メインPCのCPUクーラーを新しくしました。
いろいろ悩みながら選んだのは、空冷最強ともいわれるNoctuaのNH-D15。
どんなCPUクーラーなのか、簡単にご紹介します。
簡易水冷が故障でCPU温度100℃
CPUクーラーを新調したのは、メインPCで使用していた簡易水冷タイプのCPUクーラーが故障したため。
2020年10月にTwitterのキャンペーンでMSIのMAG Core Liquid 240Rをいただきまして。
それ以来、気に入って使っていたのですが、先日、ゲーム中に異変に気付きました。
MSIのAfterburnerでモニタリングしていたところ、ゲーム起動中のCPU温度が100℃まで上昇。
使用しているCPUは、IntelのCore i7-11700Kです。
取り付け方を見直したり、グリスを塗りなおしたり、いろいろ試してみましたが結果は変わらず。
事務仕事程度なら50℃前後をキープできるものの、動画の書き出しでもあっという間にCPU温度は100℃へ到達。
使用開始から1年も経っていませんが、これはもう故障したんだろうと諦めました。
一般的に簡易水冷タイプのCPUクーラーは寿命が3年程度といわれています。
オープンフレームのケースは簡易水冷の取り付けが非常に面倒くさいということもあり、今回は空冷を試してみようと決意。
サイズを気にせずパーツを選べるのがオープンフレームのメリットなので、一番強そうなものを選んでみました。
Noctua NH-D15の概要
NH-D15にはNoctuaのブランドカラーである茶色もありますが、今回はカラバリモデルの黒(chromax.black)をチョイス。
茶色のほうが安いので、コスパを求めるなら黒はおすすめしません。
CPU(Ryzen 5 5600X)の箱と比べると、NH-D15のデカさがわかりやすいでしょうか。
実物を見ずにネット通販で購入したので、届いたときにあまりの大きさに驚きました。
ずっしりと重みもあり、期待感が高まります。
スペック
主なスペックは以下の通り。
寸法 | 150×165×161mm |
---|---|
重量 | 1,320g |
Intel対応ソケット | LGA 2066/2011-3/2011 LGA 1151/1150/1155/1156 |
AMD対応ソケット | AM4/AM3+/AM3/AM2+/AM2 FM2+/FM2/FM1 |
ファンサイズ | 140mm |
最大ファン回転数 | 1500 rpm |
騒音値 | 最大:24.6dBA 最小:19.2dBA |
購入価格 | 14,278円 |
価格はどこも大して差がなかったので、ドスパラで購入。
ちなみに茶色なら10,208円で買えます。
色がちがうだけで4,000円も高くなるのはちょっと疑問。
空冷CPUクーラーとしては最大クラスの大きさなので、小さめのケースだと入りきらない可能性があります。
購入前に必ずケースのサイズを確認しましょう。
PCパーツの価格は時期によって変動します。最新情報は各販売サイトをご確認ください。
付属品
開封すると、3つの箱が入っていました。
細かいところまでこだわりが感じられます。
IntelとAMD、それぞれの取り付け用パーツが入っています。
説明書もIntelとAMDで分かれているので、わかりやすいです。
二股ケーブルやグリス、簡易的なドライバーも付属していました。
今回使用するパーツ類はご覧の通り。
デザイン
ファンもヒートシンクも真っ黒で、素晴らしくカッコいいです。
このずっしり&みっちり感、写真からうまく伝わるでしょうか。
規則正しく並んだ放熱フィンの造形は、もはや美しさすら感じます。
ヒートパイプは銅製で、左右に6本ずつ伸びています。
Noctua NH-D15の取付方法
ここから実際にNH-D15を取り付けていきます。
作業自体はとても簡単です。
ブラケットの装着
説明書に記載がある通り、マザーボードの背面からIntel用のパーツを取り付けていきます。
最初は黒色のマウントバーを左右に着けてしまったのですが、写真のように上下に取り付けるのが正解です。
CPUクーラーそのものが重たいので、がっちりと固定しておきました。
