Ryzen 7 7800X3DとRTX 4060、RTX 4060 Tiを組み合わせて、定番ベンチマークをはじめ人気ゲームでどれくらいフレームレートを伸ばせるか詳しく検証しました。
フルHD解像度でフォートナイトやVALORANT、Apex Legendsなどのシューター系ゲームをやりこみたい方には、非常におすすめな構成です。
ゲーミングPCの購入を検討している方はもちろん、自作派の方も是非ご覧ください。
検証用PCのパーツ構成
検証のために用意した環境は以下の通り。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D |
CPUクーラー | DeepCool AK620 DIGITAL |
CPUグリス | えくすとり~むぐりす あっぷるえでぃしょん |
メモリ | Crucial DDR5-4800 16GB(8GB×2) |
マザーボード | ASUS TUF GAMING X670E-PLUS |
電源 | CORSAIR RM1000x SHIFT(Gold) |
ケース | 長尾製作所 ベンチテーブル |
BTOで販売される製品を想定して、メモリはDDR5-4800 16GB(8GB×2)をチョイス。
BIOSの細かい設定は何も変更せず、100%ポン付けの状態です。
今回比較で使用したグラボは以下の通り。
- Palit GeForce RTX 4070 Dual 12GB
- Palit GeForce RTX 3070 GamingPro
- MSI GeForce RTX 4060 Ti VENTUS 2X BLACK 8G OC
- MSI GeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIO
- INNO3D GeForce RTX 4060 COMPACT
- Gigabyte GeForce RTX 3060 VISION OC 12G
- 玄人志向 GG-RTX3050-E8GB/EX/DF
Ryzen 7 7800X3Dがなぜ「ゲーム用途最強」と言われるかについては、Core i7とガチンコ比較した以下の記事をご覧いただくとわかりやすいです。
ベンチマークスコアや平均fps
定番ベンチマークのスコアや人気ゲームの平均fpsを計測しました。
解像度はすべてフルHD(1,920×1,080)で統一しています。
パーツ構成やBIOSの設定によってスコアに多少の差が出るため、あくまで参考程度にご覧ください。
3D Mark
定番の3D Markは3種類をテスト。
いずれも順当なスコアが出ています。
フルHDで人気ゲームを快適に楽しみたいならRTX 3060以上、WQHDも視野に入れるならRTX 4070以上のグラボを選ぶことをおすすめします。
FF15
グラフィックの重いFF15ベンチは、RTX 3060 Ti以上が「非常に快適」という結果に。
RTX 3060とRTX 4060は「とても快適」、RTX 3050は「快適」でした。
重いゲームを最高画質で楽しみたいなら、相応のグラボが必須です。
FF14
FF14はRTX 3050でも「非常に快適」という結果に。
Ryzen 7 7800X3Dとの相性もあるのか、グラボのスペックが控えめでも最高画質で快適に楽しめるようです。
フォートナイト
フォートナイトはリプレイ機能を使用し、同一シーンのフレームレートを計測。
レンダリングモードはパフォーマンス、3D解像度のみを100%に設定して検証した結果です。
Ryzen 7 7800X3Dが優秀ということもあり、RTX 3050でも平均値は300を超えました。
240Hzのゲーミングモニターでプレイするなら、グラボはRTX 3050でも十分といえそうです。
今後のアップデートで環境が大きく変わる可能性もありますし、DirectX 12や11の高画質でもプレイしたい方は、RTX 4060以上のグラボを選んでおくことをおすすめします。
Overwatch 2
オーバーウォッチもフォートナイトと同様にリプレイ機能で同一シーンのフレームレートを計測。
デフォルトのウルトラ画質で試していることもあり、グラボの性能が色濃く表れています。
画質を最低にまで落とせば結果は変わってくると思いますが、画質とフレームレートを両立させたいなら、RTX 4060以上のグラボを選んでください。
ApexLegends
ApexLegendsは低画質でカジュアルマッチを複数回プレイし、平均値を算出して比較。
条件をきっちりそろえるなら射撃訓練場での計測がベストですが、実際のマッチとフレームレートに大きな差が出るため避けました。
マップや立ち回り、戦闘状況でフレームレートの平均値は大きく変動するため、あくまで参考程度にご覧ください。
上限値の300fpsで張り付かせたいならRTX 4070がおすすめですが、240fps以上で安定させたいならRTX 4060以上のグラボを選んだほうがよいでしょう。
165Hzくらいのモニターでプレイするなら、RTX 3050でも十分といえそうです。
VALORANT
