Ryzen 5 5600XとRTX 3070の組み合わせで人気ゲームをどこまで快適にプレイできるのか検証しました。
今回検証した限り、ゲームを動かすという点においてRyzen 5 5600XはCore i7-11700Kと同等レベルの性能があるようです。
22~23万円前後で買えるゲーミングPCを探している方は、ぜひ参考にしてください。
検証用PCのスペックや概要
今回、検証のために用意した環境は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 5 5600X |
GPU | GeForce RTX 3070 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 256GB SSD(SATA) 1TB M.2 SSD |
電源 | 750W(80PLUS PLATINUM) |
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
グラボはPalitのRTX3070 GamingProを使用。
今では考えられませんが、販売解禁直後は7万円ちょいで買えました。
メモリクロックは3,200MHzに設定、CPUクーラーはRyzen 5 5600Xに付属のリテールクーラーを使用しました。
NVIDIAの公式サイトによると、RTX 3070搭載PCの推奨電源は650Wとなっています。
ほかのGPUで検証した結果
RTX 3060やRTX 3060 Tiとの組み合わせでも性能を検証しています。
もう少し予算を抑えたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
定番ベンチマークのスコア
ここからは定番のベンチマークソフトのスコアをご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
PC Mark10
まずはパソコンの総合的な性能をチェックした結果がこちら。
ゲームはもちろん、ExcelやWordなどの事務作業、写真や動画編集などの用途でもバリバリに活躍するスコアです。
ほかのパーツ構成で試した結果と比較するとご覧の通り。
Core i7-11700K RTX 3070 | |
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Core i7-11700K RTX 3060 | |
Ryzen 5 5600X RTX 3070 | |
Ryzen 5 5600X RTX 3060 Ti | |
Ryzen 5 5600X RTX 3060 |
CPUとしてのパワーに差があるためか、Core i7-11700KとRTX 3060の組み合わせには一歩届かず。
CINEBENCH R20
主なCPUをCINEBENCH R20のスコアで比較してみると以下の通り。
Ryzen 7 5800X | |
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Core i7-11700K | |
Core i5-11400F | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 3600 |
こちらはCore i5-11400Fのスコアに一歩届かず。
Ryzen 5 5600Xを搭載したほかのPCで検証した際は4,300出ていたので、少し伸び悩んでいる印象です。
リテールクーラーだとゲーム中のCPU温度が90℃を超えることも多く、冷却性能が十分ではない可能性も考えられます。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeを試した結果がこちら。
CPUによってRTX 3070のスコアがどの程度変化するのかグラフにまとめました。
RTX 3070 (Ryzen 7 5800X) | |
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RTX 3070 (Core i7-11700K) | |
RTX 3070 (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 3070 (Core i7-10700) | |
RTX 3070 (Ryzen 7 3700X) |
前世代とはいえ上位モデルのRyzen 7 3700Xを上回り、Core i7-11700Kと肩を並べるスコアです。
CINEBENCH R20はパッとしないスコアでしたが、ゲームを動かすという点においてRyzen 5 5600Xは素晴らしいポテンシャルを秘めています。
VR Mark
VR Markの各種スコアはご覧の通り。
グラフィックの重いVRゲームは画質調整が必要になりそうですが、VRゲームも快適に動かせる実力が備わっています。
VRゲームを動かすには、VRヘッドマウントディスプレイが必要です。
オンラインゲーム
定番ベンチマークソフトを、それぞれ4KとフルHD解像度の設定で走らせました。
重量級ゲームのFF15は4Kの高品質で「やや快適」、軽量品質で「とても快適」という結果に。
FF14はグラフィックが軽めですが、暁月のフィナーレに変わって4Kの評価基準が少々厳しくなったのか、「とても快適」という結果でした。
ゲームによって多少の調整は必要になりそうですが、4Kでも多くのゲームを快適にプレイできそうです。
FF15
高品質 | 5950(やや快適) |
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標準品質 | 7102(快適) |
軽量品質 | 9949(とても快適) |
高品質 | 12619(非常に快適) |
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標準品質 | 17022(非常に快適) |
軽量品質 | 20070(非常に快適) |
FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 11244(とても快適) |
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最高品質 | 22888(非常に快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
ここからは実際にパソコンゲームを動かして、どれくらいのフレームレートが出たかご紹介します。
