ドスパラが販売するゲーミングPC、GALLERIA XA7R-67XTをお借りしました。
機材貸出元:株式会社サードウェーブ
Ryzen 7 3700XとRadeon RX 6700 XTを搭載した、AMDずくしなミドルスペックモデルです。
GeForce RTX 3070のライバルとされるGPUですが、RX 6700 XTでどれだけゲームを動かせるのか、じっくり検証してみました。
GALLERIA XA7R-67XTの概要と特徴
GALLERIA XA7R-67XTがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
バトロワ系ゲームをヌルヌル動かせる
RTX 3070搭載モデルより価格が安い
ゲーム実況のライブ配信も余裕で可能
RAW現像の書き出しが極めて速い
レイトレーシング対応ゲームは苦手
基本的なスペックからケースの構造、実際に人気ゲームを動かして計測したフレームレートまで、順に詳しくご説明します。
スペック
今回お借りしたモデルの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen 7 3700X |
GPU | Radeon RX 6700 XT |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 198,280円(消費税・配送料込)※離島を除く |
最新世代のCPUではありませんが、ゲームを動かすには十分な性能を備えています。
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
GALLERIA Xシリーズのストレージ容量は1TBが標準仕様になったようです。
ゲームだけなら512GBでも十分ですが、動画編集などの用途でもパソコンを使うなら1TBあったほうが絶対に安心です。
パソコンの仕様および価格は時期によって変動します。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
RTX 3070搭載モデルとの比較
RX 6700 XTのライバルであるRTX 3070を搭載したGALLERIAも販売されています。
主なスペックを比較すると以下の通り。
モデル | XA7R-67XT | XA7R-R37 | XA7C-R37 |
---|---|---|---|
CPU | Ryzen 7 3700X | Core i7-11700 | |
GPU | RX 6700 XT | RTX 3070 | |
メモリ | 16GB | ||
ストレージ | 1TB NVMe SSD | ||
販売価格 | 198,280円 | 213,280円 | 243,280円 |
価格はいずれも記事執筆時点のもので、消費税と配送料(離島除く)を含めています。
20万円以下で探すなら、今回お借りしたXA7R-67XTは有力候補になることでしょう。
それぞれ別途レビューをまとめているので、あわせてご覧いただくと性能面のちがいがわかりやすいです。
XA7C-R37はCPUが第10世代だったときのレビューなので、全体的に性能が底上げされていると思われます。
ケース外観
ここからはGALLERIA XA7R-67XTの外観をご紹介します。
ガンメタリックの筐体にブルーのアクセントカラーが映える、おなじみのケースです。
本体左側面にはクリアサイドパネルを標準搭載。
電源を入れるとCPUクーラーが光ります。
仕様上の寸法は高さが約480mm、奥行きが約440mm、横幅が約220mm。
ATX規格のケースなのでそこそこ大きいです。
重量も約14kgあるため、パソコンを持ち上げるときは腰を痛めないように気をつけてください。
電源直下のメッシュパーツは取り外しが可能。
構造上、どうしてもほこりがたまりやすい個所なので、掃除しやすいのは便利です。
LEDライティング
電源をONにすると、ケース前面と電源ボタンの周辺が青く光ります。
色を変更するには、制御アプリ「Polychrome RGB」のインストールが必要。
BIOSの設定変更も必要になるようで、マザーボードのメーカー(ASUSかASRock)によって設定方法が少し変わります。
アプリのダウンロードや細かい設定方法は、ドスパラの公式サイトをご覧ください。
インターフェイス
ケース前面の主なインターフェイスは以下の通り。
- 電源
- USB3.2 Gen1 Type-A ×4
- ヘッドホン
- マイク
USBポートが4つあると、ゲームパッドや外付けストレージなど、さまざまなものを接続できて便利。
コンソールパネルが斜めに設計されているため、パソコンを机の上下どちらに設置しても使いやすいです。
背面の主なインターフェイスは以下の通り。
- PS/2 Mini DIN 6ピン
- USB 3.1 Gen1(Type-A)×6
- ギガビットLANポート
- DisplayPort ×3
- HDMI ×1
Type-Cに対応したポートがひとつもないため、用途によっては少々使いづらいかもしれません。
Type-Aのポートは前後で計10個あるため、足らなくなることはないでしょう。
また、標準仕様では無線でインターネットにつなげられない点に要注意。
ご家庭の都合で有線での接続ができない場合、有料のカスタマイズで無線LANの拡張カードを追加できます。
Amazonで探せばUSBタイプの無線LANアダプターが2,000円前後で見つかるので、通信速度にこだわらないなら安価なもので代用が可能です。
ケース内部
ケース内部はご覧の通り。
カラフルなケーブルが少々目立つものの、裏配線ですっきりと整理されています。
必要な方はカスタマイズで光学ドライブの追加も可能。
パソコンでDVDなどを見たい方は検討してみてください。
GALLERIAのケースリニューアル直後と比較すると、シャドウベイの構造が微妙に変わったように思います。
購入後に自身でストレージを増設するのは少々大変なので、パソコンの扱いに慣れていない方は購入時にカスタマイズしたほうが無難です。
CPUクーラー
CPUクーラーはRyzen 7 3700Xに付属のWraith Prism coolerと思われます。
ライティングはきれいですが、冷却性能はあくまで普通レベル。
予算に余裕があるなら簡易水冷タイプに変えてもよさそうですが、記事執筆時点だとCPUクーラーはカスタマイズに対応していないようです。
グラフィックカード
グラフィックカードはASRockのツインファンタイプが搭載されていました。