VALORANTはスパイクラッシュを実際にプレイして計測。
ApexLegendsと同じく、条件を完ぺきにそろえるなら射撃場やプラクティスモードでの計測がベストですが、あまりに軽すぎて参考にならないため避けました。
このゲームはRyzenと相性がよく、RTX 3050でも平均値は400fpsを軽く超えていきます。
RTX 4060以上は平均値にあまり差がなく、VALORANTがメインであればハイスペックなグラボを使うのはコスパがよくない、ということになってしまいます。
Cyberpunk2077
サイバーパンクはもっとも重たいオーバードライブモードでベンチマークを計測。
RTX 40シリーズと30シリーズで差が開いているのは、DLSS 3.0とフレーム生成への対応のちがい。
RTX 4060やRTX 4060 Tiなら、これから登場するグラフィックが重いゲームも快適に楽しめそうです。
Forza Horizon 5
フォルツァホライゾンも最高画質でベンチマークモードで計測。
サイバーパンクほどの差は出ませんでしたが、こちらもRTX 40シリーズが有利な印象です。
Assassin’s Creed Mirage
アサクリミラージュも最高画質でベンチマークモードを検証。
こちらも順当な結果といえそうですが、Ryzen 7 7800X3Dを使っているからといって、極端にフレームレートが伸びている印象はありません。
おすすめのBTOパソコン
Ryzen 7 7800X3DとRTX 4060、RTX 4060 Tiを搭載したBTOパソコンをピックアップしました。
売れないという判断なのか、Ryzen 7 7800X3DとRTX 4060の組み合わせは取り扱いがないメーカーもちらほら。
ゲーミングPCを選ぶときは基本的なスペックと価格だけでなく、アフターサポートや納期、支払方法なども総合的に比較して選ぶことをおすすめします。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点の情報です。最新情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
NEXTGEAR
記事執筆時点でもっとも安かったのは、マウスコンピューターが販売するNEXTGEARのJGシリーズ。
OS | Windows 11 Home | |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D | |
クーラー | 簡易水冷(240mmラジエーター) | |
チップセット | A620 | |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB(8GB×2) | |
ストレージ | 1TB NVMe SSD Gen4 | |
電源 | 750W(BRONZE) | |
販売価格 税・送料込 | 204,800円~ | 234,800円~ |
Micro-ATXのおしゃれでコンパクトなケースに、ハイスペックなパーツを搭載。
マウスコンピューターはメーカー保証が標準で3年と長く、アフターサポートも24時間365日対応と安心感が抜群。
マザーボードは必要最低限の機能といった印象ですが、追加オプションでLEDファンをカスタマイズできるのも魅力。
デザインと価格、そして購入後のサポートまで隙のない1台で非常におすすめです。
実機レビュー
パーツ構成は異なりますが、NEXTGEARの実機をお借りして詳しくレビューしています。
ケースの構造や拡張性、メンテナンスのやりやすさなど、気になる方は是非あわせてご覧ください。
ark
続いては秋葉原の老舗PCショップ、arkのオンラインストア。
OS | Windows 11 Home |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D |
クーラー | 空冷(AK500) |
チップセット | B650 MSI GAMING PLUS WIFI ATX |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-5200 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 2TB NVMe SSD Gen4 Kingston NV2シリーズ |
電源 | 750W(GOLD) |
販売価格 税・送料込 | 238,800円~ |
Antecのミドルタワーケース「AX90」を採用したモデルで、見た目のおしゃれさも抜群。
標準仕様のCPUクーラーはAK500で、メモリが32GBでストレージも2TBと容量が充実。
NEXTGEARと比べるとやや高めの価格設定ではありますが、搭載パーツを細かく見ていけば納得感があります。
arkは市販の人気パーツにカスタムできるのも魅力で、細部までこだわった1台を探しているなら、チェックしてみてはいかがでしょうか。
ドスパラ
ドスパラで販売中のGALLERIA XA7R-R46Tにも注目。
