家庭用ゲーム機を大画面・大迫力で楽しめるゲーミングプロジェクター、BenQ TH685を提供いただきました。
「ほんとにプロジェクターで快適にゲームできるの・・・?」
と筆者も実物を触るまで疑問を抱いていましたが、新しいゲームの楽しみ方を発見できた気がします。
どういったプロジェクターなのか、詳しくご紹介します。
BenQ TH685の主な特徴
筆者にとってBenQはモニターやゲーミングマウスのメーカーという印象でしたが、実はプロジェクターが世界的にとても強い。
いただいた資料によると、日本をはじめアジア太平洋、中東、アフリカにおける4KホームプロジェクターのシェアNo.1(2018年)だそうです。
今回提供いただいたTH685は、BenQの数あるプロジェクターのなかでゲーム用途に特化した新製品。
見た目は一般的なプロジェクターと変わりません。
会議室などに設置してあっても、まったく違和感のないデザインです。
「ゲーミング」と名乗っていますが、カラフルに光るパーツは非搭載。
多少の大きさはあるものの、リビングや寝室に設置してもインテリアを邪魔することなく馴染んでくれます。
一般的な家庭で使う場面は少なそうですが、天井設置用のネジ穴も用意されています。
主なスペックは以下の通り。
方式 | DLP |
---|---|
解像度 | FHD 1080p (1920 x 1080) |
輝度 | 3500ルーメン |
コントラスト比 | 10,000:1 |
レンズ | F値:1.94~2.12 焦点距離:11.9~15.5mm |
ズーム倍率 | 1.3 |
台形補正 | 垂直 ±30° |
オフセット | 105% |
リモコンと説明書、電源ケーブルにD-Subケーブルが付属。
説明書は多言語に対応したもので、図やイラストを見ればおおよその使い方を理解できます。
リモコンは単四電池を2本使用するタイプ。
電池も付属しているので、すぐに使用可能。
プロジェクターにはランプ寿命というものがあり、使用するモードによって目安の時間が変化します。
- Normal:4,000時間
- Eco:8,000時間
- SmartEco:10,000時間
- LampSave:15,000時間
少しでも長持ちさせたいなら、Ecoモードなどの使用がおすすめです。
背面のインターフェイスはご覧の通り。
- D-Sub ×1
- RS232 ×1
- HDMI 2.0 ×2
- Audio入力 ×1
- Audio出力 ×1
- USB Type-A ×1
いろいろあってややこしく感じるかもしれませんが、電源とHDMIケーブルさえつなげれば映ります。
より詳しい仕様を知りたい方は公式サイトをご覧ください。
応答速度8.3msの低入力遅延
TH685はゲーミングプロジェクターを名乗るだけあり、リフレッシュレートは120Hz、応答速度も8.3msを実現。
下位モデルのTH585は応答速度が16msだったので、約2倍にスピードアップしています。
さすがに応答速度1msのゲーミングモニターには敵わないものの、大画面かつ低遅延で投影できるのは凄まじい迫力です。
輝度3,500ルーメンの明るさ
TH685は輝度が3,500ルーメンもあるため、明るい部屋でも十分使えます。
写真では少々わかりづらいですが、実際の見た目はもっとハッキリしています。
室内灯をOFFにすると臨場感がさらにアップ。
明るい環境でも十分使えるものの、やはり暗い部屋で使ったほうが楽しめます。
さらに明るさとコントラストを調整してくれるゲーム専用のモードを搭載。
暗いシーンの多いゲームでも視認しやすくなります。
HDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応しているため、輝度差の広い映像も白飛びや黒つぶれを防いで、きれいな投影が可能です。
HDRに対応しているかはゲームによって異なります。
色域も十分広い
TH685は色域も十分広く、Rec.709カバー率は95%。
Rec.709とはテレビ放送が基準としている色域のこと。
ガンマ値の差はあるものの、色域としてはsRGBと同一。