見た目とGPU-Zの情報から推測する限り、Radeon RX 6700 XT Challenger D 12GBか同等レベルの製品と思われます。
RGBライティングには対応していません。
メモリ
メモリはヒートシンク非搭載のシンプルなものが2枚(8GB×2)刺さっています。
ゲームがメインなら16GBでメモリ不足を感じる場面は滅多にないものの、必要性を感じたら32GBに増設しても良いでしょう。
ストレージ
M.2 SSDはグラボの裏側に搭載されているため、姿が見えませんでした。
転送速度にこだわりたい方や、容量に余裕を持たせたい方は、注文時のカスタマイズがおすすめです。
電源
電源は750W(80PLUS GOLD)が搭載されています。
AMDの公式サイトによると、RX 6700 XT搭載マシンの推奨電源は650Wなので多少余裕があります。
予算がたっぷり余っている方はともかく、電源をカスタマイズする必要はなさそうです。
GALLERIA XA7R-67XTのベンチマーク
ここからはGALLERIA XA7R-67XTの性能を、各種ベンチマークソフトを使用して数値化していきます。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試したところ、なかなか良いスコアが出ました。
一般的な薄型ノートPCだと「Digital Content Creation」のスコアは4,000~5,000くらいですから、10,000越えは素晴らしいです。
ゲームはもちろん、ExcelやWordなどの事務作業、各種クリエイティブ用途もサックサクにこなせるスペックです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R20
主なCPUをCINEBENCH R20のスコアで比較してみると以下の通り。
Ryzen 7 5800X | |
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Core i7-11700K | |
Ryzen 7 3700X | |
Core i7-10700 | |
Ryzen 5 3600 |
競合モデルであるCore i7-10700のスコアをわずかに上回りました。
さすがに最新世代のRyzen 7やCore i7とは差があります。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。
RTX 3080 | |
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RTX 3070 | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 |
ライバルであるRTX 3070とほぼ同スコアでした。
VR Mark
VR Markの各種スコアはご覧の通り。
別売りのVRヘッドマウントディスプレイを用意すれば、VRゲームも快適に動かせるスコアです。
Crystal Disk Mark
M.2 SSDは読み込みで約3,442MB/sとなかなか良いスコアでした。
書き込みは若干速度が落ちていますが、実用上、ストレスを感じることはほとんどないでしょう。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
+6,600円(税込)で読込速度が5000MB/sのM.2 SSD(Gen4)にカスタマイズできるので、速度にこだわる方は検討してみてください。
お借りしたモデルは容量が512GBでしたが、記事執筆時点で販売中のモデルは1TBが標準仕様になっています。
オンラインゲーム
定番ベンチマークソフトを、それぞれフルHD解像度の設定で走らせました。
重量級ゲームのFF15は高品質で「とても快適」、軽量品質で「非常に快適」という結果に。
FF14やドラクエXはグラフィックが軽めなので、最高画質でサックサクです。
FF15
高品質 | 11156(とても快適) |
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標準品質 | 15041(非常に快適) |
軽量品質 | 16615(非常に快適) |
FF14 漆黒の反逆者
最高品質 | 17668(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX
最高品質 | 20455(すごく快適) |
---|
PCゲームのフレームレート検証
ここからは実際にパソコンゲームをフルHD解像度で動かして、どれくらいのフレームレートが出たかご紹介します。
動画にもまとめているので、あわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
平均フレームレートの算出にはCapFrameXまたはMSIのAfterburnerを使用。
まずは人気の高いフォートナイトとApex Legendsを、それぞれ低画質でプレイした結果がこちら。
フォートナイト | 247fps |
---|---|
Apex Legends | 186fps |
フォートナイトの低画質は「3D解像度」のみ100%に設定して試した結果です。
フレームレートが瞬間的に400を超える場面もありますが、平均値としては240を少し上回る程度。
Apex Legendsはおおむね200前後をうろつきます。
マップの位置や戦闘状況でフレームレートは変動するものの、Ryzen 7 3700X&RTX 3070と性能面で大きな差はありません。
グラフィックが軽めのVALORANTとRainbow Six Siegeは、最高画質で検証しました。
VALORANT | 180fps |
---|---|
Rainbow Six Siege | 214fps |
いずれも200前後のフレームレートをキープできました。
こちらもRyzen 7 3700XとRTX 3070の組み合わせで計測したデータと似ています。
FPSやバトロワ系ゲームをプレイするうえでは、RTX 3070と大きな差はないようです。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
解像度はフルHD、ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定しています。
DXR ON | 33fps |
