SAPPHIREが販売するグラフィックカード、PULSE Radeon RX 6600 8G GDDR6を購入しました。
発売当初は6万円前後でしたが、半年以上経ったこともあり価格が徐々に下落。
44,800円ならアリでしょ、と思いポチってみました。
定番のベンチマークソフトや各種ゲームで検証したRX 6600の性能について詳しくまとめました。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 6600
まずはグラボのスペックやデザインなど、基本的な情報からお伝えします。
「そんなことよりベンチマークスコアが見たい!」
という方はこちらをご覧ください。
主なスペック
主なスペックは以下の通り。
ビデオメモリ | 8GB(GDDR6) |
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ストリームプロセッサ | 1,792 |
コアクロック | 2491MHz (Boost Clock)/2,044MHz (Game Clock) |
メモリバス幅 | 128bit |
メモリクロック | 14Gbps |
占有スロット | 2 |
補助電源 | 8ピン ×1 |
寸法 | 193×120×40mm |
GPU-Zの情報はこちら。
もっと詳しいスペックを知りたい方は、SAPPHIREの公式サイトをご確認ください。
デザイン
SAPPHIREのグラボははじめて買いましたが、デザインがとても素晴らしいです。
ツインファンで厚みも2スロットと控えめ。
Mini-ITXなどのコンパクトなケースにも搭載しやすいサイズで、サポートステイなどを用意する必要もありません。
補助電源は8pin×1。
側面から見たときのデザインもいいですね。
RGBライティングは非搭載のため、ピカピカ光らせたい方にとっては少々物足りないかもしれません。
出力端子
出力端子は以下の通り。
- HDMI ×1
- DisplayPort ×3
最大4画面まで出力可能で、最大解像度は7,680×4,320(8K)に対応。
RX 6600のベンチマーク結果
ここからは定番ベンチマークソフトをはじめ、人気ゲームでRX 6600の性能を細かくチェックしていきます。
グラボ以外のパーツ構成は以下で統一しています。
CPU | Intel Core i5-12400F |
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CPUクーラー | DeepCool AS500 |
マザーボード | ASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4 |
メモリ | DDR4-3200 16GB(8×2) |
電源 | 750W(80PLUS GOLD) |
CPUは定格で動作、ファンコントロールなど細かい設定はいじっていません。
RX 6600搭載マシンの推奨電源は450Wとなっているため、電源のスペックはもう少し落としても問題ないと思われます。
比較のために用意したグラボは以下の通り。
- MSI GeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIO
- Palit GeForce RTX 3060 Dual OC 12GB
- Palit GeForce RTX 3050 Dual 8GB
- Palit GeForce GTX 1650 StormX OC
- ASRock Radeon RX 6400 Challenger ITX 4GB
いずれも定格で動かしています。
いずれも筆者のPCで検証した結果です。あくまで参考程度にご覧ください。
3D Markのスコア
まずは超定番、3D Markの各種ベンチマークを試した結果がこちら。
Time Spy
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
CPUとの組み合わせで変動するものの、RTX 3060に迫るスコアです。
Fire Strike
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
Fire Strikeも同価格帯のRTX 3050とは大きな差を付けました。
ただしこれではあくまでベンチマークのスコアであって、ゲームのフレームレートに直結するというわけではありません。
Port Royal
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | – |
RX 6400 | – |
レイトレーシングの性能をチェックするPort Royalでは、RTX 3050と同等レベル。
やはりレイトレーシングはGeForceに分があります。
定番ベンチマークのスコア
FF15とFF14(暁月のフィナーレ)のベンチマークソフトを、それぞれフルHDの最高設定で走らせました。
いずれも順当なスコアといえそうです。
FF15
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
RX 6600は「快適」という結果でした。
グラフィックの重いゲームも、画質を調整すれば快適に楽しめます。
FF14 暁月のフィナーレ
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
FF14はグラフィックが軽めということもあり、「非常に快適」でした。
人気ゲームのフレームレート
ここからは実際に人気ゲームをプレイして、フレームレートの平均値を算出しました。
今回検証したのは以下の通り。
- フォートナイト
- Apex Legends
- VALORANT
- Rainbow Six Siege
- モンスターハンターライズ
それぞれ順にご紹介します。
フォートナイト
フォートナイトはリプレイ機能を使用し、撃ち合い中のシーンを含む、同一場面の平均フレームレートを計測。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
レンダリングモード「DirectX 11」の最高画質ではRTX 3050と変わらず。
視線を大きく動かした際にカクつきを感じることが多く、平均値は70fps以上出ていても快適とは言えません。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
3D解像度と描画距離だけ最大に設定した競技設定でも、フレームレートはイマイチ伸びず。
レンダリングモードを「DirectX 12」に変えて試した結果がこちら。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
一気にフレームレートが伸びて、視線を動かした際のカクつきもなくなりました。
Radeonは「DirectX 12」と相性が良いため、フォートナイトをプレイする際はレンダリングモードの変更を強く推奨します。
追加でフレームレートを240固定に設定して試してみましたが、常に240に張り付くほどのパワーはない、という結果でした。