ヒートシンクの固定
ブラケットを取り付けたら、CPUにグリスを塗って、ヒートシンクを固定します。
今回、付属のグリスは使わず、愛用している親和産業のSMZ-01Rを使用しました。
CPUグリスは塗りすぎに要注意。
ヒートシンクを取り付ける際、ファン×2は外しておきます。
すんなり取り付けが完了しました。
簡易的なドライバーも付属していますが、長めのドライバーがひとつあると便利です。
筆者はVESSELのボールグリップドライバーを愛用しています。
このときグラボは玄人志向のGG-RTX3080-E10GB/TPを使っていたのですが、グラボ背面のミニファンが放熱フィンと干渉。
ミニファンがなくてもとくに問題ないので、取り外しておきました。
ファンの取り付け
ヒートシンクを固定できたら、ファンを取り付けます。
クリップを放熱フィンにはめ込むだけなので、着脱はとても簡単。
グラボが邪魔になるので、ファンを取り付ける際は外しておいたほうが楽です。
取り付けが完了した状態がこちら。
NH-D15の巨大さが際立ちます。
パーツとの干渉チェック
今回使用しているメモリはCORSAIRのVENGEANCE LPXシリーズ。
仕様上の高さは33.5mmで、ヒートスプレッダを搭載したメモリとしては小さめです。
ファンとメモリの距離は数mm程度。
大型のヒートスプレッダを搭載したメモリの場合、ファンの位置を少しずらす必要があります。
シングルファンで運用するなら、高さ64mmまでのメモリが搭載できるとのこと。
メモリの姿がほとんど見えなくなるので、ライティング機能を搭載したメモリは使わないほうがよさそうです。
マザーボードから計測したCPUクーラーの高さは約18cm。
ヒートスプレッダ非搭載のメモリなら、1cm弱は詰められそうです。
やはりケースによっては入りきらない可能性があります。
グラボとの距離も1cm未満。
拡張スロットのロック部分に指が届かないので、ドライバーなどでロックを外す必要があります。
グラボを頻繁に交換する方にとっては少々不便だと思います。
CPU温度および騒音の検証結果
空冷最強ともいわれるNH-D15の実力を、各種用途で試してみました。
検証したのは2021年の夏。
オープンフレームのケースを使用して、28度に設定した冷房を付けた状態で検証しています。
CINEBENCH R20
まずはCINEBENCH R20を走らせてみました。
CPU使用率100%の状態で、CPU温度は70℃台後半をキープ。
CPUに長時間負荷をかけると80℃を超えるかもしれませんが、簡易水冷に負けないレベルの冷却性能が備わっていることは間違いないようです。
また、CPU使用率100%の状態でも、ファンの回転音はとても静か。
騒音計などは使用していませんが、筆者の感覚としては扇風機を「弱」で回している程度。
ケースに入れて運用するなら、ほとんど気になることはないでしょう。
フォートナイト
フォートナイトをプレイしたときのCPU温度も計測した結果がこちら。
ときおり70℃を超える場面はあるものの、大半は60℃台をキープしています。
ここまでしっかり冷やしてくれるなら、安心してゲームができます。
Apex Legends
Apex Legendsでも同じように検証してみました。
フォートナイトと同じく、CPU温度は60℃台で安定。
オープンフレームでもうるさく感じることがなく、素晴らしい性能の高さです。
デカくて強力な空冷CPUクーラー
Noctuaの製品は今回はじめて買ってみたのですが、評判通りの性能でとても満足しています。
取り付け方法も簡単ですし、見た目のカッコよさも所有欲をビシビシと刺激してくれます。
オープンフレームで使用しているとサーキュレーター的な役割も担ってくれるのか、部屋の冷房が効きやすくなったようにも感じます。(勘違いかもしれません)
あえてデメリットを上げるなら、メモリやグラボの交換が少々面倒くさくなったという点くらい。
ケースに入るかどうかさえクリアできるなら、非常におすすめです。
最強レベルのCPUクーラーを探しているなら、NoctuaのNH-D15を検討してみてはいかがでしょうか。