり楽しむなら、DXRをONにしてもよいでしょう。
WATCH DOGS LEGIONとCyberpunk 2077はDXRをONにしたほうが世界観を楽しめますが、グラフィックが激重。
FPSゲームほどの高いフレームレートは必要ないものの、最低でも30以上はキープしたいところ。
最新のレイトレ対応ゲームを最高画質でサクサク遊ぶには、RTX 2060ではパワー不足です。
Bright Memory RTX Benchmark
ベンチマークソフトのBright Memoryを走らせた結果がこちら。
RTX 3080 | |
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RTX 3070 | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2080 | |
RTX 2060 |
掲載しているスコアは以下の設定で試したときの平均フレームレートです。
- 解像度:フルHD
- RTX:Very High
- DLSS:Quality
仕方のないことですが、最新グラボのRTX 30シリーズとは大きな差があります。
VRゲームの動作検証
Oculus Quest 2を専用ケーブルでつないで、PC用のVRゲームを実際に動かしてみました。
Half-Life: Alyxはグラフィックが重く、中画質まで落とせば目立ったカクつきもなくプレイできました。
VRゲームのカクつきは酔いやすくなるため、最高画質でのプレイはあきらめたほうが良いでしょう。
Beat SaberはVRゲームとしては非常に軽く、グラフィック設定をいじらずとも快適にプレイできました。
ゲーム実況の動画配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施です。
低画質まで落としたApex Legendsを1080pかつ60fpsのソフトウェアエンコードで配信&録画したところ、映像がカクカクになってしまいました。
出力解像度を1080pから720pに落とすと、カクつきが軽減されてスムーズに配信できました。
ゲームの画質を落としたり、OBSの設定を工夫すれば一応ライブ配信は可能ですが、もう少しハイスペックなPCが欲しくなります。
ハードウェアエンコードでは配信が静止画になります。
スマホゲームなどは配信可能
キャプチャーボードをつないでスマホゲームの配信も試してみました。
iPhone8でPUBG MOBILEの配信を試したところ、こちらはハードウェアエンコードでも1080pかつ60fpsでスムーズに配信&録画できました。
スマホゲームやコンソール機の配信なら、こまかい設定をいじらずとも高画質での配信が可能です。
クリエイティブ用途の動作検証
続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。
メモリが16GB搭載されているので、複雑な演出やエフェクトを加えない限りスムーズに動かせます。
After Effectsを使ったり、4K動画の編集も視野に入れているなら、メモリは32GB欲しいところですが、注文時のカスタマイズには非対応。
自身でケースを外してメモリを増やすという手もありますが、メーカー保証の対象外になる恐れがあるので、自己責任で判断してください。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 34:48 |
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H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 12:17 |
一般的な薄型ノートパソコンだと40分以上かかることもあるので、まずまずのスピードです。
LightroomでRAW現像
デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、かかった時間は2分32秒。
主なCPUと結果を比較したグラフはこちら。
Core i7-10700 | |
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Core i7-9750H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-8750H | |
Core i5-10300H |
Core i7-10750Hならもう少し速く書き出せるはずですが、いまいちスピードが出ず。
とはいえ実用上はほとんど気になることはありません。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
据え置きマシンとしておすすめ
レビューのまとめとして、Dell G5 15の特徴をおさらいします。
最高画質で幅広いゲームを楽しめる
設定を工夫すればライブ配信も可能
タイピングしやすいキーボード配列
動画編集などの用途でも活躍する
価格だけで比較すると割高
持ち歩くには大きくて重い
値段の安さだけで選びたい方にはおすすめしづらいものの、ミドルスペックのゲーミングノートとして十分な性能が備わっています。
Dellはチャットや電話で購入相談もできるので、ラインナップが豊富で迷ってしまうときは、ぜひ活用してみてください。
ゲームはもちろん、幅広い用途で活躍するハイスペックノートPCを探している方は、Dell G5 15を候補に入れてみてはいかがでしょうか。