一般的なテレビやモニターと同等以上にきれいな映像を映し出せます。
外付けスピーカー不要の音質
TH685にはCinemaMaster Audio+2の5Wスピーカーが搭載されているため、プロジェクター単体で十分な音量を出力可能。
オーディオマニアの方には物足りないかもしれませんが、一般的な家庭でゲームや映画を楽しむ程度であれば、まったく問題ないレベルです。
音にこだわる方は外付けスピーカーへの接続をおすすめします。
BenQ TH685を使いこなすコツ
プロジェクターの操作に慣れている方ならスムーズに扱えると思いますが、TH685を使いこなすコツについて簡単にまとめておきます。
ケーブルはHDMI推奨
ゲーム機やパソコンを接続する際は、付属のD-subケーブルではなくHDMIケーブルの使用をおすすめします。
D-subは映像しか出力できませんが、HDMIなら映像と音声をまとめて出力できるので便利。
自動で接続先を検出してくれる機能もあるので、ケーブルさえつなげれば映像が出力されます。
HDMIケーブルは付属していないので、自宅にない方は1本用意しておきましょう。
机や台座があると便利
プロジェクターを設置するときは、机や台があると高さを調整しやすくて便利です。
検証時は適当な机がなかったので、TH685の外箱を使いました。
底面の足をクルクル回すと角度を微調整できますが、高さの調整には限界があります。
安定した場所に設置しましょう。
台形補正を活用
プロジェクターは投影面と平行に設置しないと、映像が台形に映ってしまいます。
TH685には台形補正の機能が搭載されているので、設置場所に合わせて微調整が必要です。
本体の操作パネルやリモコンで簡単に調整できるので、見やすいように調整しましょう。
4畳半の部屋でも使用可
プロジェクターは投影面から離れるほど大画面で映せるものなので、大画面でゲームを楽しむには相応の広さが必要です。
4畳半の部屋で試してみたところ、一般的な大画面テレビと同等以上の大きさで投影できました。
部屋があまり大きくなくとも、適度な大きさの壁さえあれば十分楽しめそうです。
参考までに6畳の部屋とリビングでも試してみました。
リビングでは投影面が大きくなりすぎるほどで、プロジェクターの位置調整が大変でした。
ズームとフォーカスを調整
壁に投影するときは、本体のフォーカスリングとズームリングでピントを合わせる必要があります。
こればかりはリモコンで操作できないので、設置の際に手動で調整しましょう。
レンズ保護のキャップなどは付属していないので、調整時にレンズを汚したり、傷つけたりしないよう要注意です。
排熱で室温が上昇
4畳半と6畳の部屋で使用したときに気になったのが、プロジェクターの排熱による室温上昇。
TH685はパワフルなスペックゆえに、起動中は温風を吐き出し続けます。
ファンの回転音は炊飯器程度でそこまで気にならないものの、排熱は小型の電気ヒーターレベル。
冬場は助かりそうですが、夏場は冷房の使用が必須です。
映像設定のカスタマイズ
TH685は出力映像の細かいカスタマイズにも対応。
付属のリモコンで操作できるので、場所を移動せずに設定変更が可能です。
ゲームや映画など、使用する用途に合わせて最適な設定を選びましょう。
ビジネス用途で使用する場合など、音を出力したくないときはミュートをONにしておくと便利です。
壁紙が真っ白でない場合、Wall Colorで最適な設定に変えるのがおすすめ。
Menu Typeを「Basic」から「Advanced」に変えると、より細かいカスタマイズが可能。
細かい設定が面倒くさい方は、デフォルト設定のままで問題なく使えます。
ゲーム用途で使うときは、Picture ModeはGameを選びましょう。
各種人気ゲームによる検証結果
ここからは実際にゲーム用途で使用した結果についてご紹介します。
TH685の主ターゲットはPS4やSwitchなどの家庭用ゲーム機(コンソール機)のようですが、今回はゲーミングPCとスマホゲームでも検証してみました。
Switch
