STORM(ストーム)が販売するゲーミングPC、幻界GOLDをお借りしました。
機材貸出元:株式会社アイティーシー
もともと販売されていた人気モデル「幻界」が、日本限定カラーのケースに身を包んでアップデート。
黒いケースに金色の内部パーツという、ほかのBTOメーカーではなかなか見かけない高級感のあるカラーリングです。
人気ゲームをどこまで快適に動かせるのか、冷却性能や静音性は問題ないのかなど、詳しく検証しました。
幻界GOLD(GKG-97X97XT)の概要

今回お借りした製品の特徴をまとめると以下の通り。
黒と金で高級感のあるカラーリング
背面コネクタでケーブルがすっきり
ライティングのカスタマイズも簡単
人気ゲームを高画質で快適にプレイ
価格高騰の影響もあり価格は高め
カスタマイズの選択肢は少なめ
基本的なスペックから搭載されている内部パーツ、実際に人気ゲームを動かして計測したフレームレートまで、順に詳しくご説明します。
スペック
貸出機のスペックと記事執筆時点の販売価格はこちら。
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 9700X |
| GPU | AMD Radeon RX 9070 XT 16GB |
| メモリ | DDR5-5600 32GB(16GBx2) |
| ストレージ | 1TB NVMe SSD Gen4 |
| 販売価格 | 404,800円(税込) |
メモリやストレージの容量などは注文時にカスタマイズが可能。
CPUやGPUの細かいスペックはこちらをご覧ください。


昨今の価格高騰の影響がすでに表れており、一時期と比べて価格が上がっています。
価格や在庫状況は時期によって変動するものなので、最新情報はSTORMの公式サイトでご確認をお願いします。
期間限定の割引クーポン
幻界GOLDが2,000円OFFで買える、期間限定のクーポンを発行いただきました。
sukekom2025gkg
※2026/1/12 まで
製品をカートに入れて、注文手続きの画面まで進むとクーポンコードを入力できる欄が現れます。
ゲーミングPCの購入を検討中の方は是非ご活用ください。
ケース外観
幻界の通常モデルと同じく、背面コネクタマザーボードに対応したMSIのMAG PANO M100R PZを採用。
幻界GOLDは電源ユニットを収納するシュラウド部分がオリジナルのゴールドカラーになっています。


仕様上の寸法は奥行488mm、横幅235mm、高さが453mm。
ミドルタワーに近いサイズ感ですが、マイクロATXマザーボードに対応したケースです。
机の上に設置するつもりの方は、あらかじめサイズを確認しておくことをおすすめします。


四角いデザインのケースが多い中、幻界のケースはところどころが斜めになっているのが特徴。
ケース天面にフィギュアなどを飾るのは難しいですが、ほかにはない独特なデザインを楽しめます。


強化ガラスパネルにはうっすらとスモークがかかっています。
なおホワイトケースを採用した通常モデルをはじめ、背面コネクタグラボを搭載した幻界PLUSも販売中。
好みに合わせてケースのカラーを選べます。


天面のパネルは背面側のネジを2つゆるめると取り外せます。
ほこりが目立ってきたときには簡単に掃除ができます。


底面の防塵フィルターはマグネットで貼り付けるタイプ。
スライド式で引き出せるタイプだと楽なのですが、ケースを傾けるか寝かせないとパネルを取り外せません。
強化ガラスとはいえ、ケースを動かすときは慎重に扱いましょう。
インターフェイス

電源ボタンなどは正面から見て左側に用意されています。
- 電源
- LED
- イヤホン/マイク
- USB 3.2 Gen 1 Type-A
- USB 3.2 Gen 2×2 Type-C
LEDボタンを押すことでケースファンの色などを切り替えられます。

背面の主な入出力端子は以下の通り。
- USB 10Gbps Type-A x3
- USB 5Gbps Type-A x3
- USB 10Gbps Type-C x2
- 5G LAN ×1
- HDMI ×1
- Display Port ×3
有線LANは5Gに対応しており、もちろん無線LAN(Wi-Fi、Bluetooth)にも対応。
Type-Cポートはケース側と合わせて合計3個あり、とても便利です。
RGBライティング

