Core i7-11700とRTX 3060 Tiの組み合わせで人気ゲームをどこまで快適にプレイできるのか検証しました。
先に結論をお伝えしておくと、価格が変わらないならCPUはRyzen 5 5600Xを選んだほうが良いです。
ゲームによって差はあるものの、フォートナイトなどの一部ゲームでは大きな差が出ました。
RTX 3060 Tiを搭載したゲーミングPCが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
ヘッダー画像で使用しているCPUの箱はCore i7-11700Kのものです。
検証用PCのスペックや概要
今回、検証のために用意した環境は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-11700 |
GPU | GeForce RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
電源 | 700W(80PLUS BRONZE) |
CPUとGPUの細かい情報を知りたい方は、こちらをご覧ください。
ベースとなっているのは、以前購入したパソコン工房のLEVEL-R05A-117-RBXで、グラボをRTX 3060からRTX 3060 Tiに交換しました。
グラボはMSIのRTX 3060 Ti GAMING X TRIOを使用しています。
RTX 3060を搭載した状態のデータは、こちらのレビュー記事をご覧ください。
Ryzen 5 5600Xの検証結果
Ryzen 5 5600XとRTX 3060 Tiの組み合わせでも同じようにデータを検証しています。
あわせてご覧いただくと、CPUによるフレームレートのちがいがわかりやすいです。
定番ベンチマークのスコア
ここからは定番のベンチマークソフトのスコアをご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
PC Mark10
まずはパソコンの総合的な性能をチェックした結果がこちら。
ゲームはもちろん、ExcelやWordなどの事務作業、各種クリエイティブ用途でも十分活躍します。
ほかのパーツ構成で試した結果と比較するとご覧の通り。
Core i7-11700K RTX 3070 | |
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Ryzen 5 5600X RTX 3060 Ti | |
Core i7-11700 RTX 3060 Ti | |
Ryzen 5 5600X RTX 3060 | |
Core i5-11400F RTX 3060 |
誤差の範囲ではありますが、Ryzen 5 5600X搭載時のスコアに負けました。
5,000番台のRyzenはすさまじい性能です。
CINEBENCH R20
主なCPUをCINEBENCH R20のスコアで比較してみると以下の通り。
Ryzen 7 5800X | |
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Core i7-11700K | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 3600 |
こちらは順当なスコアとなりました。
「K」つきのCore i7-11700Kだと、もう少しスコアが伸びます。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeを試した結果がこちら。
RTX 3070 | |
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RTX 3060 Ti (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 2080 Ti | |
RTX 3060 Ti (Core i7-11700) | |
RTX 3060 |
前世代のウルトラハイエンドモデル、RTX 2080 Tiと同等レベルの性能ではありますが、Ryzen 5 5600X搭載時のスコアを上回れず。
CINEBENCH R20では大きな差をつけていましたが、ゲーム性能という点ではRyzen 5 5600Xに一歩届きません。
VR Mark
VR Markの各種スコアはご覧の通り。
グラフィックの重いVRゲームは画質調整が必要になりそうですが、VRゲームも快適に動かせる実力が備わっています。
VRゲームを動かすには、VRヘッドマウントディスプレイが必要です。
オンラインゲーム
定番ベンチマークソフトを、それぞれフルHD解像度の設定で走らせました。
重量級ゲームのFF15は高品質で「とても快適」という結果に。
場面によっては若干重くなるかもしれませんが、グラフィックの重いゲームもおおむね快適に動かせると考えて問題なさそうです。
FF14はグラフィックが軽いので、最高画質でヌルヌルに動かせます。
FF15
高品質 | 10803(とても快適) |
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標準品質 | 14669(非常に快適) |
軽量品質 | 16686(非常に快適) |
FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 20982(非常に快適) |
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PCゲームのフレームレート検証
ここからは実際にパソコンゲームを動かして、どれくらいのフレームレートが出たかご紹介します。
平均フレームレートの計測にはMSIのAfterburnerを使用。