まずはSwitchをHDMIケーブルでつなげて、各種ゲームを遊んでみました。
あつまれ どうぶつの森をはじめ、スーパーファミコンのマリオワールドなどをプレイ。
明るい時間帯でしたが、TH685の明るさもあっていつもと変わらない感覚で楽しめました。
ただ、初代のマリオカートを大画面でプレイしていると、ドット絵の粗さが目立って若干酔いそうになりました。
今どきのゲームはグラフィックがきれいで動きもなめらかですが、レトロゲームを大画面で遊ぶときは体質によって注意が必要かもしれません。
ゲーミングPC
続いて自作PCをHDMIケーブルで接続。
モンスターハンターワールド アイスボーンやSEKIROなどを遊んでみたのですが、今まで味わったことのないゲーム体験ができました。
とくにモンハンはいつものモニターと比べて迫力が段違いで、ムービーシーンはさながら映画のように楽しめます。
アクションジャンルのゲームなら画面の遅延も気にならず、非常に快適。
FF7のリメイク版がSteamで発売されたら、大画面でプレイしようと妄想を膨らませています。
FPSゲームには少々厳しい
試しにApex Legendsもプレイしてみました。
さすがにFPSゲームでは若干の遅延が気になります。
コンマ数秒というごくわずかな遅れではあるものの、普段のゲーミングモニターと比べて操作に違和感を覚えました。
画面が大きすぎると視線移動も多くなるため、敵プレイヤーの発見が遅れたり、判断が遅れてしまう場面も。
カジュアルに楽しむ分には問題ないものの、やはりFPSゲームには適度な大きさのモニターがベストなようです。
スマホゲーム
最後にスマホゲームも試してみました。
使用したスマホはiPhone8です。
PUBG Mobileやデレステを遊んでみたのですが、あまり大画面の恩恵を感じられず。
ゲームのジャンルによると思いますが、プロジェクターの画面を見ていると手元の操作をミスります。
パズドラのようなパズルゲームや、レーシング系のゲームは相性がいいかもしれません。
ちなみにiPhoneをプロジェクターにつなげるには、HDMIケーブルをつなげるための変換アダプターが必要。
Amazonで探すと2,000円前後で似たような製品がたくさん見つかりますが、割高でもApple純正品がおすすめ。
接続時の安定性が段違いです。
スマホをつなげれば、パソコンやネット対応のテレビがなくてもYoutubeを大画面で楽しめるので、工夫次第で使い道が広がります。
dアニメなどの一部アプリはスマホからの外部出力に制限をかけているようで、投影できませんでした。
ゲーム以外の用途での検証結果
TH685はゲーミングプロジェクターを名乗ってはいるものの、一般的なプロジェクターとしても十分使えます。
ゲーム以外の用途でも試しに使ってみました。
プレゼンテーション
ビジネス用途でプロジェクターを使う場合、使用頻度が高いのは会議やプレゼンでしょうか。
TH685はゲーミングレベルのスペックなので、パソコンにさえ問題なければ、PowerPointやPDF程度はヌルッヌルに投影可能。
輝度が高くて色域も広いので、環境を問わずきれいな映像を投影できます。
投影している資料は筆者が適当に作成したものです。
映画・アニメ視聴
自宅でプロジェクターを使うとなれば、大画面で映画やアニメを視聴せずにはいられません。
パソコンをHDMIケーブルでつないで、Amazonプライム・ビデオなどにアクセスすれば、自宅がプチ映画館に様変わり。
寝転がったり、好きなタイミングでトイレに行けたり、見方によっては映画館より快適です。
「ゲームも好きだし、映画やアニメも好き!」
という方にとって、TH685はマストアイテムになりそうです。
大画面でゲームが楽しくなる
プロジェクターでゲームをプレイするのは今回がはじめてでしたが、想像以上に楽しめました。
大画面でじっくりゲームを遊びたい方はもちろん、大人数でわいわいゲームを楽しみたいときにも重宝するでしょう。
TH685のAmazonでの販売価格は約10万円と高額ですが、ゲームに限らずホームシアターやビジネス用途でも活躍するので、価格に見合った価値は十分感じられそうです。