ケースファンの色や光り方はLEDボタンから切り替えが可能。


好みの問題ではありますが、内部パーツがゴールドということもあり、黄色いライティングと合わせるのが一番しっくりくるように思います。


LEDボタンを3秒ほど長押しすると、マザーボード側の制御に切り替わります。
MSI Centerを別途インストールすれば、ソフトウェア経由でライティングのカスタマイズも可能。
7秒ほど長押しするとライティングが消灯。
その日の気分にあわせて、LEDの光り方を簡単に切り替えられます。
ケース内部

側面のガラスパネルはツールレスで簡単に取り外せます。

市販のケースではシュラウド部分もブラックですが、独自カラーにカスタムされています。

このケースは裏配線のスペースが狭く、ケーブルをきれいに整えるのは難易度が高めですが、結束バンドを使って美しく整理されています。


このあたりはさすがプロの仕事といった印象です。


ケースファンはいずれも120ミリで、右側面の3連ファンは空気を吸い込むリバースタイプ。

ケースファンはSTORMオリジナルの製品ではなく、ケースに標準搭載されるファンがそのまま使われているようです。

ファンのライティングや回転量はファンハブ経由で一括制御。
抜けやすいケーブルはテープで固定されていました。
マザーボード

マザーボードは背面コネクタに対応したMSIの製品を採用。
ヒートシンクがゴールドにカスタムされています。

型番を調べても該当する製品が出てこず、STORM専売の特注品かもしれません。
カスタマイズの内容から判断する限り、M.2 SSDの空きスロットは1つあるようです。
PCIeの空きスロットも確認できましたが、今回の構成はグラボが分厚く、拡張カードによっては干渉が心配です。
CPUクーラー

STORMオリジナルの簡易水冷クーラーを搭載、ラジエーターのサイズは240mm。

制御ソフトがプリインストールされており、ヘッドのデザインを自由にカスタマイズ可能。
プリセットが多数用意されているだけでなく、任意の画像や動画をアップロードして表示することもできます。




液晶パネルは2.8インチと大きく、なかなか迫力があります。
BTOパソコンに搭載される簡易水冷クーラーは液晶非搭載の製品が多いため、ここまで表示をいじれるのは貴重です。
グラフィックカード

グラボはXFX製のトリプルファンタイプが採用されていました。

専用のグラボステーもゴールドで統一。
かなりしっかりとした作りで、巨大なグラボも自重で傾くことなく安心して使えます。
メモリ

メモリは専用のシールドで隠されており、姿が見えません。
CPU-Zで読み取った情報は以下の通り。


標準で32GB搭載されているのもGood。
なお搭載パーツは時期によって変わる可能性があります。
ストレージ

M.2 SSDも発熱を抑えるためのヒートシンクが搭載されていて、姿が見えません。
CrystalDiskInfoで読み取った情報は以下の通り。

マザーボードの裏側に2.5インチや3.5インチのストレージを増設できそうなシャドウベイを確認。

周辺のケーブルがきっちりと固定されているため、実際にストレージを増設するときは少し大変そうです。
電源

電源ユニットは台湾の老舗メーカー「CWT」の850W(80PLUS GOLD)を搭載。
今回の構成であれば容量不足については一切心配無用。
なおカスタマイズには対応していないようです。
幻界GOLD(GKG-97X97XT)の性能

ここからは各種ベンチマークソフトを使用して、搭載パーツの性能を数値化していきます。
いずれも素人が計測したデータなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R23

BTOでよく見かけるRyzen 7 7700と比べると、マルチコアとシングルコア、どちらも順当にスコアが伸びています。
個体によって多少の差はあるものの、シングルコアのスコアはRyzen 7 9800X3Dを上回ることも。
発熱が控えめで扱いやすいという特徴もあり、非常にバランスの良いハイスペックCPUです。
Steel Nomad

Radeon RX 9070 XTは、ライバルにあたるGeForce RTX 5070 Tiと肩を並べるゲーム性能があります。
一部の極端に重たいゲームを除けば、4Kの最高画質でも快適にプレイ可能。
GeForce RTX 5070 Tiと迷う方も多いですが、3DCGなどのクリエイティブ用途をはじめ、ゲーム以外でもPCをフル活用するならGeForceがおすすめ。
レイトレーシング性能にこだわらず、用途がゲームメインであればRadeonを選んだほうがコスパは良いです。
幻界GOLDにはGeForce搭載モデルもあるため、用途に合わせてグラボを選びましょう。
Crystal Disk Mark