最後にレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えて試した結果がこちら。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
GTX 1650にすら届かないスコアでした。
パフォーマンスモードは「DirectX 11」がベースとなっているようで、Radeonでの使用はおすすめしません。
フォートナイトは場面によってフレームレートが大きく変動するため、計測タイミングによって平均値も変わります。
Apex Legends
Apex Legendsはカジュアルマッチを実際にプレイ。
近接での撃ち合いシーンを含めた、5分間の平均フレームレートを計測した結果です。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
厳密な比較ではありませんが、RTX 3050には負けないといったところでしょうか。
最高画質でもカクつきを感じることなく快適にプレイできます。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
画質を落とすとRTX 3060 Tiのスコアを上回りました。
スモークを炊いた中で撃ち合うと瞬間的に170~180前後までフレームレートは落ちるものの、おおむね200以上をキープ可能。
Apex Legendsをメインに考えているなら、非常にコスパの高いグラボといえそうです。
VALORANT
VALORANTはプラクティスのスパイク解除モードで検証。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
このゲームはCPUの影響を受けやすく、スコアにほとんど差が出ませんでした。
スパイクラッシュを実際にプレイしてみたところ、フレームレートはおおむね260前後をキープ。
240Hzのゲーミングモニターと相性が良いでしょう。
Rainbow Six Siege
レインボーシックスシージはベンチマークモードで検証した結果です。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
実際のマッチでは少しフレームレートが落ちますが、十分な性能です。
モンスターハンターライズ
モンハンライズは集会所のアケノシルム討伐クエスト(下位)を実際にプレイ。
接敵してからの平均値を計測した結果です。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
このゲームはRadeonと相性が良くないのか、いまいちフレームレートが伸びませんでした。
とはいえアクション系のゲームは60をキープできれば良いので、実用上はまったく問題ありません。
レイトレーシング性能
レイトレーシング対応ゲームの平均フレームレートも検証しました。
ゲームによってスコアが大きく変わるため、相性や最適化の問題があるように思います。
WATCH DOGS LEGION
WATCH DOGS LEGIONは最高画質でベンチマークモードを走らせた結果です。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
DXR(レイトレ)OFFなら最高画質で快適にプレイできます。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | – |
RX 6400 | – |
DXRをONにすると、途端にポンコツになります。
さすがに平均値が30を下回ると快適とは言えません。
DXR ONではまともにプレイできないと考えたほうが良いでしょう。
FARCRY6
FARCRY6もベンチマークモードで検証。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
このゲームは起動時に「AMD」のロゴが表示されることもあり、Radeonと相性が良いようです。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | – |
RX 6400 | – |
DXR ONでもRTX 3060と同等レベルのフレームレートを出せました。
詳細は不明ですが、おそらくゲーム自体がRadeonに最適化されているのでしょう。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077もベンチマークモードを使用しました。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RX 6400 |
普通に動かせるレベルですが、RTX 3050のスコアに一歩届かず。
RTX 3060 Ti | |
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RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | – |
RX 6400 | – |
DXR ONでは悲惨な結果でした。
やはりゲームごとに相性があると考えたほうがよさそうです。
ゲーム実況・ライブ配信
Twitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用し、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズにライブ配信ができました。
ゲームの画質 | 低 |
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出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(AMD) |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(AMD) |
RadeonのハードウェアエンコードはGeForce(NVENC)と比べて画質が若干粗くなりますが、配信&録画自体はとてもスムーズ。
CPUがCore i5-12400Fならソフトウェアエンコードでもなんとかなるため、画質を少しでも良くしたい方はソフトウェアエンコードがおすすめです。
配信するゲームによってPCの負荷は変わるため、その都度最適な設定を見つけてください。
RTX 3050よりコスパは上か
ゲームによって差はあるものの、4万円台で買えるグラボとして考えれば悪くないパフォーマンスです。
レイトレーシングに興味がなく、Apex LegendsやVALORANTをコスパ良く快適に楽しみたいなら、有力候補になるのではないでしょうか。
RTX 3050と価格が変わらないなら、検討してみる価値はあると思います。(今後、RX 6600がさらに値下がりしたら、かなりおいしいです)
今回購入したSAPPHIREのPULSE Radeon RX 6600はファンの回転も非常に静か(ほぼ無音)で、静音性を重視したPCを組みたい方にもおすすめです。
予算や求める性能に合わせて、納得のいくグラフィックカードを選んでください。