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DXR OFF | 68fps |
DXR ON | 24fps |
---|---|
DXR OFF | 60fps |
いずれもDXR ONでは激しいカクつきが発生しました。
平均値が30を下回ると、さすがに快適とは言えません。
RTX 3070ならDXR ONのCyberpunk 2077を60前後のフレームレートで動かせたので、レイトレーシング対応という点では大きな差があるようです。
DXR ON | 45fps |
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DXR OFF | 152fps |
DXR ON | 88fps |
---|---|
DXR OFF | 204fps |
CoD:BOCWもDXR ONではカクつきを感じるため、基本的にDXRはOFFでプレイしたほうが良いでしょう。
BIOHAZARD VILLAGEは見た目のわりにグラフィックが軽く、DXR ONでも快適にプレイができました。
今回試した限り、レイトレーシング対応ゲームを最高画質でヌルヌル動かしたいなら、GeForceを選んだほうがよさそうです。
VRゲームの動作検証
Oculus Quest 2を専用ケーブルでつないでVRゲームを動かそうとしたところ、Oculus Linkに「スペックが足らない」という旨の注意書きが表示されました。
GPUに問題があるというより、Oculus LinkがRadeonに対応できていないのでは、と思われます。
筆者の経験上、GeForceでこのような注意書きが表示されたことは一度もありません。
実際にVRゲームを動かしてみると、Half-Life: AlyxとBeat Saberは何の問題もなくプレイできました。
どちらも最高画質で72fpsをキープできましたが、ゲームによってはうまく動作できないなどの相性問題があるかもしれません。
VRゲームで遊んでみたい方は、事前によく調べたほうがよさそうです。
ゲーム実況のライブ配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定で快適に配信ができました。
ゲームの画質 | 低 |
---|---|
出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(AMD) |
音声ビットレート | 128 |
高度なエンコーダ設定 | Max Performance |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(AMD) |
OBSの自動設定ではエンコーダがソフトウェアに設定されるため、ハードウェアへの変更がおすすめ。
GPUとCPUに余力があるので、ゲームの画質を上げても問題なく配信できます。
ただし、配信するゲームによってパソコンの負荷は変わるので、その都度設定を調整する必要があります。
スマホゲームも余裕で配信可能
キャプチャーボードをつないでスマホゲームの配信も試してみました。
iPhone8でPUBG MOBILEの配信を試したところ、こちらも1080pかつ60fpsで快適に配信&録画ができました。
スマホゲームやコンソール機の配信には、少々オーバースペックといえそうです。
クリエイティブ用途の動作検証
続いて動画や写真の編集など、クリエイティブ用途でも快適に使えるかを検証しました。
Premiere Proで動画編集
まずはAdobeのPremiere ProでYoutube動画の編集を試しました。
動画素材をカットしてつなげたり、テロップや効果音を加える程度の編集なら、処理の遅延を感じることはまったくありません。
After Effectsで演出を加えたり、4K動画の編集を視野に入れているなら、メモリは32GBにカスタマイズしたほうが快適度がアップします。
どの程度動画編集に力を入れるかによって判断してください。
4K動画の書き出し
参考までに、4K動画の書き出し時間を計測しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 5:10 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 15:21 |
薄型ノートPCなどと比べれば十分速いですが、ライバルであるRTX 3070と比べると遅く感じます。
たとえば仕事として動画編集に取り組んでいるような方は、GeForceを選んだほうが無難です。
LightroomでRAW現像
デジカメで撮影したRAWデータの書き出し速度もチェックしてみました。
有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚をLightroomで書き出したところ、1分33秒と爆速でした。
主なCPUと結果を比較したグラフはこちら。
Ryzen 9 3900X | |
---|---|
Ryzen 7 3700X | |
Core i9-10900K | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i7-10700 |
3,000番台のRyzenはLightroomと相性が良く、Ryzen 7 5800Xより速く書き出せます。
プロカメラマンが業務用途で使えるレベルの書き出し速度です。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
多少クセはあるがコスパの高さは魅力
レビューのまとめとして、GALLERIA XA7R-67XTの特徴をおさらいします。
バトロワ系ゲームをヌルヌル動かせる
RTX 3070搭載モデルより価格が安い
ゲーム実況のライブ配信も余裕で可能
RAW現像の書き出しが極めて速い
レイトレーシング対応ゲームは苦手
人気ゲームを高画質かつ高フレームレートで動かせて、ライブ配信もサクサクこなせるハイスペックマシンです。
ただし、レイトレーシングへの対応という点ではGeForceと明確な差を感じるのも事実。
フォートナイトやApex Legendsのようなバトロワ系ゲームがメインなら、候補に入れてみてもよさそうです。
ちなみに記事執筆時点では48回まで分割手数料が無料で、翌日出荷という超スピード納品にも対応。
GALLERIAの販売価格は時期によって変動するので、最新情報は必ずドスパラの公式サイトでご確認ください。