Gen4 SSDとしてはハイエンドクラスの性能で、転送速度は申し分なし。
ただし時期によって搭載される部材は変更になる場合もあります。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
| NVMe M.2 SSD (Gen 5) | 10,000~15,000MB/s |
|---|---|
| NVMe M.2 SSD (Gen 4) | 4,000~7,000MB/s |
| NVMe M.2 SSD (Gen 3) | 2,000~3,000MB/s |
| SSD(SATA) | 550MB/s |
| HDD | 120~160MB/s |
静音性
市販の騒音計(サンコー小型デジタル騒音計)を使用して、用途ごとの騒音を計測しました。

Ryzen 7 9700Xは発熱が控えめということもあり、フルロード時もファンの音は控えめ。
ただゲームを動かすとファンの音が大きくなりがちで、うるさいと感じるほどではないものの、グラボの静音性はもう一歩という印象。
また、アイドル時も完全に無音とは言えず、個人的にはもう少し回転量を抑えたいところ。
BIOSの設定変更はメーカー保証から外れてしまうリスクがあるものの、ファンの音が気になる方は設定を調整してもいいかもしれません。
筆者が使用している騒音計の目安は以下の通り。
| 60dB~ | 掃除機に匹敵するほどうるさい 遮音性の高いイヤホンやヘッドセットが必須 |
|---|---|
| 50~60dB | 大多数の人がうるさく感じる イヤホンやヘッドセットの使用が必須 |
| 45~50dB | ファンの音がやや気になりはじめる イヤホンやヘッドセットの使用を推奨 |
| 40~45dB | ファンの音は聞こえるが不快ではない スピーカーでもゲームはプレイ可能 |
| 38~40dB | PCに耳を近づけると音が聞こえる程度 スピーカーでも快適にプレイが可能 |
冷却性能
用途ごとの冷却性能もチェック。
計測時の室温は25℃です。

CPUの使用率が100%まで跳ね上がるCINEBENCH計測中も、60度前後をキープ。
Ryzen 7 9700Xは3,000円前後の空冷クーラーでも十分冷やせるため、240mmラジエーターの簡易水冷クーラーでは冷却性能にだいぶ余裕があります。
続いて負荷が高めなゲームを4Kで動かしてCPUとGPUの温度を確認。


GPU負荷が高めのゲームでもGPU温度は60度前後で安定。
冷却性能についてはまったく心配なさそうです。
Battlefield 6など、CPUの負荷が高めなゲームでもCPU温度はおおむね60度台で安定していました。
ピラーレスケースはエアフローを心配する方も多いですが、実際に負荷をかけて試したところ、冷却性能はまったく問題なしです。
PCゲームのフレームレート検証