動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
平均フレームレートの計測にはMSIのAfterburnerを使用。
まずはフォートナイトとApex LegendsをフルHD解像度でプレイして、最高画質と低画質、それぞれ試した結果がこちら。
最高画質 | 163fps |
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低画質 | 369fps |
最高画質 | 170fps |
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低画質 | 261fps |
フォートナイトの低画質はレンダリングモード「DirectX11」で「3D解像度」のみ100%に設定して試した結果です。
最高画質でも十分快適ですが、画質を落とせば超・高フレームレートでプレイできます。
ほかのパーツ構成と結果を比較すると以下の通り。
RTX 3070 Ti (Ryzen 7 5800X) | |
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RTX 3070 (Ryzen 7 5800X) | |
RTX 3070 (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 3070 (Core i7-11700K) | |
RTX 3070 (Core i7-10700) |
マップや戦闘状況によってフレームレートは大きく変動するものの、Core i7-11700KとRTX 3070と同等レベルの性能です。
筆者の経験上、フォートナイトは5,000番台のRyzenと相性が良いようで、Intel CPUよりもフレームレートが伸びやすいです。
フレームレートを240固定でプレイしたい方にもおすすめの構成です。
ちなみにレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えると、平均フレームレートは500を超えます。
モニターのリフレッシュレート以上のフレームレートを出しても意味はないため、必要以上に画質を落とすことはおすすめしません。
RX 6800 XT (Ryzen 9 5900X) | |
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RTX 3070 (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 3060 Ti (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 3070 (Core i7-11700K) | |
RTX 3060 (Ryzen 5 5600X) |
今回試した限り、Apex LegendsでもCore i7-11700Kのスコアを上回りました。
フォートナイトと同じくマップや戦闘状況によってフレームレートがかなり変わるものの、非常に快適にプレイできます。
そのほかの人気ゲームはすべて最高画質でプレイして、平均値を算出しました。
Escape from Tarkov | 71fps |
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VALORANT | 329fps |
Rainbow Six Siege | 391fps |
Escape from Tarkovはグラフィックがとても重く、最高画質(Ultra)だとマップによっては40台に落ち込むこともありました。
VALORANTやレインボーシックスシージはグラフィックが軽いため、画質を落とすことなく快適にプレイできます。
予算が許すなら360Hz以上の超・高リフレッシュレートに対応したモニターを視野に入れても良いでしょう。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
解像度はフルHD、ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定しています。
DXR ON | 77fps |
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DXR OFF | 102fps |
DXR ON | 65fps |
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DXR OFF | 83fps |
瞬間的に60を下回ることはちらほらありましたが、DXR ONでも快適にプレイできました。
Ryzen 5 5600XとRTX 3070ならmグラフィックの重いゲームもDXR ONの最高画質で楽しめます。
DXR ON | 105fps |
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DXR OFF | 163fps |
DXR ON | 108fps |
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DXR OFF | 161fps |
CoD:BOCWとBIOHAZARD VILLAGEも、DXR ONでサクサク動かせます。
VRゲームの動作検証
Oculus Quest 2を専用ケーブルでつないで、PC用のVRゲームを実際に動かしてみました。
Half-Life: Alyxはグラフィックが重めですが、最高画質でもフレームレートは72ベタ付きで快適に動かせました。
Beat SaberはPCを使わずとも動かせる軽いゲームなので、サックサクに動作可能。
ヘッドマウントディスプレイがあれば、VRゲームも快適に楽しめます。
高解像度での検証
4KやWQHDの高解像度でもフォートナイトなどの平均フレームレートを検証しました。
対応ゲームはDLSS(Deep Learning Super Sampling)をONに設定、最高画質で検証した結果です。
フォートナイト | 97fps |
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Apex Legends | 74fps |
Cyberpunk 2077 | 55fps |
フォートナイト | 161fps |
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Apex Legends | 137fps |