まずはフォートナイトとApex LegendsをフルHD解像度でプレイして、最高画質と低画質、それぞれ試した結果がこちら。
最高画質 | 130fps |
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低画質 | 289fps |
最高画質 | 162fps |
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低画質 | 224fps |
フォートナイトの低画質はレンダリングモード「DirectX11」で「3D解像度」のみ100%に設定して試した結果です。
最高画質でもストレスなく動かせますが、画質を落とせばおおむね240以上で安定します。
ほかのパーツ構成と結果を比較すると以下の通り。
RTX 3060 Ti (Ryzen 5 5600X) | |
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RTX 3070 (Core i7-11700K) | |
RTX 3060 (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 3060 Ti (Core i7-11700K) | |
RTX 3060 Ti (Core i7-11700) |
マップや戦闘状況によって大きく変動するものの、フォートナイトは5,000番台のRyzenと相性が良く、Ryzen 5 5600Xとは大きな差が開きました。
フォートナイトをメインにプレイしたいなら、CPUはRyzen 5 5600Xを選んだほうが良いでしょう。
ちなみにレンダリングモードを「パフォーマンス」に変えても、平均フレームレートは400に届かず。
Ryzen 5 5600Xならパフォーマンスモードで平均500近くまで伸びるため、やはり差を感じます。
RTX 3060 Ti (Core i7-11700K) | |
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RTX 3060 Ti (Ryzen 5 5600X) | |
RTX 3060 Ti (Core i7-11700) | |
RTX 3060 (Core i7-11700K) | |
RTX 3060 (Ryzen 5 5600X) |
Apex Legendsはフレームレートの上限が300ということもあり、フォートナイトほど大きな差が出ませんでした。
Ryzen 5 5600Xにわずかに負けていますが、誤差の範囲といえそうです。
そのほかの人気ゲームはすべて最高画質でプレイして、平均値を算出しました。
Escape from Tarkov | 96fps |
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VALORANT | 209fps |
Rainbow Six Siege | 272fps |
Escape from Tarkovはグラフィックがとても重く、最高画質(Ultra)だとマップによっては60を下回ることも。
がっつりやりこむなら少し画質を落としたほうが良いでしょう。
VALORANTやレインボーシックスシージはグラフィックが軽いため、画質を落とすことなく快適にプレイできます。
レイトレーシング性能
続いてレイトレーシング(DXR)に対応したゲームの平均フレームレートをチェックしました。
解像度はフルHD、ゲームのグラフィック設定はすべて最高に設定しています。
DXR ON | 57fps |
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DXR OFF | 80fps |
DXR ON | 57fps |
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DXR OFF | 74fps |
場面によって60を下回ることがあるものの、DXR ONでもほとんどカクつきを感じることはありません。
RTX 3060では少々しんどい印象でしたが、RTX 3060 Tiならグラフィックの重いゲームもDXR ONの最高画質で楽しめます。
DXR ON | 91fps |
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DXR OFF | 146fps |
DXR ON | 94fps |
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DXR OFF | 144fps |
CoD:BOCWとBIOHAZARD VILLAGEは、DXR ONでも比較的スムーズに動かせました。
VRゲームの動作検証
Oculus Quest 2を専用ケーブルでつないで、PC用のVRゲームを実際に動かしてみました。
Half-Life: Alyxはグラフィックが重めですが、最高画質でもフレームレートが72からほとんど落ちることなく、快適に動かせました。
Beat SaberはPCを使わずとも動かせる軽いゲームなので、サックサクに動作可能。
ヘッドマウントディスプレイがあれば、VRゲームも快適に楽しめます。
ゲーム実況のライブ配信
ゲーム実況をTwitchでスムーズに配信できるかも検証しました。
配信ソフトは無料で使えるOBS(Open Broadcaster Software)を使用、配信と同時に録画も実施します。
Apex Legendsの配信を試したところ、以下の設定でスムーズに配信ができました。
ゲームの画質 | 低~中 |
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出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