AMD Software: Adrenalin Editionのバージョンは25.12.1を使用。
AFMF 2などは使用せず、ゲーム側の設定のみを整えて検証しています。
まずは定番のFF14ベンチを解像度ごとに回してみました。
| フルHD | 29,585 非常に快適 |
|---|---|
| WQHD | 23,165 非常に快適 |
| 4K | 12,204 とても快適 |
4Kの判定は非常に快適に届かずでしたが、実際はストレスなく遊べると思われます。
そのほか定番ゲームのベンチマークも解像度ごとに回してみました。
| フルHD | WQHD | 4K | |
|---|---|---|---|
| アサクリシャドウズ | 139fps | 122fps | 94fps |
| Cyberpunk 2077 | 232.31fps | 172.31fps | 88.21fps |
| 黒神話:悟空 | 131fps | 111fps | 77fps |
いずれもアップスケーリングはFSRのクオリティに設定、フレーム生成もONで計測した結果です。
Cyberpunk 2077は最高設定から一段階下げたレイトレーシング:ウルトラ、黒神話:悟空はレイトレOFFの最高画質でベンチマークを計測。
4KかつレイトレONの最高設定でサクサク動かしたいなら、GeForceを選ぶことをおすすめします。
| フルHD | 142fps |
|---|---|
| WQHD | 137fps |
| 4K | 110fps |
モンハンワイルズはベンチマークではなく、隔ての砂漠でアルシュベルド討伐クエストを実際にプレイして平均値を計測。
ウルトラ画質でFSRはクオリティ、フレーム生成ONのレイトレ 高設定で試した結果です。
フィールドやモンスターによって多少差は出てくるものの、4Kでも快適に遊べます。
| フルHD | 238fps |
|---|---|
| WQHD | 213fps |
| 4K | 141fps |
Battlefield 6はもっとも重たい設定の「オーバーキル」でFSRをクオリティ、フレーム生成ONでマルチプレイを実際に遊んで平均値を計測。
最高設定でもそこまで重くないため、4Kでもストレスなく遊ぶことができました。
続いて定番のシューター系ゲームをフルHDで実際にプレイして、平均フレームレートを計測しました。
フォートナイトはDirectX12とパフォーマンス、レンダリングモードごとに検証。
| 競技設定(DirectX12) | 322fps |
|---|---|
| 競技設定(パフォーマンス) | 455fps |
3D解像度と描画距離を最高、その他は最低まで落とした、いわゆる競技設定でソロマッチをプレイ。
プロゲーマーを目指すような方には物足りないのかもしれませんが、カジュアルに遊ぶにはまったく問題ない性能です。
リフレッシュレートの高いゲーミングモニターを使えば、ゲーミングPCでしか味わえないヌルヌル感を堪能できます。
| 最高画質 | 300fps |
|---|
Apex Legendsは最高画質でカジュアルマッチを実際にプレイ。
このゲームはRadeonと相性が良いこともあり、画質を下げずとも上限値の300fps付近でおおむね安定してくれます。
300fpsを下回る場面はちらほらあるものの、体感できるほどの落ち込みはほぼなく、ランクマッチなどを真剣にやりこんでいる方も納得の性能です。
| 最高画質 | 560fps |
|---|
VALORANTは最高画質でスパイクラッシュをプレイ。
ほとんどの方には十分すぎるフレームレートを出せますが、さらに上を目指すならRyzen 7 9800X3Dなどを選びましょう。
ゲーム実況のライブ配信

TwitchでApex Legendsのゲーム実況をスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施。
VTube Studioでアバターも表示しながら試しました。
ゲームやOBSの主な設定は以下の通り。
| ゲームの設定 | フルHD、最高画質 |
|---|---|
| 出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
| FPS共通値 | 60 |
| 映像ビットレート | 6,000 Kbps |
| 配信エンコーダ | ハードウェア(AMD, H.264) |
| 音声ビットレート | 160 |
| 録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
| 録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
| 録画エンコーダ | ハードウェア(AMD, H.264) |
VTube StudioはCPUの負荷がそこそこ高いソフトウェアですが、途中で映像が乱れたり、配信が停止するようなこともなく、最後までノートラブル。
ただし、ゲームのフレームレートは一時的に220前後まで落ち込むことも。
プロゲーマーでもなければ問題にならないと思いますが、配信中も常に高いフレームレートを維持したいなら、CPUはRyzen 7 9800X3Dを選ぶことをおすすめします。
ゲーム側の設定やOBSの調整は必要になってくるものの、PC1台でストリーマーとして活動していくことも可能です。
個性が際立つビジュアル重視のマシン

レビューのまとめとして、改めて特徴をおさらいします。
黒と金で高級感のあるカラーリング
背面コネクタでケーブルがすっきり
ライティングのカスタマイズも簡単
人気ゲームを高画質で快適にプレイ
価格高騰の影響もあり価格は高め
カスタマイズの選択肢は少なめ
好みが分かれる配色ではあるものの、黒いケースで高級感のあるゲーミングPCを探している方には魅力的な選択肢になることでしょう。
独自カラーのケースはもちろん、マザーボードや簡易水冷も単体では入手できないため、STORMでしか買えない特別仕様のゲーミングPCです。
ホワイトケースの幻界も販売を継続中ですから、好みに合わせてケースのカラーを選べるのも魅力のひとつです。
記事執筆時点では、ショッピングローンの金利手数料が最大36回まで無料になるキャンペーンも実施中。
人とは少しちがうおしゃれなゲーミングPCを探している方は、STORMの幻界GOLDを検討してみてはいかがでしょうか。













