マウスコンピューターの手掛けるゲーミングノート、NEXTGEAR-NOTE i5330シリーズをお借りしました。
機材貸出元:株式会社マウスコンピューター
G-Tuneのゲーミングノートの中ではエントリーモデルに位置づけされますが、高性能なCPUを搭載しているため、ゲーム以外の用途でも活躍を期待できる1台です。
どれほどの実力なのか、詳しくレビューします。
G-Tune NEXTGEAR-NOTE

今回お借りしたのは、NEXTGEAR-NOTE i5330PA2というモデル。
Core i7-8750HとGTX1050を搭載した、i5330シリーズ最上位のモデルです。
まずは基本的なスペックから順にみていきます。
スペック
NEXTGEAR-NOTE i5330PA2の基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-8750H |
GPU | GeForce GTX1050 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 480GB HDD 1TB |
Core i7-8750Hは第8世代のノートパソコン向けCPUとしてトップクラスの性能を持つ、ゲーミングノートでよく用いられてるものです。

6コア/12スレッドとデスクトップパソコン並みの処理能力を秘めており、複数タスクも軽快に処理してくれます。
Core i7-8750Hを搭載したゲーミングノートはいくつか試していますが、どれも素晴らしい性能です。
グラフィックスはエントリーモデルのGTX1050、メモリは32GBとたっぷり積んであるので、動画編集などでも活躍してくれるでしょう。
SSDとHDDのデュアルストレージで、SSDはNVMe M.2に対応しているため、転送速度は爆速です。
サイズは378×267×27.6~36.3mmとなっていて、一般的なノートパソコンと比べると少々分厚く感じます。
A4のクリアファイルと見比べて、なんとなくの大きさをイメージできるでしょうか。

重量は約2.5kgと、これまた一般的なノートパソコンよりずっしりと重みがあります。
撮影上、片手で持ってみましたが、持ち運ぶときは両手を使いましょう。
結構重いです。
ラインナップ
NEXTGEAR-NOTE i5330シリーズは、モデルが大きく4つに分かれています。
モデル | CPU | グラフィックス | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
ブロンズモデル | Core i7-8750H | GTX1050 | 8GB | 109,800円〜 |
シルバーモデル | Core i7-8750H | GTX1050 | 8GB | 112,800円〜 |
ゴールドモデル | Core i7-8750H | GTX1050 | 8GB | 114,800円~ |
ゴールドモデル | Core i7-8750H | GTX1050 | 16GB | 129,800円~ |
プラチナモデル | Core i7-8750H | GTX1050 | 32GB | 159,800円~ |
ゴールドモデルにはメモリ16GBを搭載したWEB限定モデルもあります。
一番安いブロンズモデルでもCPUとグラフィックスの構成は変わらないため、ゲーミングノートをはじめて買う方にもおすすめ。
いずれのモデルもストレージ容量はオプションでカスタマイズ可能です。
また、記載している価格は記事執筆時点の金額です。
パソコンの仕様や価格は変動するものなので、最新の情報は公式サイトにて確認をお願いします。
デスクトップ用CPU搭載モデル
NEXTGEAR-NOTEにはデスクトップパソコン用のCPU(Core i7-8700)を搭載した、i5340シリーズもあります。
Core i7-8750Hも十分高性能ですが、処理速度の速さにこだわりたい方はi5340シリーズもチェックしてみてください。
i5340シリーズのラインナップは以下の通り。
モデル | CPU | グラフィックス | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
ブロンズモデル | Core i5-8400 | GTX1050 | 8GB | 104,800円〜 |
シルバーモデル | Core i7-8700 | GTX1050 | 8GB | 122,800円〜 |
ゴールドモデル | Core i7-8700 | GTX1050 | 8GB | 134,800円~ |
ゴールドモデル | Core i7-8700 | GTX1050 | 16GB | 144,800円~ |
プラチナモデル | Core i7-8700 | GTX1050 | 16GB | 154,800円~ |
i5330シリーズを選ぶか、デスクトップ用CPUを搭載したi5340シリーズを選ぶか、迷いどころですね。
個人的にはi5330シリーズのゴールドモデル(メモリ16GB)が価格とスペックのバランスが絶妙だと感じています。
ゲームだけならメモリ8GBでも問題はありませんが、プレイ動画をYoutubeで公開したり、簡単な動画編集も考えるならメモリは16GB積んでおくのが無難です。
競合モデル
また、Core i7-8750HとGTX1050を搭載した15.6型のゲーミングノートは競合モデルもいくつか存在します。
有名どころのメーカーだと、以下のようなモデルが販売されています。
G-GEAR note N1545K-700/T | GF63 8RC-068JP | FRNZ810/KD4 | |
---|---|---|---|
メーカー | ツクモ | MSI | FRONTIEA |
CPU | Core i7-8750H | Core i7-8750H | Core i7-8750H |
GPU | GTX1050 | GTX1050 | GTX1050 |
メモリ | 8GB | 8GB | 8GB |
サイズ | 15.6型 | 15.6型 | 15.6型 |
販売価格 | 113,184円 | 123,984円 | 101,667円 |
詳細 | 詳しく見る | 詳しく見る | 詳しく見る |
ワンランク上のグラフィックス、GTX1050 Tiを搭載したモデルも各社から販売されています。
セール時期を狙ってみたり、パソコンのデザイン面で選んでみるのもよさそうです。
記載している仕様、価格は記事執筆時点のものです。一部のモデルは期間限定のキャンペーンも適用されているため、最新価格はその都度公式サイトにてご確認をお願いします。
インターフェイス
ここからはインターフェイスなどを見ていきます。
まずは天板ですが、ガンダムに出てきそうなスタイリッシュなデザイン。