FPS共通値 | 60 |
映像ビットレート | 6,000 Kbps |
配信エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
音声ビットレート | 128 |
録画品質 | 高品質、ファイルサイズ中 |
録画フォーマット | mkv 配信後にmp4へ再多重化 |
録画エンコーダ | ハードウェア(NVENC) |
ゲームの画質を落としておけば、配信中でも200弱のフレームレートをキープできます。
配信の画質にこだわるなら、画質を少し上げても良いでしょう。
配信するゲームによって最適な設定は変わるので、その都度調整する必要があります。
アバター表示でも快適に配信
FaceRigを使用してアバターを表示させながら配信を試したところ、こちらもスムーズに配信・録画ができました。
アバターを表示するソフトによってPCの負荷は変わるため、心配な方はメモリを32GBに増設したほうがいいかもしれません。
Webカメラなどの配信機材を整えれば、PC1台でVTuberとしてライブ配信が可能です。
おすすめのBTOパソコン
Core i7-11700とRTX 3060 Tiを搭載したBTOパソコンのおすすめモデルをピックアップしました。
メーカーによってはCPUが第10世代のCore i7だったり、内蔵GPU非搭載の「F」つきだったりするので、仕様をよく確認してください。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点の情報です。最新情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
フロンティア
まずはフロンティアの週替わりセールに登場していたこちらのモデル。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-10700F |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
セール価格 | 183,100円(消費税・配送料込) |
CPUは第10世代の「F」つきですが、筆者が調べた限り、Core i7とRTX 3060 Tiでは業界最安レベルです。
電源は850W(80PLUS GOLD)が搭載されていて、安心感もたっぷり。
唯一の弱点は、フロンティアのセールは台数が限られていて、タイミングが悪いと売り切れてしまうということ。
安く買えるかはタイミング次第といったところでしょうか。
G-Tune
こちらはマウスコンピューターが販売するG-Tune HM-B-3060Ti。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-10700F |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
販売価格 | 195,580円(消費税・配送料込) |
電源は700W(80PLUS BRONZE)を搭載。
先ほどのフロンティアと比べると少し高く感じますが、無線LANとBluetooth 5を標準搭載しているのがポイント。
さらにG-Tuneはアフターサポートが24時間365日なので、初心者の方やPCに苦手意識を持っている方も安心です。
実機レビュー
HM-B-3060Tiの実機をお借りして、性能を詳しくレビューしました。
有料オプションのLEDファンと強化ガラスパネルも搭載したカスタムモデルです。
ぜひあわせてご覧ください。
パソコン工房
パソコン工房は第11世代のCore i7を搭載。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-11700 |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
販売価格 | 196,878円(消費税・配送料込) |
G-Tuneと同じく電源は700W(80PLUS BRONZE)ですが、パソコン工房はDVDスーパーマルチドライブを標準搭載。
無線LANは非搭載なので、有線をつなげられない方は注文時のカスタマイズがおすすめです。
パソコンでDVDなどを見たい方は、パソコン工房を検討してみてはいかがでしょうか。
ドスパラ
最後にご紹介するのは、ドスパラのGALLERIA XA7C-R36T。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-11700 |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
販売価格 | 213,280円(消費税・配送料込) |
第11世代のCore i7とはいえ、記事執筆時点ではもっとも高く、電源も650W(80PLUS BRONZE)と若干見劣りします。
GALLERIAはライティング機能を標準搭載したケースと「翌日出荷」という超スピード納品が大きな魅力。
「すぐにゲーミングPCが欲しい!」
という方にとって、間違いなく有力候補になることでしょう。
ドスパラは価格の波が激しいため、タイミングさえよければもっと安く買えそうです。
ゲーム性能はRyzen 5 5600Xに負ける
Core i7-11700とRTX 3060 Tiの組み合わせなら、ほとんどのゲームを快適に動かせます。
ただし、CINEBENCH R20のスコアではCore i7-11700の圧勝でしたが、実際にゲームを動かしてみると、Ryzen 5 5600Xのほうがフレームレートが出ていることも。
フォートナイトやVALORANTなどのゲームをメインに考えているなら、ほぼ同価格で買えるRyzen 5 5600XとRTX 3060 Tiを選んだほうが良いでしょう。
予算と用途に合わせて、納得のいくゲーミングPCを選んでください。