OS | Windows 11 Home |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D |
クーラー | 簡易水冷(240mmラジエーター) |
チップセット | B650 |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
電源 | 750W(GOLD) |
販売価格 税・送料込 | 266,280円~ |
翌日出荷という業界屈指の超スピード納品に対応しているのが大きな魅力。
分割手数料は最大36回まで無料で、マウスコンピューターと同じくアフターサポートは24時間365日対応。
GALLERIAは価格変動が激しく、いつの間にか価格が変わっていることも多いため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
実機レビュー
Ryzen 7 7800X3DとGeForce RTX 4070 Tiを搭載したGALLERIAをレビューしています。
独自ケースの構造や簡易水冷クーラーの冷却性能など、購入前に是非チェックしてみてください。
パソコン工房
LEVEL∞(インフィニティ)でも該当モデルが販売中。
OS | Windows 11 Home | |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D | |
クーラー | 簡易水冷(240mmラジエーター) | |
チップセット | X670 | |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB(8GB×2) | |
ストレージ | 500GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD Gen4 |
電源 | 700W(BRONZE) | |
販売価格 税・送料込 | 254,800円~ | 274,800円~ |
RTX 4060搭載モデルはストレージ容量が500GBと少ないため、もう少し予算を出せるなら注文時にカスタマイズしておくのがおすすめです。
パソコン工房もアフターサポートは24時間365日対応。
記事執筆時点では分割手数料も最大48回まで無料となっており、まとまった支払いを避けたい方も安心です。(分割払いには審査があります)
サイコム
サイコムではハイスペックモデルのG-Master Spear X670Aをカスタマイズ。
OS | Windows 11 Home | |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D | |
クーラー | 空冷(サイドフロー) Noctua NH-U12S redux | |
チップセット | X670 TUF GAMING X670E-PLUS WIFI | |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB(8GB×2) | |
ストレージ | 1TB NVMe SSD Gen4 Crucial P3 Plus | |
電源 | 750W(GOLD) SilverStone製 | |
販売価格 税・送料込 | 264,250円~ | 279,970円~ |
ケースはCoolerMasterのMasterBox CM694を採用。
派手さはないものの、拡張性と静音性に優れた大型ケースで、光学ドライブを標準搭載しているのも特徴のひとつ。
CPUクーラーは空冷最強ともいわれるメーカー、NoctuaのNH-U12S reduxを標準搭載。
CPUやグラボをはじめ、各種パーツは細かくカスタマイズできるため、見積もり画面でポチポチしてみてください。
実機レビュー
Ryzen 7 7800X3DとGeForce RTX 4080を搭載したカスタムモデルを以前レビューしています。
サイコムが気になっている方は、是非あわせてご覧ください。
ゲーム用途最強の評判はガチ
Ryzen 7 7800X3Dで実際にいろいろ検証してみたところ、「ゲーム用途最強」という評判はあながち嘘ではない、ということがよくわかりました。
動画編集や3DCGなどの用途だと最新世代のCore i7に敵わないものの、シューター系ゲームで遊ぶことがメインであればマイナス要素にはならないでしょう。
フォートナイトやVALORANT、Apex LegendsなどのゲームをフルHDでプレイするなら、グラボもRTX 4060で十分。
サイバーパンクのような重いゲームも高画質で快適に遊びたいなら、RTX 4060 Tiを選ぶのがおすすめ。
CPU単体の価格が落ちてきていることもあり、自作派の方にとっても非常に魅力的な選択肢になりそうです。
AM5はアップデートで長く使えるという大きなメリットもあり、この先しばらくゲーム用途においてはRyzen 7 7800X3Dが覇権CPUとして君臨するのではないでしょうか。
パーツごとの性能や特徴をよく理解して、納得のいく1台を選んでください。