ここは好みが分かれそうなポイントですね。
少なくともオフィスで仕事用に使うのはちょっと恥ずかしいかもしれません。

裏面はご覧の通り。廃熱のため、メッシュ状になっている部分があります。
バッテリーは着脱式です。

仕様上のバッテリー動作時間は約7.2時間となっていますが、使い方次第なので過度な期待は禁物です。
会議や打ち合わせで使用したり、カフェで事務作業をする程度(1~2時間)であれば問題なく使えるでしょう。
ゲームやRAW現像など、CPUに負荷のかかる作業をするときはACアダプターにつなげることをおすすめします。

側面部分はご覧のように、廃熱用の大きなダクトが設けられています。
ゲームをプレイしているときなどは、ここから暖かい風が出てきます。
風の逃げ道を防がないように、置き場所を工夫する必要がありますね。

左右のインターフェイスはこのようにさまざまなポートが用意されています。
左側面にはType-C にも対応するUSB3.1ポートをはじめ、SDカードなどを読み込めるやマルチカードリーダー、HDMIとmini DisplayPort、有線LANのポートまで。
右側面はUSB3.0とUSB2.0のポートが1つずつと、ヘッドホンやマイクを接続できるようになっています。
光学ドライブやVGA端子などは搭載されていないので注意しましょう。

ACアダプターは120Wの薄型タイプ。
薄型といっても約15×7.6×2.5cmあるので、一般的なノートパソコンのACアダプターより大きめです。
持ち運ぶことを前提に考えている方は、ACアダプターの大きさも考慮しておきましょう。
キーボード

キーボードはテンキー付きの日本語配列。
仕様によるとキーピッチは約18mm、キーストロークは約1.8mmとのこと。

一般的なノートパソコンのキーボードですが、右側のShiftとCtrlの幅がかなり狭いところが個人的に気になります。
仕事で頻繁に使用するカーソルキーも小さいので、慣れるまでは苦労しそうです。

タッチパッドもごく普通というか、可もなく不可もありません。
さらさらとした触感でスムーズに動いてくれます。
macと比べると、多少滑らかさは劣りますね。

バックライトも搭載されているので、夜中に電気を消した状態でゲームをするときも打ち間違えることはないでしょう。
キータイプ音は一般的なポコポコ・ペタペタ系。
30秒ほどの動画を作成したので、実際に聞いてみてください。
ディスプレイ

ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)ノングレア液晶。
デフォルトの状態だと、少々青みが強いように感じます。
ノングレアというのは非光沢という意味。
わざと蛍光灯が映り込むように撮影していますが、クッキリと映り込まず、ぼんやり反射しているのがわかるでしょうか。
ツルツルのディスプレイも見た目はきれいですが、長時間使用していると目が疲れやすいというデメリットがあります。
ゲームの種類にもよりますが、目を酷使するゲームも多いので、ノングレア液晶がおすすめです。
各種ベンチマーク結果

ここからはNEXTGEAR-NOTE i5330PA2の性能面を、各種ベンチマークソフトを使いながら丸裸にしていきます。
どれほどのスペックを秘めているのか、順に見ていきましょう。
CPU

まずはCINEBENCH R15でCPUの基本性能をチェックしたところ、1039cbという結果でした。
まったく同じCPUを搭載しているGS65 Stealth Thin 8REで試したときは1088cbだったので、期待通りの数値といえます。
ストレージ
CrystalDiskMarkでデュアルストレージ(SSDとHDD)の転送速度もチェックしました。
SSDはNVMe M.2仕様なので、読み込みで3,070MB/sという期待通りの数値が出てくれました。
HDDも期待通りというか、標準的な数値が出ています。
SSD(NVMe M.2)