Cyberpunk 2077 | 75fps |
Cyberpunk 2077はDXRもONに設定した結果です。
さすがに4Kでは60を下回りましたが、カクつきが目立つほどではありません。
WQHDならフォートナイトやApex Legendsも最高画質かつ高フレームレートでプレイできました。
グラフィックがそこまで重たくないゲームなら、4Kでも快適にプレイできます。
ゲーム実況のライブ配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズに配信ができました。
ゲームの画質 | 中~高 |
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出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
音声ビットレート | 128 |
高度なエンコーダ設定 | performance |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
最高画質でもトラブルなく配信できましたが、さすがに配信中はフレームレートが少し落ちます。
筆者としては少し画質を落としたほうが良いと思いますが、画質とフレームレート、どちらを優先するかはプレイスタイルに合わせて判断してください。
配信するゲームによって最適な設定は変わるので、その都度調整する必要があります。
アバター表示でも快適に配信
FaceRigを使用してアバターを表示させながら配信を試したところ、こちらもスムーズに配信・録画ができました。
アバターを表示するソフトによってPCの負荷は変わるため、心配な方はメモリを32GBに増設したほうがいいかもしれません。
Webカメラなどの配信機材を整えれば、PC1台でVTuberとしてライブ配信が可能です。
おすすめのBTOパソコン
ここからはRyzen 5 5600XとRTX 3070を搭載したBTOパソコンのおすすめモデルをご紹介します。
この記事を執筆している時点では、いずれも22~23万円前後で販売中。
グラボの値上がりが落ち着けばもう少し安く買えそうですが、いつ頃安くなるかはさっぱり読めません。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点の情報です。最新情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
ドスパラ
今回調べた限り、もっとも安く買えるのはドスパラのGALLERIA XA5R-R37。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 5 5600X |
GPU | RTX 3070 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 218,280円(消費税・配送料込) |
電源は650W(80PLUS BRONZE)と最低限のスペックですが、CPUクーラーは虎徹 MarkⅡを搭載。
ドスパラはライティング機能を標準搭載したケースと、業界最速レベルの超スピード納品も大きな魅力。
「少しでも早くゲーミングPCが欲しい!」
という方にとって、間違いなく有力候補になることでしょう。
TSUKUMO
続いてご紹介するのは、TSUKUMOが販売するG-GEAR GA5A-F210/TのRTX 3070搭載モデル。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 5 5600X |
GPU | RTX 3070 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 220,500円(消費税・配送料込) |
ドスパラと比べるとストレージは少なめですが、750W(80PLUS GOLD)電源にDVDスーパーマルチドライブも標準搭載。
DVDを利用する頻度が高いなら、TSUKUMOを選んだほうがいいかもしれません。
ただし、ゲームをたくさんインストールしたり、動画編集などの用途でもパソコンを活用するなら、注文時にストレージを増設(カスタマイズ)したほうがよさそうです。
パソコン工房
こちらはパソコン工房が販売するLEVEL-R0X6-R56X-TAXH。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 5 5600X |
GPU | RTX 3070 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD 2TB HDD |
販売価格 | 220,968円(消費税・配送料込) |
TSUKUMOより若干高いですが、合計2.5TBと大容量のストレージが大きな魅力。
電源は700W(80PLUS BRONZE)で、CPUクーラーにはWraith Stealth(リテールクーラー)が標準搭載されている模様。
リテールクーラーはゲーム中のCPU温度が90度近くまで上がることもあるため、予算に余裕があるならカスタマイズをおすすめします。
パソコンショップセブン
最後にご紹介するのは、パソコンショップセブンが取り扱うこちらのモデル。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 5 5600X |
GPU | RTX 3070 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 230,780円(消費税・配送料込) |
COOLERMASTERのケースを採用し、750W(80PLUS GOLD)電源に無線LAN(Wi-Fi 6)も標準搭載。
個人的にはストレージを1TB以上にカスタマイズしたいところ。
記事執筆時点ではセール価格で販売されていましたが、通常時はもう少し高くなる点に注意してください。
予算25万円以下ならおすすめ
CINEBENCH R20のスコアではCore i7-11700Kと大きな差があったものの、ゲームのフレームレートでは同等レベルの性能を発揮。
予算25万円以下でゲーミングPCを探しているなら、Ryzen 5 5600XとRTX 3070の構成は非常におすすめです。
フルHDでゲームをプレイするだけならRTX 3060 Tiでも十分快適ですが、WQHDや4Kも視野に入れるなら、やはりRTX 3070を選んだほうが良いです。
予算と用途に合わせて、納得のいくゲーミングPCを選んでください。