HDD

3D性能

3D性能をチェックするため、3DMarkのFire Strikeのスコアも確認したところ5630でした。
GTX1050はエントリーモデルのグラフィックスなので、やはりあまり高い数値は出ないですね。
上位モデルとの数値の差は以下のグラフの通りです。

ゲームを遊べないということではありませんが、多少画質を調整する必要は出てくるでしょう。
グラフの数値は当ブログで計測したデータなので、あくまで参考程度にお考え下さい。
オンラインゲーム
Fire Strikeのベンチマーク結果が少々不安ではあるものの、実際に有名どころのパソコンゲームをどれくらい動かせるのかを検証してみます。
使用したのは以下ゲームのベンチマークソフト。
- FF15
- FF14
- ドラクエX
いずれも1920×1080(フルHD)の環境で確認しています。
FF15は数あるパソコンゲームの中でもかなり重いゲームなので、GTX1050には限界を感じました。
画質を落とせばプレイできないこともないですが、FF15の世界観を存分に味わうなら上位モデルのグラフィックスを搭載したパソコンを買いましょう。
FF14とドラクエXは良い結果が出ているので、軽めのゲームなら問題なくプレイできますね。
FF15

高品質 | 2054(重い) |
---|---|
標準品質 | 3246(普通) |
軽量品質 | 4358(普通) |
FF14 紅蓮のリベレーター

最高品質 | 6236(とても快適) |
---|---|
高品質 | 9658(非常に快適) |
標準品質 | 13608(非常に快適) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 9982(すごく快適) |
---|---|
標準品質 | 10921(すごく快適) |
低品質 | 18471(すごく快適) |
フォートナイトをプレイ
ベンチマークソフトを動かすだけではいまいちわかりづらいので、実際にフォートナイトをプレイしてみました。
まずはエピック(最高画質)で試してみたのですが、フレームレートが40前後とあまり好ましくない状況。
いくつか画質を調整したところ、100以上のフレームレートをキープできました。
設定内容含め、プレイ動画をまとめたのでこちらをご覧ください。
私のプレイがへたくそすぎる点は別として、フォートナイトのようなバトルロイヤルゲームはフレームレートが低いと敵にやられやすくなります。
一般的に60以上をキープできれば及第点とされますが、少しでも勝率を上げたいなら100以上を出せる設定で遊びましょう。
RAW現像の処理速度結果
D810のRAWデータ(有効画素数3,635万)100枚をLightroomで書き出してみたところ、3分で終了しました。

書き出し条件は以下の通り。
画像形式:JPEG
画質:100
カラースペース:sRGB
画像のサイズ:未調整(撮影データそのまま)
解像度:350
メタデータ:すべてのメタデータ(人物情報や撮影場所の情報は削除)
RAWデータの読み込みも非常にスムーズで、大量の現像もサクサク進みます。
ゲーム用途に限らず、写真編集にも活躍してくれるパソコンです。
排気音もあまりうるさくない
jpegへの書き出し中は排熱用のファンが高速回転しますが、思っていたより静かです。
シューーーーっという音がする程度で、静まり返った場所でない限り、「うるさい!」と怒られるようなことはないでしょう。
騒音計で数値を計ってみたところ、49.6dBAでした。

アイドル時(何もしていないとき)で42.6dBAなので、ゲーミングノートのなかでは比較的静かだといえます。

空調などが動いている一般的なオフィス環境で測定しているため、数値はあくまで参考程度にお考え下さい。
Youtube動画も軽快に作れる
今回お借りしているNEXTGEAR-NOTE i5330PA2は32GBのメモリを搭載しているため、動画編集もサクサク。
2~3分の動画なら書き出しにかかる時間も1分程度ですし、作業中にフリーズするようなこともありませんでした。

ただ、そこまでガッツリ動画を作るつもりでなければ、メモリは16GBでも十分かもしれません。
32GB積んでおいたほうが後々も便利ですが、そのあたりは予算との相談ですね。
入門機に最適なゲーミングノート

今回、初めてG-Tuneのゲーミングノートをお借りしてみて、パソコンゲーム入門機にぴったりだと感じました。
ゲームによっては画質調整が必要になるものの、最高画質にこだわらなければスムーズに遊べます。
RAW現像や動画編集にも活躍してくれるので、幅広い用途に活躍してくれるパソコンといえますね。
予算10~15万円前後でコスパの高いゲーミングノートを探している方は、ぜひNEXTGEAR-NOTE i5330シリーズを検討してみてください。